マケドニア軍、動く ー 岩明均「ヒストリエ 9」

マケドニアである種の存在感を持ち始めたエウメネスなのだが、第9巻では、そうした存在感もあってか「高い樹へあたる風は強い」といった風で結構な困難な命令がくだされる。
収録は
第74話 密命・1
第75話 密命・2
第76話 密命・3
第77話 メランティオス・1
第78話 メランティオス・2
第79話 カイロネイア・1
第80話 カイロネイア・2
今回の巻でちょっと注目なのは、エウメネスの若い頃、彼を陥れたヘカタイオスがボコボコになれるところ。前巻までの彼に所業を思いうかべながらまずは溜飲をさげよう。
で、結構な困難命令というのが、アテネのフォーキオンを陥いれろ、といったなんとも陰気な命令ではあるのだが、結構楽しげにこの命令をこなしていくのが、彼の偉さか。
さらに、この巻では、エウメネスがまだ幼く、伸びやかだった幼少期に彼のおつきであった奴隷、カロンに再会する。アテネの有力者になっていた彼とはつかの間の出会いなのであるが、これは次巻以降の伏線か?と勘ぐってみるのである。
まあ、最後のほうは、再びのアテネとの決戦である。場所はギリシア中央部カイロネイア。ここで、どうやらアレキサンドロスが、アテネの同盟軍であるテーベのテアゲネス将軍を相手になにやらしでかしそうななのだが、次巻に続くといった様で終わるのがなんとも残念ではある。

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