A4用紙1枚にメモをする仕事術 ー 赤羽雄二「ゼロ秒思考」

作者の本旨は思考のスピード論と思考のまとめ方ということと思うのだが、ノート術あるいはファイル管理のベクトルの中の仕事術といった感じで読んでしまったので、そうしたレビューになることを最初にお断りしておく。
構成は
第1章 「考える」ためのヒント
第2章 人はゼロ秒で考えられる


第3章 ゼロ秒思考をつくるメモの書き方


第4章 メモを使いつくす
第5章 メモの整理・活用法
となっていて、第1章、第2章は、しっかりとした仕事をするため、思考や決断の時間についての筆者の考察
で、筆者的には
残念ながら多くの人にとって、考える時間の長さとアウトプットの量・成果はほとんど比例しない。

思考の「質」とスピード、双方の到達点が「ゼロ秒思考」。ゼロ秒とか、すなわち、瞬時に現状を認識をし、瞬時に課題を整理し、瞬時に解決策を考え、瞬時にどう動くべきか意思決定できること。
ということが肝。
そのためには
黙考して考えがどんどん深まればいいが、ほとんどの人にとってはちょっとしたアイデアや不安が浮かんでは消え、浮かんでは消えで、ほとんど形になっていかない。書き留めないので蓄積されないし、アイデアも深まらない。
一方、何かを思いついたらすぐ他人に話す人がいる。・・これはこれでよい方法であるが、アイデアを話してある程度反応がわかったら、話し続けるよりは一度モードを変え、そこまでの考えを書き留め、仮設をさらに深めていくほうが、たいての場合早く結果が出る
というように、とにかくメモをとって形にする、それも
頭を浮かぶことを次々とメモに書くだけ。ただ、ノートやパソコン上でなく、A4の紙に1件1ページで書く。ゆっくり次巻をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書く、毎日10ページ書き、フォルダに投げ込んで瞬時に整理する。
まとめて書くのではなく、思いついたときにさっと書く
方法で、とにかく大量に普段からメモを大量にすることで、思考のトレーニングをしておこうということであるらしい。

しかも
タイトルは頭に浮かんだまま躊躇せずに書く。今日あるタイトルで書いても、明日またその言葉、あるいは似たような言葉・フレーズが浮かぶ場合は躊躇なく、もう一度書く。昨日どう書いたかなどと見返す必要はない。見返さず、頭に浮かんだまま、また書く。3日後にまた似たようなタイトルが浮かんだら、それでメモを書く。振り返らずにひたすら書く。そうやって何度も書き、頭が整理された状態になると、そのタイトル(=テーマ)に関してはもうメモを書こうと思わなくなる。
という方法なので、以前書いたメモに時点に応じた事項や考えを追記していくといった「ノート術」とは概念が異なり、むしろA4用紙を使った、思考の整理術、仕事の整理術といったほうがよい。
個人的に試してみた感じでは前に書いたことを検索せずにメモを即座にとっていくことで、確かに思考が都度都度進化してまとまっていくような気がする。そのあたり、「追記する」ノート術だと過去の思考にとらわれてしまうことも多いから、時間の経過に従って仕事の内容をまとめていくのはこちらの方がオススメではある。
ただ、1日10ページ必須は結構辛いものですね。本書中も、A4メモをとるテーマを書き留めておくといったアイデアが出てくるが、数日ならまだしも数週間続くと、書くネタが枯れてくるのも事実で、悩みつづけたり考えつづけるのも結構、力量がいるもんだと実感する。
ま、ノート術、思考の整理術は数々あるので、いくつかを試して自分に合うものを選んでいけばよいのではないかな。

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