諸国連合結成に喜ぶ「ヤノハ」に霊力を奪う魔の手がー「卑弥呼ー真説・邪馬台国」7

古代史最大の謎「邪馬台国」を舞台に、日向の巫女の娘が、権謀術数の限りを尽くして、生き残り、女王として成り上がっていく漫画版・卑弥呼物語『リチャード・ウー・中村真理子「卑弥呼ー真説・邪馬台国」』シリーズの第7弾。

前巻で「暈」と同盟関係を結ばず戦争に至らない緊張関係にあることを選択し、他の九州諸国との連合を目指すこととした「卑弥呼」こと「ヤノハ」なのですが、九州の有力五国と離島の二国との同盟関係樹立に成功。これを基礎に倭国統一の野望に向かうために、新たな手を打ち始めるのですが、それを阻止する動きがでてくるのが本巻。

あらすじと注目ポイント>諸国連合結成、ヤノハの次の目標は?

構成は

口伝47 凶手
口伝48 暗殺
口伝49 かりもがり
口伝50 筑紫島と豊秋津島
口伝51 急襲
口伝52 擁立
口伝53 呪われた夜 其ノ壱
口伝54 呪われた夜 其ノ弐

となっていて、冒頭では、九州の諸国へ同盟交渉に派遣されていた、「ミマアキ」、「クラト」たちが、諸国の王の同盟合意の返事と献上品を携えて、「山社(ヤマト)」へ帰還してきます。

しかし、「クラト」は卑弥呼の使者としての役割を果たす一方で、かつて九州を統治した「サヌ王」の古族と内通していて、親友で恋人でもある「ミマアキ」の暗殺を決意し、刺客とともに帰国しています。ミマアキの中国・漢を巻き込んだ政治構想によって「卑弥呼(ヤノハ)」率いる「山社」が強国化していくのを阻止するためですね。

しかし、この陰謀を、密偵の「アカメ」を通じて探り出した「ヤノハ」は鞠智彦から譲り受けたヤマイヌ使いの「ナツハ」を使って、刺客を襲わせ、さらにはクラトも始末し、サヌ王の古族たちの企みを打ち砕きます。

さらに、那国の「トメ将軍」を本州にわたらせ、サヌ王の古族より先に、サヌ王の末裔の統治する「日下」国との接触を図るつもりのようです。

邪馬台国の場所論争では、畿内説と九州説が双方一歩も譲らない感じで議論されているのですが(今は、畿内説のほうが若干優勢かな)、本シリーズでは日向を治めていたサヌ王が周囲の諸国の圧迫で九州を逃れ、畿内で国を築いている設定にされているので、構図的にはどちらにも気を配った設定になっている気がします。さらにいうと、畿内勢力が九州にあった「ヤマタイ」国を滅ぼしたという説にも対応できるような感じですね。

一方、「山社」国との同盟を結ぶことに失敗した「暈」国のほうでは、先王である「イサオ王」死後の権力争いが活発化しています。王権争いに一番積極的なのは先王の長男で、カワカミ一族の兄(エ)タケルなのですが、生来の乱暴者のため暈の諸侯の支持が薄く、鞠智彦のクーデターを招きます。これが日本書紀にでてくるヤマトタケルによるカワカミタケルの討伐の原型になるんでしょうね。

そして、九州を実質的に統治し、本土も含めた「倭」の統一を目指して大きく動き出した「ヤノハ」なのですが、後半ではそれを根底から覆そうとする、種智院の元祈祷女・ヒルメの陰謀が動き始めます。
その企みは、まず九州+離島の七カ国との同盟成立による気の緩みをついて、元部下のウズメに山に放火させ、山火事を起こします。
その火事の鎮火のため、卑弥呼(ヤノハ)を守る守備兵たちが出払っている隙きをついて、「日下」国へ派遣される「ミマアキ」の代わりに護衛を務めている「ナツハ」が「ヤノハ」を襲います。

ヤノハを襲って、彼女とセックスすることによって、その霊力を失なわさせる企みです。この目論見はまんまと成功するのですが、ここで「ナツハ」の本当の素性が明らかになるのですが、それはなんとヤノハの・・・という展開です。

魏志倭人伝には「男弟有り、佐けて国を治む。。ただ男子一人有って飲食を給し、辞を伝え出入りし」とあって、卑弥呼には政治面を担当する「弟」がいて、普段は弟しか近づけず、自室に引きこもって一人で食事をし、政治的な命令は弟を通して臣下に伝えるというやり方をとっていたとされています。この「弟」の名前も正体も今に伝わっておらず、今シリーズでは、てっきり「ミマアキ」のことかと思っていたのですが、ひょっとするとひょっとするかもしれません。

もっとも第一巻のヤノハは自分の肉体を武器に、こんなふうに男を手玉に取って、

正統な日の巫女の後継者モモソを襲わせたところを見ると、そもそも「巫女」としての処女性を有していたのかどうかも疑問の残るところですね。このへんは次巻あたりで明らかになるのでしょうか。

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レビュアーの一言>ヤノハを操るのは亡き「モモソ」?

九州の五カ国との連合を果たし、一息をつこうとする「ヤノハ」の夢枕に「モモソ」が出現し、彼女に「倭」の姿を見せ、彼女に九州だけでなく本州も含めた統一を行い、平和をもたらすよう促すシーンが中盤あたりに登場します。

モモソはこれまでも、ヤノハが判断に迷う局面で現れてアドバイスをしたり、彼女に新しい方向性を与えたり、と大事な場面になると出てきていて、案外、自分が果たすことのできなかった「日の巫女」としての野望を、ヤノハの身体と意識を操縦して叶えようとしているのかもしれないですね。

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