アイヌの娘・アシリパは北海道に帰還し、白金掘りで一儲けー「ゴールデンカムイ」22

アイヌの娘「アシリパ」と日露戦争の生き残りで「不死身の杉元」と呼ばれた杉元佐一たちが、極東アジアを舞台に、幕末の新選組の生き残りの土方歳三や日露戦争で頭蓋骨の上半分を失った情報将校・鶴見中尉率いる第七師団を相手にアイヌ民族が明治政府打倒のために集めていた大量の金の争奪戦を繰り広げる明治のゴールドラッシュストーリー『野田サトル「ゴールデンカムイ」(ヤングジャンプコミックス)』の第22弾。

他の金塊探しの勢力から独立して自分たちの力で金塊を探すこととしたアシリパたちが鶴見中尉たち第七師団の追及の手をかいくぐって日本へ帰還していく姿が描かれるのが本巻です。

あらすじと注目ポイント

構成は

第212話 怒り毛
第213話 樺太脱出
第214話 雷型駆逐艦VS樺太連絡船
第215話 流氷の天使
第216話 謎の白い熊
第217話 北海道にて
第218話 砂金掘り師たち
第219話 平太師匠
第220話 毛皮
第221話 ヒグマ男

となっていて、まず前巻の最後で鶴見中尉の誘いを断ったアシリパたちの逃避行が始まります。

アシリパ、樺太を脱出する

鯉登少尉の部隊や菊田特務曹長といった精鋭たちの激しい追及をかいくぐってアシリパが目指すのは大泊の港。ここに停泊していた連絡船の故障が直って北海道に出港する便に乗り込むつもりです。

ここで、谷垣は脱落。というのも彼の恋人のインカラマツが、鶴見中尉たちのところに確保されているので、谷垣が一緒に逃亡することで彼女に危害が及ぶのを防止したというわけです。もっとも、インカラマツは簡単に逃げだせる身体的状況ではなくなっているのですが、これは樺太にいた彼らは知りようもないところです。

そして、たった一人気づいた兵士をロシア兵スナイパーが狙撃して撃退、連絡船での樺太脱出に成功します。

しかし、そこは日本軍最強と言われる陸軍第七師団と海軍大港要港部の連合軍の駆逐艦。稚内まであと3時間というところで追いつき連絡船へ停戦を求めてくるのですが、迎え撃つのも気骨のある連絡船の船長で・・という筋立てです。流氷沿いに航行したのが功を奏して、アシリパたちに予想外の逃走手段を提供します。逃走に成功したアシリパに対する鶴見中尉のこの言葉の真意はどこにあるのでしょうか?

北海道の砂金掘り師を狙うウェンカムイとは

北海道に帰ってきたアシリパたちは稚内ちかくのコタンに滞在しているのですが、ここで雨竜川のあたりで砂金で大儲けしている男がいるとの噂を耳にします。ヒグマ狩りの手伝いをして生活費を稼いでいるアシリパたちは、一攫千金を狙って砂金掘りが行われている川へとでかけます。

そこで出会ったのが「平太」という名の砂金掘りで、彼は黄金ではなく「白金」を探しています。実は日露戦争後、国産万年筆の売れ行き激増で「白金」需要がうなぎ登りなのですが、今まで白金は固くて河口がしづらいため、全てよりわけて川の中に捨てられていた状態。これを砂金掘りの要領で集めていたわけですね。
杉元と白石は、平太から砂金掘りの「ワザ」を教えてもらい、白金で一攫千金を狙うことにします。

しかし、平太の今一番の悩みは「ヒグマ」の出没で、彼の砂金掘りの仲間たちを次々と食い殺していると訴えます。そのヒグマ、ウェンカムイは何年も彼の周辺に出没していると言うのですが、彼が食い殺されたという「仲間」というのは・・という展開です。

ネタバレを少ししておくと、この平太というのは元網走監獄の脱獄囚で、いわゆる多重人格症+シリアル・キラー。彼の心のなかにある「ヒグマ」の妄想が肥大化していくと熊の姿に仮装して次々と人を襲っていて、という筋立てです。

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レビュアーから一言

今巻も「アシリパ飯」の場面はないので寂しい限りなのですが、連絡船から流氷伝いに歩いて上陸するところで、クリオネやシロクマの話題が心を和ませます。
「ホッキョクグマが流氷に乗って北海道へ渡ってくる」というのは都市伝説に近いかもしれませんが、北海のロマンに満ちたお話であるのには間違いないですね。

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