「狩る」という根源的なこと  その4ー岡本健太郎「山賊ダイアリー 4」

岡山に住む猟師兼マンガ家である岡本健太郎の私小説的猟師マンガ「山賊ダイアリーの四巻である。
猟師生活も堂に行ってきていて、途中、先輩猟師からもう少し経験を積んだら「駆除隊」へ参加するか、と誘われるところまできている。ただ、銃の腕前は、猟を始めた頃と変わらないと謙遜なのかどうかわからないと言っているので、猟師としてのランクはよくわからないところであはある。
収録は

第四十四矢目 スズメ猟
第四十五矢目 ジネンジョ
第四十六矢目 ラベリング
第四十七矢目 イノシシ討伐
第四十八矢目 ♂イノシシ
第四十九矢目 サビキ釣りに行こう
第五十矢目  変化
第五十一矢目 夏目さんの依頼
第五十二矢目 イノシシ頭のフルコース
第五十三矢目 アキ君とシシ
第五十四矢目 続・罠猟
第五十五矢目 続・罠猟Ⅱ
第五十六矢目 初猟シーズン終了
第五十七矢目 初猟シーズン終了Ⅱ
第五十八矢目 アマゴ釣り
となっていて、この巻で猟の初シーズンは終わり。56話と57話は猟師が集まっての猟期終了の納会の様子も描かれていて、猟師の繋がりと強さといったものを感じる。
猟師マンガらしく、野鳥、イノシシ、シカの料理が数々出てくるのが楽しいのだが、今回のメインは「イノシシの頭」の解体と料理。今まで、胴体の肉の解体、調理の場面は出てきていたが、「頭」は今回が初のお目見え。グロテスクなような、美味そうな、なんとも複雑な風である。
もうひとつ言うと、基本軸は「猟師」の話なのだが、周縁部には「釣り」や「山菜」の話も散りばめてあって、むしろ「自然」の中での生活マンガ、まさに「山賊」の暮らしのマンガであるな、という風合いが強くなってきている。幅広い楽しみ方のできるマンガになってきましたな〜。

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