山梨県の女子高生たちによる「飯テロ」に近いキャンプめしや、夜のテントの中でしみじみ語りあったりする姿を描くことによって、汗臭い「キャンプ」の印象を「ゆるーい」お洒落なものにガラッと変えるとともに、「冬キャン」と「ソロキャン」の魅力を世に出し、「キャンプ革命」的な効果をもたらしたキャンプマンガのバイブル的シリーズ『あfろ「ゆるキャン△」(芳文社)』の第15巻。
前巻で、「なでしこ」が入会して以来、新入会員の参加がなかった「野クル」にひさびさに新入生が入会したのですが、今回は早速、その新入会員のメイとともにあおいがサイクリングにでかけ、千明とサークル顧問でアルコール飲料大好きの飲んだくれ「鳥羽先生」と合流してのグルキャンが始まります。
あらすじと注目ポイント
第15巻の収録は
第82話 イヌ子とメイの山梨横断 サイクリングロードの旅
第83話 千明と美波の雁坂のんあるキャンプ
第84話 激走!イヌ子とメイの雁坂ヒルクライム
第85話 はらぺこと雁坂の晩ごはん
第86話 トンネルまであと少し
第87話 イマジナリードッグとGWの予定
となっていて、冒頭は、新入会員のメイとあおいのツーリングシーンから始まります。
今回の最終目的地は雁坂峠の近くにあるキャンプ場で、そこで車でやってくる鳥羽先生や千明と合流してのグルキャンですね。今回はリンはソロキャンプで別行動。なでしこと恵那ちゃんはお家で、というパターンのようですね。
物語のほうは、富士山サイクリングロードから笛吹川サイクリングロードを使って、キャンプ場までツリーングしていくあおいとメイが描かれます。
今回の目的地は、静岡と埼玉との県境にあるらしい「笛吹雁坂キャンプ場」となっていて、自転車初心者のメイにとっては初のロング・ロードとなります。
ここでは、途中、一般道では横を走るトラックの風に怯えたり、工事中でおおきな迂回を迫られたり、とかなり難航しているのですが、途中のブルーベリーパイやオレンジパイなど、シリーズおなじみのJKグルメも出てきますのでお楽しみに。
もっとも、休憩してラムネアイスを食する「万力の森公園」のシーンでは、「犬子」ことあおいお得意のフェイクネタが炸裂しているので要注意です。
一方、自家用車で先行した鳥羽先生と千明はキャンプ場でまったりとバタークッキーとノンアルのアマレットティーのティータイムを過ごしています。ここでは、各種のバタークッキーが登場するのですが、パッケージに少々違いあるものの、森永のスーパームーン、ミスターイトウのバタークッキーとバターサブレ、森永のチョイス、ナビスコのバタークッキーなぞがラインナップされています。
で、まあ鳥羽先生と千明がダラダラと過ごしている間、雁坂のふもとからキャンプ場目指して自転車で登ってくるメイとあおいはヘロヘロになっていくわけですが、その様子は原書のほうで。
そしてその夜のキャンプ飯は、なでしこ直伝の「ごろごろ野菜のテーズグラタン」とアメリカ映画や野球場定番の「シンプルホットドッグ「です。そのレシピも本書に載っています。
(ちなみにリンも雁坂トンネルを抜けたところにある秩父のキャンプ場にソロキャンしています。)
後半部分は、GWを前にしての、学校生活が描かれています。今回は、メイの幼馴染で、イラストの得意なインドア派の「絵真」ちゃんが主役ですね。どうやら彼女もリンちゃんのススメでキャンプ・デビューが近いようですね。
レビュアーの一言
今回のモデルとなっているのは、秩父往還と縦走路が交わるところにある「雁坂峠」にある「雁坂小屋キャンプ場」と思われます。ここは、24人伯の山小屋と30張りできるキャンプ場がある施設で、山小屋ではオリジナル手ぬぐいのお土産販売があるほか、小屋の売店では、コーラ、お酒、レトルト食品や缶詰も販売されているようです。
小屋が開いているのは4月終わりから11月半ばまでのようですが、冬季も宿泊棟の一部が開放されているようです。
(参考:雁坂峠(雁坂小屋公式ブログ))
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