働き方改革の鬼子「残業代の減少」と「フラリーマン」は、第二の「変化朝顔」や「加賀毛鉤」を生み出すか

日経スタイルの日経スタイルの「消える残業代は5.6兆円?働き方改革で消費低迷も」で、

・働き方改革法案が通ると残業は年720時間が上限となり。年5.6兆円の時間外手当が減る。

・一人当たり86.7万円の収入減という試算もある。 ・企業が社員に還元する方法で、賞与や手当で還元するところもあるが、企業にとって労働投入量の減少も意味しており、売り上げ減少などの悪影響も心配される。

・浮いたお金で新規採用を増やそうにも、労働市場はひっ迫してるので困難。限られた人員リソースをどう振り分けるかに知恵をしぼらないといけない時

といったことが記事の主旨なのだが、当方がこれに加えて「ほう」と思ったのは、記事冒頭の

・早く退社できるようになったのに真っすぐ家庭に帰らず、ふらふらと街で時間をつぶす「フラリーマン」が出現している ・アサヒ飲料の調査では、会社員の7割が早く帰れるようになったものの、1割はフラリーマン化している

といったところ。つまり、かなりの数の人が「早く帰れる」ようになっても「やることがない「やることが見つからない」といった状況なんでありますな。

そういえば、「サラリーマンの残業が常態化し、サラリーマンが家庭と切り離されたのは、高度成長期以降で、それまでは夕食は家庭でとるマンガの「サザエさん」の夕食風景が一般だった」といったことを、以前読んだ働き方改革についての本に載っていたような気がするのだが、そうであるなら、およそ40年ぶりの「家庭生活」の変化でもある。

で、この風がどんな方向にいくのかな、というところなのだが、江戸時代の貧乏幕臣たちのように、「お城勤め+〇〇」といった感じで、サラリーマン生活に加えて、その人にあった何か別の生活が多様化していくと面白いかな、と思っているところ。

それも、江戸の貧乏御家人たちが生み出した「変化朝顔」であるとか、武道奨励に替えて鮎釣りを奨励された加賀藩士の生み出した「毛鉤」といったように、江戸期の侍たちが家計を助けるために知恵を絞って副業・複業の数々を考え出し、それが文化の一つにもなったような、そんな動きがおきると面白いんですがね。

そして、それが小さな産業となれば、堅苦しい、正社員論議や、実質的に多くの人にはサラリーマン化しか職業生活がないような状況にも、いろいろ変化がでてくるような気がする。例えば、サラリーマン+毛鉤職人、とか、坂井希久子氏の「居酒屋ぜんや」シリーズの主人公のように、サラリーマン+鴬の鳴き声指南役、とか。

なんにせよ、生計の手段が多様化していくっていうのは、息苦しくなりがちな「一色の職業生活」に風穴をあけてくれそうな気がするんですが、どうですかね

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