辺境駐在員

ビジネス

起業を企む人への読みやすい山登り地図 — 山口豪志「0 to 100 会社を育てる戦略地図」(ポプラ社)

筆者は、クックパッドを経て、現在は経営コンサルタント+個人投資家という経歴。そういう筆者が、「今の私にできるのは、みなさんが私のような回り道をしなくてもいいように、サポートすることです。」といった動機からから執筆されたのが本書のよう。   ...
西條奈加

主人公の「お末」ちゃん、頑張れと声援をおくってしまう時代小説 — 西條奈加「上野池之端 鱗や繁盛記」(新潮文庫)

時代は、田沼意次が威勢をふるってから50年ぐらい後、徳川十代将軍家斉の治世も最後のほうに差し掛かった頃、半分以上騙されて、田舎から上野池之端の料理茶屋「鱗や」へ奉公にだされた「お末」を主人公にした時代小説である。   収録は   蛤鍋の客 ...
ワークスタイル

「乾けない」世代の新モチベーション論 — 尾原和啓「モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書」(NEWSPICKS BOOKS)

マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員を経て、リゾートワーカーをしている筆者が、「乾けない世代」を主な対象にした、「新しいモチベーション」についての本。   構成は   はじめに モチベーション革命 第一章 「乾けない世代」とは何か? 第...
上田秀人

裏切り者と呼ばれても「家」を再興した男の物語 — 上田秀人「梟の系譜 宇喜多四代」(講談社文庫)

戦国ものの歴史・時代小説の人気どころは、やはり尾張の織田信長・豊臣秀吉あるいは甲府の武田信玄、越後の上杉謙信といったところで、一段下がって、伊達政宗、徳川家康といったところであろう。 残念ながら、中国地方の武将は、ときおり毛利元就がでてくる...
上田秀人

瀬能数馬、留守居役としてはまだまだ未熟者である — 上田秀人「百万石の留守居役 5 密約」(講談社文庫)

家綱没後、将軍世子となった綱吉の暗殺未遂事件から将軍宣下のところまでが、今巻。 構成は 第一章 世子の座 第二章 直参と陪臣 第三章 留守居攻防 第四章 密談の場 第五章 寵臣の交代 となっていて、権力が強ければ強いほど、その主役が交代する...
ワークスタイル

東京大学発、マッキンゼー下車、ひとまずお笑い芸人行きの旅路 — 石井てる美「キャリアを手放す勇気」(日経ビジネス人文庫)

まず最初に、東大卒、マッキンゼーの社員だった私がお笑い芸人になって、かくも成功した秘訣は、とか、日々充実した生活を……と言った話ではない。身も蓋もない言い方をすると、「エリート人生を歩んでいた人が、有名会社を辞めた」顛末の話である。   構...
佐々木裕一

悪党はしっかり信平に懲らしめてもらわないといけないね — 佐々木裕一「公家武者松平信平 9 将軍の宴」(二見時代小説文庫)

前巻で江戸を荒した女盗賊の騒動を収めたところとあって、今巻は江戸中を騒がすような悪党はひとまず鳴りを潜めている状態。ただ、弱い者の血を吸って生きている輩はつきないもので、今回は、そういう事件の解決譚。   収録は   第一話 鉄の証文 第二...
コミュニケーション

「コミュニケーション」って、そもそも何だ? — 平田オリザ「わかりあえないことから 」(講談社学術新書)

昔に比べて、やたらと頻出してきたな、と思う言葉が「コミュニケーション」というやつで、あちこちで使われる割には、なんとも掴みどころのない言葉でもある。 本書は、平田オリザ氏による「コミュニケーション」の解釈であるとともに、いわゆる「コミュニケ...
ビジネス

『会社は自分の乗る「舟」の一つ』と割り切ったら「会社人間」も気が軽くなる — 江上 剛「会社という病」(講談社+α文庫)

当方も昔ながらの「会社人間」、悪口で言うと「社畜」の部類なのだが、定年が近くなると、出世の限界も見えてくるし、それにあわせて、「会社」への精神的な立ち位置も、少々「醒めて」きている。 そんな気分の時に、自分と会社の関係を、ちょっと俯瞰した、...
ワークスタイル

若い「疾走者」、そして良き「伴走者」の”声援”を聞いておこう — はあちゅう『「自分」を「仕事にする生き方』(幻冬舎)

Amazonのレビューを見ると、賛否それぞれにあって、ああ前を行く「疾走者」は、走っていく快感もあるが、向かってくる風も強いのだろうな、と、彼女への風の強さを想像してしまう。ただ、そうした逆風があっても、前へ走っていく筆者の様子は、「スゴイ...