「小さいノート」はwithコロナに最適のノート術ー高橋拓也「小さいノート活用術」

仕事の企画やアイデア出し、プライべートのちょっとした記録、スケジュール管理などで、デジタルとアナログの間、スマホと手帳とノートの間を右往左往している人は多いのではないでしょうか。
特に「手書き」で自由に発想しるは好きなんだけど、スマホとクラウドの便利さは捨てがたい、といったハイブリッドな暮らしをしている人ほど、デジタル化アナログか、大判ノートか手帳化、と悩みは深いようです。
そんなあなたに、ウェブマガジン「毎日、文房具。」の編集長である筆者が、斬新な提案をしてくれるのが本書『高橋拓也「時間をもっと大切にするための 小さいノート活用術」(玄光社)』です。

構成と注目ポイント

構成は

 はじめに
 小さいノートのある暮らし
 Capter1 小さいノートを暮らしに差し込もう
  01 いつも、小さいノートと一緒に
  02 小さいノートで人生を取り戻す
  03 小さいノートにルールはいらない
  04 自分だけのために書く
  05 とにかく書き始める
  06 ネガティブなモヤモヤを吐き出そう
  07 ノートを使い切ることを目的にしない
  08 使い始めのおすすめは、タスク&メモ
  09 カスタマイズはどんどんすべし
  10 デジタルツールと組み合わせる
  11 小さいノートとの暮らし方
  12 ミニマムでも楽しいカバンの中身
  13 行動管理は手帳×ノート×スマホで完結
  Column01 オリジナル小さいノートの誕生秘話ーきっかけ編
 Capter2 使うヒントとなる特選フォーマット
  入門編
  目的別篇
  アイデア編
  健康管理編
  大人の学び編
  Column02 オリジナル小さいノートの誕生秘話ー商品開発編
 Capter3 小さいノート&おすすめ文房具
  小さいノートコレクション
  小さいノートにおすすめの文房具

となっていて、Capter1のところが「小さいノート」理論編、Chapter2とChapter3のところが「小さいノート」実践編+道具編、というところでしょう。

当方はスマホノートアプリやメモアプリ、あるいは、システム手帳からA4ノートまであれこれ渡り歩いた方ですが、本書の最初のところの「ノートは小さい方がいいーというのが私の持論です。・・なぜ持ち歩けるノートがよいのか。アイデア問うのは不思議なもので、机やパソコンに生真面目に向かっている時よりも、何もしていないスキマのような時間に生まれてくるものです。」というところで、「それそれ」と思わず頷いてしまいました。さらに、ノートや手帳に凝り始めると、「厚く」なったり、「デカく」なったりするものなのですが、本書の

書くスペースが少ないので、すぐに埋まり、達成感が得られます。スペースに限りがあるので、メモの内容が端的になり、内容を自然とブラッシュアップするというスキルも身につきます。もし、1ぺーじを埋めきれなくても、余白が小さいから「もったいない」という罪悪感もわきません。

といったあたりに何か「清々しさ」を感じて、一挙に「小さいノート」への関心が湧いてきたのは事実ですね。

そして「ノートの使い方を調べると、ルールを決めることが挙げられたりします。・・それぞれのルールは便利で、それ自体を否定するつもりはありません。ただ、こういうことは、まずは全然考えないようにしてほしいのです。」といったところであったり、「小さいノート単体もいいけど、デジタルと組み合わせると便利なことがたくさんあります。」といったところは、唯我独尊的な色合いが強調される傾向の強い、よくある「ノート術」の本とはちょっと一味違うところではないでしょうか。

まあ、こんな風に、Capter1のところでは、「小さなノート」愛がこぼれおちるように綴られているので、ここは筆者の熱意ののっかって読み通してみることをおススメします。

で、そのあとで「そうはいっても、白紙や罫線だけのノートでは使いづらいのでは」と思ってしまう、真面目な方向けには、Chapter2で、自分の好きな、あるいは使いやすそうなフォーマットを選んでつかってみることがおススメです。「やることリスト&アイデアメモ」、「計画下書き表」、「三行日記」といったものから、「怒りメモ」「間違い専用ノート」といった変わり種まで31種のフォーマットが掲載されているので、自分の好みにあわせてカスタマイズしながら使ってみるとよいと思います。ただ、当方的には、あまりフォーマットに拘ると「自由さ」が減ってしまって、ノートを使わなくなる原因になることも多いので、あまり「定型的」に考えないのがよいかと思いますね。

大事なことは

とにかく気軽に、小さいノートを始めてみてください。
外に出かける時は常に持ち歩き、家にいる時もそばに置いてみてください。これだけで、日常に変化が表れます。

ということのようなので、百均からでも小さなノートを買ってきて、「始めて」みましょうか。

レビュアーからひと言

新型コロナウィルスのために、リモート生活が日常の状態になっていることの反動なのか、こうした「アナログ」「手書き」というヒューマンな部分が再び見直されてきているような気がします。withコロナで、ストレスが溜まりがちで、今までとは違う制約が生まれている今

思いついたことや、忘れたくないことが頭に浮かんだら、その場で気楽に取り出し、メモをする。飽きたり使勝手がよくないと感じたら、割り切ってリセとして新しいノートに乗り換えることができる。そもそもきっちり最後まで埋めなくても罪悪感をもよおさなくてもすむ

という「小さなノート」術の身軽さ、自由さ、大掛かりでないところが今、一番求められているような気がします。

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