コミック

乙嫁語り

スミスとタラスの旅はペルシャへ向かう ー 森薫「乙嫁語り 12」

19世紀の中央アジア、カスピ海の都市を舞台に、若い「夫婦」たちの暮らしを描く「乙嫁」シリーズの第12巻。前巻で、悲恋のまま離別してしまうのかな、と思われたところを一挙に持ち直して、一緒になったスミスとタラスのその後の旅の様子を中心に描かれる...
コミック

「心」は小学校の教員へ。事件防止へ地歩を固めようとするが・・ ー 東元俊哉「テセウスの船 2」

自分が生まれるほぼ三十年前に起きた、小学校の大量殺人事件の頃にタイムスリップした主人公が、事件の真相を究明する活動と、その事件の発生を防止しようとするタイムスリップ・ミステリー「テセウスの船」の第2巻。 前巻は、事件のおきた1989年の北海...
ヤマザキマリ

ネロはコルブロ将軍を処刑し評判下落。一方、プリニウスはフェニキアへ ー ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス 9」

古代ローマ時代の政治家で、天文、塵、動植物、鉱物、地理などなど当時の世界の情報を集めた「博物誌」をまとめた「プリニウス」とローマに放火して焼き尽くし、「暗君」の見本のように扱われている「ネロ」をメインキャストにした、古代ローマの「叙事詩的」...
コミック

父の犯した犯罪の真相を、タイムスリップで解き明かせ ー 東元俊哉「テセウスの船 1」

過去に戻って、あの瞬間のあの出来事を変えることができたら、というのは、誰しも思うところで、昔からタイムスリップした人物が過去の歴史を変えてしまったり、タイムパラドックスのために変えたと思っていた歴史がいつの間にか修復されていたり、といったよ...
ヤマザキマリ

イタリア料理はイタリア人の「ソウルフード」 ー ヤマザキマリ「パスタぎらい」

「テルマエロマエ」や「プリニウス」をはじめとして、イタリアを舞台にした漫画で有名な「ヤマザキマリ」さんなのだが、はっきりとモノをいうことでも、定評があると思っている。 本書でも、それは遺憾なく発揮されていて。その舌鋒は自分が長らく住んでいる...
アルキメデスの大戦

天才数学者の「大和建造阻止」の「大逆転技」は味方も怪我する「ワザ」 ー 「アルキメデスの大戦 3」

太平洋戦争前の時代を舞台にして、若き天才数学者が、「戦艦大和」の建造中止を企むなど、その数学知識を使って戦争を食い止めようとする異色の戦争マンガの第3巻。菅田将暉さんが主演を務め2019年7月に実写化された「アルキメデスの大戦」の原作ですね...
アルキメデスの大戦

悪辣な妨害を跳ね除け、戦艦「大和」建造費を算出せよ ー 「アルキメデスの大戦 2」

太平洋戦争前の時代を舞台にして、若き天才数学者が、「戦艦大和」の建造中止を企むなど、その数学知識を使って戦争を食い止めようとする異色の戦争マンガの第2巻。菅田将暉さんが主演を務め2019年7月に実写化された「アルキメデスの大戦」の原作ですね...
アルキメデスの大戦

若き数学者の戦争を止める「戦い」が、今始まる ー 「アルキメデスの大戦 1」

戦記物というと、多くは実際の戦場を舞台にして描かれるものが多くて、それはそれで戦場における人間心理や戦争の実情といったものを表現できるのだが、反面、現場にどっぷり入ってしまっているのは否めない。 それはそれでよいのだが、では戦争のすべての側...
コミック

こんな具合に「キレ」てみようではないか ー 尾崎江良「深夜のダメ恋図鑑 1・2」

本来の趣旨は、ダメ男にひっかかりながら別れられない女性や、献身的につくしてくれる彼氏ができながら、なかなか踏み切れない女性の、「ダメな恋」のあれこれが描かれていて、当方がいつもレビューする種類のものとちょっと様相が異なるのだが、先だってレビ...
パパと親父のウチご飯

シングルファーザー二組の、ひさびさのまったりとした日常 ー 豊田悠「パパと親父のウチご飯 11」(バンチココミックス)

晴海・清一郎親子は、離婚した妻との細い糸は残したままで現状維持、宮崎の実家のUターン攻勢はなんとか撃退、千石・愛梨親子は、千石の実母とのぎこちない和解をすました後、愛梨の実母のインドからのいつになるかわからない帰還をゆっくり待つ、といった状...