地域生活追跡班「奇跡を起こす たった1ページのノート術」

スマホやPCが普及して、ノートや手帳といった「アナログ」なものはなくなってしまうのでは、という声も以前はあったのだが、記録媒体が紙か電子かの違いはあっても、「ノートや記録を「手書き」でとる」といった行為の大事さはなくなっていない。
さらに先だってレビューした「神メンタル 「心の強い人」の人生は思いどおり」によれば

私たちが文字をキーボードでタイプする時に必要な指の動きは8種類しかないといわれています。ということは、タイピングをしている時、私たちの脳はこの8つの動きに対応する部分しか使っていない=刺激を与えていないということになります。
一方で、手書きをする時の私たちの指の動作は1万種類あるといわれています。脳も1万種類の動きに対応する部分を使うということになります。  
つまり、 脳に与える刺激が圧倒的に違う わけです。手書きをすることで、脳が何カ所も何カ所も刺激を受け「これは重要な情報だ」と認識する……これが目標達成率に大きく影響しているのです。

という話のあるぐらいなので、本書の冒頭の「ノートの使い方を意識的に変えるだけで、予想を超える”ポジティブな」結果”が生まれるのだ」というのはあながち謙遜した話ではない。そんな生活をやビジネスを大きく変える「ノートの使い方」をアドバイスするのが本書『地域生活追跡班「奇跡を起こす たった1ページのノート術」(青春出版社)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

はじめに
本書でおすすめするたった1ページのノート
1章 頭をスッキリできる、たった1ページのノート術【基本篇】
2章 なぜか1目置かれる、たった1ページのノート術【応用編】
3章 アイデアのプロが実践する、たった1ページのノート術
4章 メモ、手帳・・・無限に広がる、たった1ページのノート術
5章 最短時間で結果につなげる、たった1ページのノート術
6章 人生を変える、たった1ページのノート術

となっていて、ノートの使い方のノウハウやテクニックを中心に実例が紹介されているのは、第1章から第3章、ノートのメモ術を中心にノウハウが紹介されているのが第4章から第5章、目標設定でのノートの活用法といったことを中心で書かれているのが第6章というつくりになっているので、通読してもいいいし、それぞれの興味の具合に応じてつまみ読みしてもいいだろう。

いくつか、当方が気になったものを紹介すると

1冊のノートにまとめてしまえば、まだ本格的にスタートしていない仕事でも常に頭の片隅に置いておくことができる。
ふとしたことからアイデアが浮かぶこともあるし、考える時間が長ければさらに精度を高めることもできる。
また、パラパラとページをめくってノートを見返すことで、週1回の会議でも前回までの流れを覚えておくことができるし、問題点や課題があれば時間があるときに考えをめぐらせることもできる。
常にたくさんの仕事を抱えている忙しいビジネスパーソンこそ、会議のノートは1冊にまとめたほうがいいのだ。

という「会議用ノートはすべて「1冊」に収める」といったところや、「ひとつの案件についてノートをまとめ終わったら、すぐ後ろのページの中央部分を斜めに切り取り、次のページと綴じ合わせて」カンガルーのポケットのような袋をつくって関連資料を入れておく、といったアイデアや、「ノートの裏表紙にふせんを張り付けてストックしておく」であるとか、「調べものをしてまとめたノートに追加情報の書き込みや蛍光ペンでのマーキングをするときは、直接市内で、トレーシングペーパーを重ねて貼って、それに書きこみする」といったところは、簡単にできるノートの「機能アップ」の例としてすぐにでもマネしたくなるのは間違いない。

さらには、こうした物理的なノウハウ以外の「メモ取り」のノウハウ、例えば

文章やメモの書き方が苦手な人は、「主語+述語」のワンフレーズで書く練習をするといいだろう。
これは、いってみれば英語の文法の要領と同じで、たとえば「Taro comes(太郎が来る)」と主語+述語で書くだけで、長々と書くより意味がわかる。あとは「月曜日」「13:00」などと、単語で情報を添えておけばOK

であるとか、

A3やB4サイズなどの大きい書類を複数枚まとめて渡されたりすると、どうやって保管したらいいものか悩んでしまうことがあるだろう。
このような場合はどうすればきちんと整理できるだろうか。
こんな場合は発想を転換させて、「書類」ではなく「冊子」として管理する方法を考えてみよう。
たとえばA3サイズの場合、横長の書類を真ん中からすべて谷折りにする。
そうしておいてから、裏の白紙の部分をテープのりでのりづけしたら、次の書類の裏の部分とを貼り付けるのだ。

といったファイリングの小技が第4章から第5章にかけて出てくるので、ここらはチェックしておいたほうが良いですね。

【レビュアーからひと言】

ビジネスや趣味の活動など、ノートを使って、効率化したり、目標を実現するための手法やノウハウをまとめた書籍は数多く出ているので、それを一度も読んだことのない、という人はほとんどいないと思う。ただ「この一冊で十分」と言える書籍はない、というのが当方の本音のところで、自分にあったノート術やメモ術を見つけるには、できるだけ数多くのノート術やメモ術の本に目を通したり、それらをテーマとしているサイトの記事を読んでみたり、といったやり方が、手間はかかるのですが、一番手堅いように思います。

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