赤羽雄二「世界一シンプルなこころの整理法」朝日新聞社出版

「ゼロ秒思考」の姉妹品といっていいのが本書。「ゼロ秒思考」と違うのは、「ゼロ秒」で考える必要性とか、効用とかの基礎理論部分がかなり少なく、というかほとんどなくて、テーマごとに実際どういうメモを書いているかの実例が豊富なところ。
構成は
第1章 毎日のモヤモヤをどう処理していますか?
第2章 悩むことと考えることは違う


第3章 世界一シンプル!A4メモの書き方


第4章【基礎編】「メモ書き」とこころの関係


第5章【実践編】自信のなさを整理する!


第6章【実践編】劣等感を整理する!


第7章【実践編】上司との軋轢を整理する!


第8章【実践編】コミュニケーションのギャップを整理する!
第9章【実践編】異性とのコミュニケーションを整理する!
となっているので、そのあたりは目次をみてもよくわかる。
A4メモの書き方のやり方とかは、本来なら「ゼロ秒思考」を読んでね、というところなのだが、このレビューがA4メモの初見という方に向けて、少々紹介しておくと、筆者のいうA4メモとは
朝起きてから寝るまでの間、頭に浮かぶこと、モヤモヤすること、気分が悪いこと、こうしようと思うことを全部書きだしていきます。しかもA4用紙に一件一葉で、1パージ1分程度で書きます。ノートや手帳、パソコンではなくA4用紙に手書きすることがポイント。

A4メモには思いついた言葉をタイトルとして左上に書き、右上に日付を書き、本文としては4〜6行、各20〜30行を書きます

疑問点や思いつき、もやもやすることをタイトルとして左上に書き、別のことを思いついたらすぐ別の紙に書く。
というもので、A4メモのタイトルは
①思いついたこと、モヤモヤすること、気になることをそのまま書き出す
②多面的に書く=重要だと思うタイトルに関しては、そのメモを書いた後、あるいは書いている途中に似たようなタイトルでさらの別のメモを書く。重要な内容なのでもう少し書いてみたいと思う場合は、似たようなタイトルを思いつくまま書いていく。モヤモヤとか悩みは自分の視点だけで凝り固まっていることが多いので、いろんな角度から見てみると「なんだ、そうだったのか」ということが見えてくる
③深堀りして書く=一つのタイトルでメモを書いた後、その各行をタイトルとして新たに4〜6ページ新しいメモを書く。
書き続けると、悩んでいることが10〜30ページほどのメモになる。
といったところが要点。

そして
書いたメモは毎晩寝る前にフォルダに投げ込むだけ。書いた数時間後あるいは翌日などにまた同じような内容のメモを書き
たくなったら、前のメモを見ずに書く。書いたメモは毎晩、フィルダに投げ込んで整理し、その後はもう見ない、という感じ。
で、歩いてきた道は振り返らない、というのが信条のようだ。
そして書いたメモは
書いたメモは全部捨てるとか放置するのではなく、3ヶ月後に一度取り出して全部をさらっと見る。
さらに3ヶ月後、つまり最初に書いてからおよそ6ヶ月後にもう一度だけ見るとよい。その時には書いてある懸念はほとんど解決し、やろうと努力していたスキルアップのかなりが自然に実現し、こんなことはもう課題ではないなあと思えるほど、成長している自分が発見できると思います。
と、同じメモを何度も使うといったやり方ではない。要約すると、メモを何度も書いていくうちに頭のなかにいろんな処方箋をつくっていくということかな。


小松製作所からマッキンゼーに転職した際に、全く新しいことだらけで、山のように覚えることがあり、それらを効率よく整理する必要があったから


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