男性たちの汗臭さが漂うイメージを、女子高生たちが、集まってキャプキャピと料理をしたり、夜のテントの中でしみじみ語りあったりする姿を描くことによって、「キャンプ」そのものの印象をガラッと変えてしまい、「キャンプ革命」といってもいい効果をもたらしたマンガシリーズ『あfろ「ゆるキャン」(芳文社)』の第2巻。
前巻で富士山に麓へサイクリングした途中、日がくれてしまい途方にくれているところを、ソローキャンパーの少女・志摩リンに助けてもらい、「アウトドア」に目覚めてしまった「各務原なでしこ」が、「野クル(野外サークル部)」のメンバーやリンとのゆるーい「キャンプ三昧」の高校生活が本格化するのが本巻
【構成と注目ポイント】
構成は
第7話 温泉とボッチと山ごはん
第8話 それぞれのキャンプ、二人の景色
第9話 お土産と放課後の焼き肉論
第10話 お肉と紅葉と謎の湖
第11話 冬キャンと四尾連湖
第12話 湖の夜とキャンプの人々
第13話 テストにでるおしゃれキャンプ入門
となっていて、第1巻の終盤部分からの続きで、野クルのメンバー三人が笛吹市の「イーストウッドキャンプ場」へ冬キャンへ出かけるのと、リンがソロキャンプで、長野県の霧ヶ峰へでかけるところからスタート。それぞれ、モデル地がどこかはネットで調べてくださいね。
◇「野クル」と「リン」。それぞれの「キャンプ」◇
まず「野クル」メンバーのほうは、キャンプ場に向かう前に温泉につかってます。温泉でゆるゆるになって、「温玉揚げ」食べて、キャンプのことを忘れて寝入ってしまうのが彼女たちらしい、グダグダなところですね。
そして、リンからのメールでようやく起きた三人が向かった「イーストウッドキャンプ場」は薪の提供あり、焚き火もOK。飲料水も配達してくれるという「いたれりつくせり」のところですね。
ただ、ここでつくるのは「煮込みカレー」というキャンプ飯の定番なところが「なでしこ」らしいところ。さらに、三人が披瀝する、とんこつラーメンに余ったスープを入れた「とんこつカレー」とか、残った「おでん」や「肉じゃが」をカレーにしたりという「家庭レシピ」が楽しいところです。
一方、ハードボイルド系ソロキャンパーの「リン」は八ヶ岳の「高ボッチ高原」に登った後、そこでキャンプ飯です。つくるのはコッヘル一つでできる「スープパスタ」。製法は本編に乗っているで参考にしてね。
まあ、それぞれの個性を十二分に発揮した「冬キャンプ」というところでしょうか。
◇「なでしこ」と「リン」の焼き肉キャンプ◇
そして第9話では、キャンプをした長野で買ったおみやげを、なかなか渡せないリンなのですが、偶然、「なでしこ」が図書室(リンちゃんは図書委員をしているようですね)にたずねてきて、ようやく渡すことが出来ます。お土産をもらって、喜んだなでしこに誘われて「焼き肉」キャンプの約束をすることになるのですが、人付き合いが苦手で、単独行動の多い「リン」に少し変化が出てきたようです。
今回の「焼き肉キャンプ」は1巻目と同様、なでしこのお姉さんの運転で、四尾連湖のキャンプ場まで送ってもらいます。
なでしこは車の中でお菓子やら、スーパーで買った「メンチカツ」を食うやら相変わらずの「天然系」大食い少女です。
ここでの夕食には「炭」を起こして、「大焼き肉パーティー+プチ鍋パーティー」をする予定なのですが、普段はコッヘルにガスバーナーで調理をしている「リン」ちゃんは大苦戦。着火剤を全部使っても火がつかず、半泣き状態ですね。
ここで、なんとか解決の途を見出すのが「なでしこ」のエライところ。同じところでキャンプをしている姉弟(後の巻で「姉妹」であることが判明します、失礼しました!)らしいベテランキャンパーに助けを求め、なんとか火を起こすことに成功します。さて、念願の焼き肉キャンプ飯は・・・というところは本書のほうでお読みください。
ちなみに、このベテランキャンパーの姉のほうが、かなりの酒豪で、なおかつ、「なでしこ」たちの通う高校となにか関係がありそうなのですが、そこは次巻以降のお楽しみですね。
【レビュアーから一言】
「なでしこ」と「リン」がでかける「四尾連湖」というのは、山梨県の市川三郷町というところにある湖で、町のHPによると「古くは、富士山麓の山中・河口・西・精進・本栖の富士五湖と泉端・明見湖と共に龍神が祀られ、富士内八海の霊場の一つに数えられていました。」ということで、4つの尾を連ねた竜が住んでいるという伝説に由来しているようです。ついでに妙な「言い伝え」もあるようです。
交通アクセスは、
JR身延線市川本町駅から徒歩で150分
中央道甲府南ICから車で40分
ということで、ボート、釣り、バーベキュー、キャンプが楽しめるところのようですので、コロナ自粛あけ自然を満喫するのにもってこいかもしれません。
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