今村翔吾

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くらまし屋の掟を破る依頼者に平九郎の対応は? ー 今村翔悟「秋暮れの五人 くらまし屋稼業4」(時代小説文庫)

今まで、香具師の親分から追われる子分二人、呉服屋に監禁されている娘、高尾山の山中に軟禁されている本草家、と様々な事情と様々な環境にある者を「晦まして」きた「くらまし屋」たちなのだが、今話では、くらまし屋の晦ましに条件となる「依頼は必ず面通し...
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幕府と誘拐集団をかいくぐり、山中から「植物学者」を脱出させよ ー 今村翔吾「夏の戻り船 くらまし屋稼業3」(時代小説文庫)

第一作で、浅草を牛耳っている香具師の元締め・丑蔵の手下の万次と喜八、第二作で日本橋の呉服屋・菖蒲屋の奉公人・お春を、彼らを殺そうとする丑蔵や人買いに売っぱらおうとする菖蒲屋と人買いたちの間をかいくぐって、見事、江戸から脱出させて「晦ます」こ...
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国元から来た若殿様は、ぼろ鳶組を潰す気なのか? ー 今村翔吾「九紋龍 羽州ぼろ蔦組 3」(祥伝社文庫)

壊滅寸前のところから、新リーダーの松永源吾を筆頭に、軟弱風の剣の達人・鳥越新之助、イケメンの軽業師・彦弥、元相撲取りの怪力・寅次郎、天文に通じたハーフの天才風よみ・加持星十郎、竜吐水の遣い手・魁武蔵といった面々の働きで、江戸の大名火消しの中...
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卑劣な「脅し」に負けずに江戸を「付け火」から守り通せ ー 今村翔吾「夜哭烏 羽州ぼろ鳶組 2」(祥伝社文庫)

新庄藩の大名火消しの活躍を描いた「羽州ぼろ鳶組」シリーズの第2弾。前巻で、花火師崩れの放火犯・秀助の火薬をつかったおおがかりな放火から江戸市中を守った松永源吾たち「ぼろ鳶組」で、江戸のあちこちで起きる火事の現場にかけつけて消火にあたる彼らの...
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江戸の庶民を火事から守る「火消し組」誕生 ー 今村翔吾「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 1」(祥伝社文庫)

「火事と喧嘩は江戸の華」というのは、かなり使い古された言葉なのだが、江戸時代、その建築構造や住環境から火事が多かったのは間違いなくて、誰でも知っている有名なものだけでも「振袖火事」「八百屋お七の火事」といったところがあるのだが、そういう「火...
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健気な娘「お春」の”くらまし”は成功するのか? ー 今村翔吾「春はまだか ー くらまし屋家業」(時代小説文庫)

前巻で、香具師の親分のもとから姿を「くらまし」たい二人を、何十人もの手下が取り囲む宿屋や、街道筋で目を光らせている道中同心たちの目をかいくぐって「くらます」ことに成功した、堤平九郎、七瀬、赤也の「くらまし屋」三人組の活躍を描くシリーズ第二作...
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江戸から「消えたい」望みを叶えます ー 今村翔吾「くらまし屋家業」(時代小説文庫)

江戸時代の「江戸」は、世界でも有数の大都市で、経済の中心でもあったのだが、富と人が集まって「光」が強いところには、その分、深い「闇」が生まれるのは世の常で、「姿を消してしまいたい」「姿を消さなければならない」事情を抱えた人も、それだけ多くな...