コミック

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裏から見れば、ローマ帝国の民族派弾圧物語ー「まんがで読破 ガリア戦記」

「まんがで読破」のシリーズは、現在のところ139冊刊行されていて、「こころ」「人間失格」といった小説や「日本書紀」「神曲」「平家物語」といった古典からアダム・スミスの「国富論」やケインズの「雇用・利子および貨幣の一般理論」までの幅広いジャン...
ヤマザキマリ

ローマの大災害の陰に、いろんな者たちが蠢くー ヤマザキ・マリ「プリニウス 7」

ローマ時代の博物学者プリニウスを主人公にした、ヤマザキ・マリによるローマものの第7巻が本訴『ヤマザキ・マリ「プリニウス 7」(新潮社)』。今巻は、第6巻の終わりのローマの大火が起きたあとを受けての、焼け果てたローマの「混沌」ぶりが主題。 目...
コミック

「読書マンガ」というジャンルの「読書」でないコミック — 施川ユウキ「バーナード嬢曰く」(一迅社)

Kindleで一迅社の50%還元セールをやっているのだが、他のラインナップとはちょっと異質で居心地悪そうなのが、この「バーナード嬢曰く」。町田さわ子こと「バーナード嬢」、彼女のしゃべりの聞き手・遠藤、図書委員の長谷川スミカ、少々ピントがおか...
星野之宣

「縄文ー1万年の美の鼓動」に刺激されて、『星野之宣「ヤマタイカ」』を読み返した

ちょっと古いTweetなんであるが、佐々木俊尚さんが、東京国立博物館で開催されている「縄文ー1万年の美の鼓動」について 縄文の人々って、世界をどのような目で見ていたんだろう。「縄文の造形は何にも似ていない。後世の日本はもちろん、世界の他の地...
諸星大二郎

「鳥」に続いて「魚」についての諸星ワールド — 諸星大二郎「私家版魚類図譜」(講談社)

私版鳥類図譜に続いての、魚類版である。 収録は、   第1尾 深海人魚姫 第2尾 鮫人 第3尾 魚が来た 第4尾 魚の学校 第5尾 魚の夢を見る男 第6尾 深海に還る 第7尾 ネタウナギ   となっていて、第1話目「深海人魚姫」の深海に住む...
諸星大二郎

「鳥」をめぐる不思議な「味」の物語群を楽しもう — 諸星大二郎「私家版鳥類図譜」(講談社)

奇妙な味の作品というのは、人ぞれぞれに感覚は違うのだろうが、共通項というものはあって、本作の筆者・諸星大二郎は、そういう「共通項」といっていい。   収録は   第1羽 鳥を売る人 第2羽 鳥探偵スリーパー 第3羽 鵬の墜落 第4羽 塔に飛...
薬師寺涼子の怪奇事件簿

軽井沢の霧の中での、母娘の対決の行方 — 田中芳樹・垣野内成美「薬師寺涼子の怪奇事件簿 霧の訪問者」(アフタヌーンKC)

今回の舞台は、久々に国内で、「軽井沢」という、けっこうベタな設定である。 もちろん、お金持ちのお嬢様である「お涼サマ」は昔からの避暑地「奥軽井沢」に別荘をお持ちで・・・、というところなのだが、そこに、アメリカの食品と農業の世界最大級のグルー...
薬師寺涼子の怪奇事件簿

お涼サマ、シベリアでも大乱闘 — 田中芳樹・垣野内成美「薬師寺涼子の怪奇事件簿 魔境の女王陛下」(アフタヌーンKC)

今巻のお涼サマの活躍の舞台はロシア・極東。 金融工学を駆使したファンドの運営者で、しかも猟奇殺人者の捜査行である。 原作の発刊が2012年なので、2008年のリーマンショック以後の金融工学の弊害があれこれ言われていたあたり。もっとも、この話...
薬師寺涼子の怪奇事件簿

美女と美女の「格闘」は、とても魅力的ですなぁ — 田中芳樹・垣野内成美「薬師寺涼子の怪奇事件簿 水妖日にご用心」(アフタヌーンKC)

「薬師寺涼子の怪奇事件簿」シリーズのコミック版は、マガジンZKCから11冊にバインディングされて出版されているものがあるのだが、これは講談社からの出版で、上記のシリーズとは別物。 とはいうものの、漫画家は同じなので、絵柄は変わらず、涼子サマ...
薬師寺涼子の怪奇事件簿

地底から湾岸へ。涼子サマ、大暴れ — 田中芳樹・垣野内成美「薬師寺涼子の怪奇事件簿 夜光曲」(マガジンZKC)

コミック版「薬師寺涼子の怪奇事件簿」シリーズの6話目、最終話である。舞台は久々に東京。 事件の発端は新宿御苑でおきた「樹木」の一斉枯死事件。「事件」というのも変なのだが、新宿御苑中の樹が一斉に枯れてしまうというものなのだが、ここで「公安部」...