財務省の豪華ビルで涼子サマ、悪夢に出くわす — 田中芳樹・垣野内成美「薬師寺涼子の怪奇事件簿 東京ナイトメア」(マガジンZKC)

さて、摩天楼での警視庁復活を経た涼子サマの次なる活躍というか乱暴狼藉の場は、東京・三田の高級ホテルの横に立つ「三田分室」という怪しいんだが怪しくないんだかわからないところが舞台。
話は、高級ホテルで行われる名族の結婚式のバージンロードに死体が落ちてくるところからスタート。しかも、この死体を運んできたのは「有翼人」らしい、といった具合で、今回は最初のスタートから「怪奇色」満載である。
そして・・・、である。この建物の総工費が500億円、年間維持費が60億円と破格の値段。その所有は、なんと◯◯事件で、その「お力」の凄さがしれた「財務省」という設定である。もっとも、執筆は2005年あたりなので、時代がマンガに追いついた、ってなところか。
登場人物は、大蔵省あがりの大物政治家、多くの政治家に影響力を振るうオカルティスト、海外の大学卒の3世議員かつボンボンの国家公安委員長、といったぐあいで、涼子サマが敵意を持つ資格十分な面々が登場するので、彼らとの掛け合いのまたよろしいですね。
残念ながら、涼子サマの良きライバル、清楚派のマドンナ・室町由紀子参事官は、今回は、分室潜入などで「色っぽい」アクションが必要となって、かなり涼子サマに引っ張り回されて主導権が発揮できないのが残念。できうれば、涼子サマと対等近くまで張り合ってほしいのだが、ちょっと展開的にムリかも。
まあ、あいかわらずのアップテンポの展開。小難しいことは考えず、涼子サマの色っぽい「お姿」に拍手しながらページをホイホイとめくって楽しみましょうよ。

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