金髪ピアスのパリピ高校生、絵画に目覚める=山口つばさ「ブルーピリオド」1〜3

成績もそこそこ良くて、悪友たちとの夜遊びもこなす、金髪ピアスの優等生「矢口八虎」が、絵を描くことに取り憑かれ、全くの素人から芸大受験を目指す、美術系スポ根受験物語のシリーズ『山口つばさ「ブルーピリオド」(アフタヌーンKC)』の第1弾から第3弾。

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あらすじと注目ポイント

第1巻 金髪ピアスの高校生「八虎」は美術に目覚める

第1巻の構成は

一筆目 絵を描く悦びに目覚めてみた
二筆目 有意義な時間
三筆目 全然焼けてねぇ
四筆目 マジ神じゃない

となっていて、冒頭では金髪ピアスの高校生・矢口八虎が悪友たちとスポーツバーで夜明かしてサッカーを見たあと、何事もなかったかのように小学校に登校するシーンから始まります。ここで一般的なマンガのパターンでは、登校しても騒ぎを起こす「DQN」なことが多いのですが、彼はきちんと授業に出席し、返却された中間テストの成績表は学年4位という好成績で、人付き合いもいい高校生ですね。

ただ、そつなくこなしている八虎なのですが、日々の暮らしに空虚感を抱えています。そんな彼が、学校に忘れていたタバコをとりに美術室へ寄ったところで、美術部の上級生・森の描く「絵」に魅入られ、美術の授業で描いた渋谷の早朝の風景が意外に好評で、絵を描くことに興味をいだき始め・・という滑り出しです。

さらに、同級生で日本画をやっている、女装の美人高校生「ユカちゃん」こと「鮎川龍二」に美術部へ引き込まれた上に、美術系予備校に通って「東京芸大」を目指すことなり・・という展開です。

第2巻 「八虎」は美術予備校でライバルに出会う

第2巻の構成は

五筆目 予備校デビュー・オブ・ザ・デッド
六筆目 逆にピュアかッ
七筆目 我々はどこへ行くのか
八筆目 受験絵画

となっていて、「ユカちゃん」に美術の世界に引きずり込まれ、美術部顧問の佐伯先生に煽られた形で、東京藝大を目指すことになった「矢口八虎」だったのですが、冒頭では、「フツー」の学部へ進学するものと思っていた両親の説得におじけづく「八虎」の姿が描かれます。

少しネタバレしておくと、八虎の両親はそんなに頑固者ではないのですが、ここは世の中をうまく渡っていくことを信条とした「八虎」が自らその殻を破っていくところととらえておいたほうがいいですね。

3年生になった八虎は美術系の受験予備校「東京美術学院」の油絵科の夜間部に通うことに決めます。東京芸大をはじめとする有名芸術系大学の入学者の多くがこうした予備校に通っているので、素人に毛が生えた状態の「八虎」にとっては、これは必須ともいえますね。

ここで、彼は藝大受験までサポートしてくれる声の大きなことで有名な予備校講師の大葉と、今後、彼の美術修行に大きな影響をもたらすことになり天才児「高橋世之介」とおさげの「橋田悠」、姉が東京芸大首席合格の藝大エリート一家の「桑名マキ」と出会います。

そして、八虎は最初の「試練」なる夏期講習のコンクールを迎えることになるのですが・・といった展開で、その結果と八虎が得たものが何であったかについては原書のほうでどうぞ。
ちなみに、このコンクールで1位をとると藝大には合格しないというジンクスがあるのですが、その結末と理由については後巻で明らかになります。

第3巻 「八虎」は受験前のスパルタカリキュラムに沈没寸前

第3巻の構成は

9筆目 課題が見えてもどうしようもねぇ
10筆目 言いたいことも言えないこんな絵じゃ
11筆目 褒められが発生しました
12筆目 イキリ乙

となっていて、前巻でコンクールの後、予備校の指導を「受験絵画」と罵倒して高橋が予備校を去ったのですが、残りのメンバーはいよいよ本格的な受験準備に入ることとなります。

藝大の受験日までがおよそ100日となったところで、予備校の指導は6人を一グループとする少人数指導に入っています。試験日が近くなっていることから、当然、出される課題のほうも難易度を増していて、八虎は悪戦苦闘する毎日なのですが、夏期講習のコンクールでそこそこ描けたことが、かえって足枷となっていて・・という展開です。

この袋小路から脱却するきっかけとなるのは予備校を辞めた高橋世之介からの初詣の誘いだったのですが、その様子は原書のほうで。

レビュアーの一言

金髪ピアスのチャラい男子高校生が主人公で、美形の女装男子高校生や、油絵選考の藝大一家の美少女といったサブキャラが登場するマンガなのですが、ストーリー的には素人状態から藝大入学と画家修業を描いた恋愛色の全くといていいほどない、最近珍しい「硬派」なマンガです。
おそらく、フツーの一般人には縁遠いであろう「藝大」受験と絵描きの卵たちの物語が新鮮です。

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