思考を「見える化」して、やりたいことを実現する「ノート術」 — 午堂登紀雄「深く考える最強のノート術」(パンダ・パブリッシング)

最近の「ノート・手帳」ネタといえばバレット・ジャーナルがトレンドなのだが、バレット・ジャーナルはノート・手帳を使うノウハウ的なところが強くて、書く目的ということについてはスルーしているきらいがある。
そこで、筆者によれば『「書く」ことで、初めて自分の「マイ・プロジェクト」が動き出す。書くことで、思考が「見える化」し、より広く深く考えを巡らせることができる』ということで、やりたいことを実現化する(筆者命名の)「思考ノート」の技法のあれこれについて記されたのが本書。
 
構成は
 
<まえがき>人生を思い通りにコントールする方法を手に入れる
第1章 思考ノートとは何か
第2章 なぜ1冊のノートが人生を変えるのか
第3章 思考ノートの基本ルールと使い方
第4章 ブレイン・ワークアウト
第5章 夢を実現する思考ノート実践編
 
となっていて、思考ノートの作り方は
 
(1)ノート1冊に、仕事もプライベートもすべての情報を書き込む
(2)目標・TODOリスト・打ち合わせメモ・読書メモ・アイデアメモなどあらゆる発想を書きとめる 
(3)書くときは、キーワードを線や矢印でつないで関連性を持たせる
(4)後から何度も見返して加筆し、発展させる
 
ということに要約されているのだが、我流でいくと成長がどこかで止まってしなうというのはあらゆる物事に通じることなので、満足のいく運用をするには本書で細部を確認しておこう。
 
たとえば、サイズの面では、特段の指定はないのだが、「書くスペースが小さいと、自由な発想の広がりを妨げてしまい・・」とあるように、ある程度の大きさのものが望ましいようで、必然的に、デスクかデスクに近い環境でのノート利用ということになりそうだ。
 
また、メモやスクラップ、アイデアの記録帳と違うところは
 
思考ノートは、書いたら書きっぱなしのメモではなく、単なる備忘録でも議事録でもありません。ですから、用が済んだからと言って決して捨てない。一度書いて終わりではなく、後から何度も見返します。
 そして見返したときに思いついた発想やアイデアを加筆して、より具体的で発展された内容へとブラッシュアップさせます。
 実際、 ノートに書き込んでから数日経って見返すと、必ず何か違う発想を思いつくものです。
 
 
何度も繰り返しになりますが、思考ノートは議事録やメモなどのように、1回確認したら終わりではありません。後から何度も見返して、さらに思い浮かんだ発想を追記していきます。5回でも 10 回でも見返して、後から発想を書き加えていきます
(略)
後から何度も書き加えることができるように、思考ノートはたっぷりスペースをとって贅沢に使います。
 
ということで、後日の追記を前提としたものであるので、長期にわたって利用することを前提としたものとなっている。
 
そして記述の方法は
 
ノートに書くときには、ひらめいた 発想 や キーワード を線や矢印でつなぎ、関係がひと目で分かるようにしておきます。また、大事なキーワードをマルやシカクで囲みます。
(略)
(テーマ)から矢印を何本か引っ張り「ではどうすれば・・・できるか」を思いつく限り書き出す
 
といった具体的なこともあるのだが、基本は
 
①日付と発言者の名前とテーマタイトルを入れる
②線で関連付けながら書く
③書いたものを後から見直して発想を付け加える
④たっぷりスペースをとって、1ページ1テーマで
⑤色を使い分ける
 
という5つのルールを基本に、少々、自己流を混ぜながらやってみればよいようだ。
 
つまるところ、ノート術・手帳術というのは、自分の仕事やスキルアップに使えれえばそれで目的を達するもの。一つのやり方をきちんとマスターして、という論もあるのだが、あれこれ、浮気しながらさまざまな手法をつまみ食いしながら、自分に合ったものをつくっていけば良い、と当方は思う。
本書はそのつまみ食い材料としても、十分魅力的なので、一読してみてはいかがか。
 

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