「Outliner」で創造的に「書く、考える、生活する」 ー Tak.「アウトライナー実践入門」

知的生活を支援するアプリはEvernoteからDropboxなどさまざまあるのだが、本書で紹介する「アウトライナー」を名前は聞いてことはあるが、作家やライターさんの使うもので一般のビジネスパーソンには縁がないよね、と思っている人も多いのではないでしょうか。

当方も実はそんな一人で、Macのあうろライナー・アプリをセールの時に購入はしたのですが、いまいち、よい使い道が思いつかなくて放置状態でありました。
今回、TaK.さんによる本書『アウトライン―実践入門(技術評論社)』で、今まで誤解していたところや使い道がなんとなく見えてきたので、レビューしておきます。

【構成と注目ポイント】

構成は

PART1 アウトライナーとアウトライン・プロセッシング
PART2 アウトライン・プロセッシングの技法
PART3 文章を書く
PART4 理解する・伝える・考える
PART5 アウトライナーフリーク的アウトライナー論
PART6 <文章を書き、考える>アウトライン・プロセッシングの現場
PART7 アウトライン・プロセッシングの風景

となっていて、今まで、どうにも使えないな、と思いこんでいたのは、当方が
アウトライナーというのは「アウトラインを作ってから文章を書くためのもの」というのは誤解。何をどんなふうに書くべきかは、多くの場合、「実際に書くこと」を通じて初めてわかってくる。(p24)

と本書にあるような「アウトラインをまずつくるもの」という呪縛に意識せずに陥っていたからであったようです。

というのも、本書のいう「文章を書きながら同時進行でアウトラインを作れる」という「生きたアウトライン」という概念が理解出ず、紙で構成案を考えたりするイメージから逃れられなかったことにあったのですが、本書の「アウトラインの操作の5つのパターン」

①リスティング(箇条書き)
②ブレイクダウン(細分化)
③グルーピング(分類)
④レベルアップ(階層を上がる)
⑤ソーティング(並べ替え)

といった手順に従ったやり方であるとか「PART3 文章を書く」の「フリーライティングからのアウトライン・プロセッシング」の

①自由なフリーライティング
②テーマの探索
③テーマを絞ったフリーライティング
④テーマの明確化
⑤仮のサマリーをつくる
⑥仮のアウトラインをつくる
⑦仮のアウトラインに沿って内容を整理する
⑧<シェイク>を繰り返す
⑨アウトラインの引き締め
⑩アウトラインの固定

といったやり方を実際やってみると、レポートや記事を構成をあれこれ変更を加え、見直しと修正を加えながら仕上げていく、というやり方の良さや利点がわかってきて、ビジネスの面では、上司やクライアントの意見や希望を組み入れながら仕上げていく形の企画などの適しているのかな、と思った次第であります。

また、「PART6 <文章を書き、考える>アウトライン・プロセッシングの現場」では、タスク管理やライフハック系、仕事の効率化で著書も多い「倉下忠憲」さんや、行政法の先生で勉強や研究の進め方などのブロガー「ばうぜ」として活躍中の横田明美さんとの対談や、「PART7 アウトライン・プロセッシングの風景」では、「シェイク」をしながらアウトラインが育っていくのを紙で再現したところとか、実際に使う場面での参考となりそうな話がでているので、のぞいてみてくださいな。

【レビュアーからひと言】

本書の中で紹介されているのは「WorkFlowy」というクラウド系のアウトライナーなのですが、当方は、今回、同じくクラウド系の「Dynalist」というアウトライナーを使って、本の抜き書きをアウトライン化して、そこからブックレビューを書く、といった作業をやってみたのですが、本が体系的にツリー構造で整理でき、この入れ替えも簡単にできるので、ビジネス書や報告書の梗概をつくったりするのには便利だと思います。
新型コロナの影響で、クラウドを使ったリモートワークへとワークスタイルが変化してきている中、クラウドサービスを使って、チームで仕事をする形はますます増えてくると思うので、こうしたアプリは早めに使いこなせるようになっておきたいですね。

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