コミック

不思議の国のバード

新潟から山形へ。マリーズからの不穏な手紙の内容は? ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 4」(ビームコミックス)

イザベラの旅は、新潟にしばらく滞在し、そこから越後街道を経て山形へ。さらには山形から青森へと向かっていくのだが、本巻は新潟から山形までの道中が描かれる。旅の記録以外に、イザベラの通訳・伊藤が前の雇い主のチャールズ・マリーズに出会った時の回想...
不思議の国のバード

戊辰戦争の戦禍は残る。「会津」と「津川」の違いが悲しい。 ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 3」(ビームコミックス)

第3巻では、会津の大内宿を経た、阿賀野川と常浪川の合流点にあって「雁木」の発祥の地である「津川」から阿賀野川を船で下って新潟へと向かう旅が描かれる。 イザベラが日本を旅した1878年は、幕末の戊辰戦争の一つであった「会津戦争」が起きた186...
不思議の国のバード

湯治場の混浴や道陸神、イザベラは日本の奇習に出会った ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 2」(ビームコミックス)

第一巻では、主人公のイザベラ・バードが横浜に入港し、北海道(蝦夷)を目指して出発。途中、日光で宿屋の娘の、当時の成人式にあたる「髪上げ」に立ち会ったところで終わっていたのだが、今巻は、その日光から鬼怒川を北上して、会津道を進み「会津」までの...
不思議の国のバード

江戸から日光へ、極東・日本の秘境の旅が始まる ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 1」(ビームコミックス)

19世紀のイギリスの女性旅行家で、明治初期、当時は欧米人にとっては極東の未開地であった日本を旅した「イザベラ・バード」の旅行記を底本にして、彼女の旅の姿と日本の原風景をマンガ化したのが本作である。 バードは1878年6月から9月にかけて、日...
ヤマザキマリ

プリニウスはアフリカへ、ネロはローマ。物語は二つに引き裂かれる ー ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス 6」

ネロはローマに留まり、プリニウスはアフリカへ、ということで、物語はここで大きく二つの流れになっていく。二つに分かれる物語の様子を反映しているかのように、プリニウスのほうは、地中海の青い海を経て、太陽の照りつける白い砂漠の中を行くに対し、ネロ...
ヤマザキマリ

そしてプリニウスの旅は「アフリカ」を目指す ー ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス 5」

ポンペイで地震にあってローマへ引き返し、しばらくは動きがないのかな、と思いきや、あちこちを旅してきた商人の話に触発されたのか、再び旅に出るプリニウス一行である。 今回の旅は、いままでのイタリア半島の中、つまりはローマ帝国のど真ん中だけではな...
ヤマザキマリ

カンパニアの地震からプリニウスは助かるが、ローマの闇はもっと深くなる ー ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス 4」

前巻でローマの悪い空気を避けて、南方で旅に出たプリニウス一行は、カンパニアで、温泉が急に湧いたり、羊が大量死したり、といった現象に出逢い不審に思っていたところ、ポンペイで大地震に見舞われるのが今巻のはじまり。 水道が壊れて水を求めて多くの人...
ヤマザキマリ

プリニウスたちの再びの旅を「火山」が待ち構える ー ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス 3」(バンチコミックス)

ローマに帰還してから鬱屈が貯まるとともに、持病の喘息も悪化してきたプリニウスが、フェリクスを伴に、再びローマを離れて旅にでるのが今巻。 旅する方向は「カンパニア」の方向とあるので、今でいえばナポリの方向である。ナポリの近くには火山噴火の火砕...
ヤマザキマリ

ネロとポッパエアは「ローマ」の退廃の象徴か ー ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス 2」

エトナ山の噴火の調査の後、カティアの町滞在中に、皇帝ネロによってローマに呼び戻されたプリニウス一行、居心地の悪さを感じながら送るローマでの生活が描かれるのが本巻。 当時、世界有数の大都市であったローマの街の様子が細かに描かれているので、その...
ヤマザキマリ

古代ローマ時代の「百科事典」をつくった男の物語がスタート ー ヤマザキマリ、とり・みき「プリニウス 1」

古代ローマ時代の政治家で、天文、塵、動植物、鉱物、地理などなど当時の世界の情報を集めた「博物誌」をまとめた「プリニウス」とローマに放火して焼き尽くし、「暗君」の見本のように扱われている「ネロ」をメインキャストにした、古代ローマの「叙事詩的」...