「無印良品が、世界でも勝てる理由」ーMUJIの海外進出のノウハウを「自分磨き」に応用してみよう

品質の良さとシンプルな製品イメージで、日本にとどまらず世界中に愛されている「無印良品」を提供している「良品計画」を、かつてのどん底期から現在のブランド企業までに押し上げた筆者によって、MUJIの海外進出のメソッドについて書かれたのが本書『良品計画 前会長 松井忠三「無印良品が、世界でも勝てる理由」(KADOKAWA)』です。

もともとは、海外進出する上での良品計画の手法について書かれているもので、企業の海外戦略を担当している役員や社員向けのものなのですが、今回は、個人が新しい分野に挑戦する、自分を磨く時のテクニック、メソッドを探るという観点から読み込んでみましょう。

【構成と注目ポイント】

本書の構成は

はじめにー世界で勝てない企業は、日本国内でも生き残れない
序章 MUJIは世界でどれだけ愛されている?
1章 成功するまでやり抜くー「早く」進出する、そして「確実に」進出する
2章 「巡航速度」でビジネスを広げようー海外で勝つ!7つの方法
3章 「日本の良さ」をも武器にできるかー「コンセプト」はやっぱり大事
4章 海外では「商品の愛され方」が違うー商品開発は「つくる」より「探す」
5章 「MUJIイズム」に国境はないーブランド哲学を浸透させるには
6章 「国ごとの常識」を見つけられる人ー「世界で活躍する人」の心得
特別インタビュー 「海外で勝ち続けるMUJI」の立役者、良品計画社長・松﨑暁さんに聞く

となっていて、まずおさえておくべきは

私が経営者になってからつくづく実感しているのは、ビジネスは九割がうまくいかないものだ、ということです。ファーストリテイリングの柳井正社長も『一勝九敗』(新潮社)というタイトルの本を書いていますが、まさにその通り。ただ、その一勝が大事なのです。失敗し続けても最後に成功すればすべての失敗が報われます。
それでは、どうやって一勝すればいいのか。  それには特別な方法などなく、成功するまで不屈の魂でやり続けるしかないのです。

というところで、新しい分野に挑戦する時は、時分にとってかなりの長い時間、成果がでない時期が続くのですが、本書にでてくる「MUJI」の海外進出は撤退と進出を何年もかけてやっているのが印象に残ります。一つの国や場所に必要以上の固執はしないが、諦めもしない。このへんが大事なようですね。さらに「他の企業が手を付けていない時期に真っ先に進出する(アーリーエントリー)のが一つの原則です」であったり、

海外進出に関しては、トライ&エラーの連続で、実際に出てみて失敗しながら勝ちパターンを見つけるしかありません。無印良品も、まだ勝ちパターンが見つかっていない地域がありますし、失敗するケースもあります。 それでも出ていくしか生き残る道はないのです

というあたりの「海外進出」を「新しい分野」と読みかえて挑戦していくことが個人の場合も大事なように思います、そして、本書で海外進出にあたって大事なこととしてアドバイスされているのは

①オリジナリティを持つ
 オリジナリティは不必要な競争をなくしてくれる
②郷に入っては郷に従え
 日本の中で「これは売れるだろう」「売れないだろう」などと」考えて商品をそろえても、言質で予想を裏切られることは少なくない・
 下手な先入観を、持たず、まず現地へ行ってみることが大事
③グローバル化の三条件(ブランド、ビジネスモデル、実行力)を確立させる
④コストはいつも最重視
⑤失敗しない仕組みをつくる
⑥国別の浸透度に出店ペースを合わせる
⑦海外に向いている社員の選び方
 海外勤務を希望している人派遣する
 そもそも”グローバルな社員”はいない

という7つのポイントなのですが、個人の領域で適宜読み替えて使ってみてはいかがでしょうか。

【レビュアーからひと言】

本書の最終章で、筆者なりの海外で活躍できる人=リーダーになれる人の条件として

①既成概念や固定観念にとらわれないイノベーターであること
②まず行動する、実行力
③やるとなったら、できるまでやる徹底力
④本質を見抜いて、それを追究できる能力
⑤先を観る目
⑥人に任せられる力
⑦現場、現実へ柔軟に対応する力
⑧リスクをとる勇気

を挙げています。すべてを満たす人材になるのはとても難しいとは思いますが、自分磨きの「道標」として使ってみてはいかがでしょうか。

Bitly

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