メモは48時間以内に捨てろ ー 相葉光輝「仕事は「捨てメモ」でうまくいく」

ノート術・メモ術

少し前に、モレスキンノートなどの高級ノート・ブームがあった時は、こういう類のノートを大事に使って保存しておくことがブームになったのが記憶に新しいところですが、メモやノートは、昔のものも残して保全しておく、という人は多いのでは。
こういうノートとちょっと趣は違うのですが、メモをきちんと保存して、読み返し、場合によっては追記するといたtことを奨めているビジネス書もあります。
そういったメモの使い方に対して、真っ向から反対を唱えているのが本書『相葉光輝「仕事は「捨てメモ」でうまくいく」(サンマーク出版)』です。

【構成と注目ポイント】

構成は
1章 メモは「捨てるため」に書く最強の仕事ツール
2章 捨てメモで身に就く「三つの効果」
3章 「捨てメモ」の理想的な書き方から捨て方まで
4章 捨て方を極めると、夢がかなう
となっていて、一章・二章が「捨てメモ」の概念と効果、3章が具体的な捨てメモの手法、4章が「捨てメモ」方式のPRといった組み立てです。

筆者によれば、「捨てメモ」というのは、
①情報を捨てる
②「きれいに書く欲を捨てる」
③メモそのものを捨てる
ことによって完成するもので、「捨てメモ」を実践することで
①話し方がうまくなる
②アイデアが出やすくなる
③行動力が身につく
という3つの効果があるそうです。
なんでそんな効果が出るの、というあたりには疑問を抱かれる方も多いと思うのですが、それぞれ「頭の中で「自分なりの言葉」に置き換えている」や「アイデアを生むために一番重要なのは「余白」をつくること」「捨てることで自然と速い決断を行うようになる」といったことが要因となってるようなのですが、詳細については本書のほうで。

さらに第三章のほうで、メモの取り方から捨て方までステップを追って解説されてるのですが、おさえておきたいのは
メモをとる心構えはまず「さかなの法則」
さ→さっと(気軽に)
か→カタカタで
な→なぐり書き(体裁を気にしない)

ということで、とにかく早く、必要なことを書くための書き方に徹することと

メモの捨て方は
・メモ用紙は6割埋まったらすぐ捨てる
・捨てる前に他人に話し、その後、メモは48時間以内に捨てる
・大事なメモほど真っ先に捨てるように心がける
ということで、大切なものを残しておきたい、取っておきたいという気持ちの表れからくる「不良債権」の発生防止と他人に話すことに四つ「記憶への定着」を狙うことがポイントになるようですね。

そして、「メモを残すこと」は筆者によれば

夢や目標をノートに書いている人は多いと思いますが、ノートでは書いたまま見返さずにしまっていくことがほとんどです。書いたものを何度も見返すことが成功する秘訣だといった自己啓発の本もありますが、その夢にその先ずっと縛り付けられる可能性も含んでいることを忘れてはいけません。むしろ私は、自分の目指すべき夢に「受け身」になる行為だと思っています。

ということにつながり

そもそも、夢や目標は日々、少しづつですが変わるもの、それが自然です

ということで、筆者としては、日々変わっていくこと、過去にとらわれず自由な発想をすること。が「メモを捨てる」という行為に象徴的に現されているのだ、と当方的には解釈いたしました。

このほか、「捨てメモ」流名刺交換術、とかメモを使ったアイデア力を高める練習とか、日々のビジネスでも使えそうなTipsもあるので、興味の湧いた方は本書を開いてみてくださいな。

【レビュアーからひと言】

「メモ」という単語が表題に含まれてはいるのだが、効率的な「メモ術」であるとか、斬新な「ノート術」といったことを期待しているとちょっとあてがはずれると思います。
それよりも、「メモ」というものを使っての、自分の夢に向かっての行動法といった視点で読み進んでいったほうが良い一冊です。

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