「冗談交じりのささいな一言に傷つくことが多い」「職場で機嫌の悪い人がいると、きになって仕事が手につかない」「相手の気持ちを考えすぎて自分の意見がいえない」、そんな悩みを抱えている人はいませんか?
もしあなたが、こうしたことにすごく悩んでいるなら、あなたは「HSP」、”繊細さん”。”敏感すぎる人”かもしれません。
そんな繊細過ぎることで、毎日が生きづらくなっている人に向けて、生まれ持った力を活かして、幸せに生きる技術を教えてくれるのが本書『武田友紀「「繊細さん」の本 「気がつき過ぎて疲れる」が驚くほどなくなる」(飛鳥新社)』です。
構成と注目ポイント
構成は
第1章 繊細さんがラクになれる基本
第2章 毎日のストレスを防ぐカンタンなワザ
第3章 人間関係をラクにする技術
第4章 肩の力を抜いてのびのび働く技術
第5章 繊細さんが自分を活かす技術
となっていて、大別すると「日常生活」「働く」「自己開発」のそれぞれの側面について「繊細さん」へアドバイスされる構成となっています。
まず、人間関係の面について注目しておきたいのは「相手の感情を察しやすい」「その場の雰囲気を感じやすい」”繊細さん”の特徴は、誰もが持っている能力ではないというところ。
世の中を見渡してみると、繊細さんの「ごく自然に配慮する」という行いのほうがハイレベル。配慮するのは苦手な相手に対して「履いs路してくれないなんて、なんてひどい人なんだ」と憤慨するのは向こうからすると、めちゃくちゃな言い分なのです。
ということなので、「繊細さん」が「非・繊細さん」とつきあうには
繊細さんがどんなに「わかって」「察して」と言っても、非・繊細さんにはどうしても「わかる」察する」ことができません。
(中略)
非・繊細さんと上手にコミュニケーションするためには、自分の感覚をわかってもらおうとするのではなく、やってほしいことを言葉ではっきり頼む必要があります。
とのこと。なんとなく外国人との交渉シーンのような感じがするのですが、ある意味、そう割り切ったほうがスムーズなコミュニケーションがとれそうな気がしてきます。
次に「働く」側面にクローズアップして注目ポイントを整理してみましょう。
本書によると「繊細さん」の仕事面での特徴は「いろんな仕事が同時に重なると焦ってしまう」というとことで、いわゆる「マルチタスク」は苦手。エナジードリンクのCMなどで「米倉涼子」さんが、オフィス内を闊歩して、てきぱき指示したり、命令を下す姿はマネしない方がよさそうです。
本書によると「繊細さん」へのおススメは「重要なものをひとつだけ選ぶ」ことと、それを「一つひとつやっていくこと」。特に、「繊細さん」は、仕事のゴールまでの様々なリスクを潰しながら仕事を進めていく傾向があるので「仕事が遅い」というコンプレックスを抱きがちとのこと。例えばチェックリストを作って、できたらそれを消していく、といっただtレからも「目に見える」やり方が、コンプレックスの解消と、実績のアピールにいいかもしれません。
さらに、よく気がつくという性格傾向をもっているので、仕事の周辺にあれこれに注意がいってそれに対応してしまう、というところにも「警告サイン」がだされています。気づいたことに半自動的に反応してしまうため、雑事まで引き受けさせられて次巻不足、容量オーバーになってしまうのも「繊細さん」の特徴らしいので、「やらないこと」を自ら決めておくことも大事なようです。また、周囲の人の感情に影響されやすい「繊細さん」は不機嫌な感情をまき散らしている人からはあえて距離をとったり、離れるといった「スルーする」ことも必要だとされています。
このほか、繊細さんが”繊細さん”の仲間を見つける方法とか、自分の”繊細さ”とも向き合い方とかもアドバイスされているので、自分がささいなことにすぐ動揺したり、周囲の人の気持ちが気になりすぎたり、自分って「繊細過ぎる」のでは、と思っている人のおススメです。
レビュアーから一言
日本人の特徴の一つとして「同調圧力が強いこと」「仲間外れを嫌うこと」といった特徴が指摘されることが多くて、中野信子さんあたりは、これを「脳科学」的に分析されることが多いのですが、ある意味、「繊細さん」はこの日本人の特徴を、より色濃く持っている人たちといえるかもしれません。
特に「新型コロナ」下の自粛生活で、皆の心が縮がちで、周囲の目がとても気になる状況が続いている中、「繊細さん」でなくても一読をおススメしておきたいですね。
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