毎日がモヤモヤしていて不安がなくならなかったり、何をやっても自信がなくて他人に振り回されている、そんな気持ちにとらわれている人はいませんか。
本書によれば「頑張っても結果が出ない人」と「いとも簡単に目標達成していく人」との差は、ほんのちょっとしたところにあるそうで、本当にやりたいことに手が付けられずにいる人たちに向けて、「好きな時に、好きな場所で、好きなシゴトをする個人を創る」ための具体的なアドバイスをしてくれるのが本書『星渉「神メンタル ー「心が強い人」の人生は思い通り(KADOKAWA)』である。
【構成と注目ポイント】
構成は
序章 人生の9割はメンタルで決まる
第1章 「思い通りに生きる公式」の存在
第2章 変化を嫌がる人間の機能を科学的に攻略する
第3章 最強の行動力を手に入れて心を強くする
第4章 未来の自分を生きると現実が追いついてくる
第5章 アフォメーションで正しく心を鍛える
第6章 「神メンタル」で感情をコントロールする
終章 幸せになる権利は誰にも奪えない
となっていて、まず、あなたの人生は「自分を変えられない理由が「今の自分を捨てられないから」ということであれば、「今の自分を捨てれば」、つまり「これまでの毎日と違う選択と行動をすれば」、あなたの人生は確実に大きく変わる」という視点から、なりたい自分をイメージするところまでは、よくある自己啓発書と同じなのだが、それを受け、どうしたら実現できるか、というところで「手段は最も重要な項目ではない」と言い切るあたりがかなりゆーくである。
というのも、本書によれば
①手段は「目的地」が明確に設定されていなければ導き出すことはできない
②そもそもの行き方を”知らない状態”であるあなたには、いくら考えても生き方=手段は見いだせない
③実現したいことを実現する手段は「考えて作るもの」ではなくて「自動的に見つかるもの」
ということにあるらしく、とかく何かをするために、手段や道具とかいうもの拘泥しがちな我々を戒めるところから始まっている。
では、何に拘らないといけないのか、というとそれは「メンタル=自己評価」だ、と筆者は主張していて、そのため「明確な目的地を設定する」ための「未来体験シート」作成や、「未来体験シートを画像化して脳に繰り返し送る」とかの手法がレクチャーされている。
そして、「将来の姿」を描き出しても、その場限りで終わってしまったり、時間が経過するとその時の熱気が薄れてしまうことを回避するために本書では、脳内で物事を考えるのではなく、紙に書くことを推奨していて、悩みごとを書き出した紙を使った「紙面上の会話」や「エンプティチェア」といった手法も紹介されているので、ここらは具体のところを原書で確認したほうがよいですね。
ただ、世間で重要視する「モチベーションを上げること」は、目標を達成することへの阻害要因になるケースがあるらしいので要注意です。
また、今の自分の自己評価から新しい自己評価に書きかえれば、現実と自己評価とのギャップを「脳」が違和感を覚えて、「勝手に」現実を変える行動を支持し始めるというのが本書のキモのところで、その意味で「手段」をあれこれ悩んでもしょうがない、という前述の主張になるわけですね。要は「認識と現実のギャップ」を作り出し、それを「脳」に意識させることが大事、ということなのでしょうね。
さらには、
①実現したイメージを思い浮かべる
②イメージを体験したら、紙にアフォメーションの言葉を書き出す
③最後に鏡の前に立ち、自分の目を見て宣言をする
④これを毎日繰り返す
というのが、成りたい自分に近づいていく秘訣らしいので、各自お試しあれ。
このほか、いやなことがあってもそれを良いことに変化させる「フレーミングの逆用」であったり、目標を自動的に叶えるために「使うべき言葉」と「使ってはいけない言葉」など実用的なアドバイスがでてくるので、今の自分を変えたいあなたは、一度目を通しておいて損はない一冊だと思います。
【レビュアーからひと言】
自分を変えていこうとしたら、常にでてくる問題が、それをいかに継続し、習慣化していくか、ということであろう。こうした自己啓発書を読んで、「よし」と発奮しても、翌日には熱気が失せている、というのは誰しも経験のあることだろう。本書では、無理なく「習慣化」するコツとして
「新しい習慣をつくろうとしない」、習慣となっていることにちょっと加える
といった手法を推奨しているんだが、これは手軽に使えそうな手法だよね、と思ったところであります。
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