巣ごもりのときは「旅行記」で旅気分ーおすすめ作家5人を紹介

新型コロナウィルスの感染拡大で、前々から計画していた「海外旅行」を断念した方も多いかと思います。さらに、日本民族大移動の象徴であった「お盆の帰省」のほうも自制が求められ、このままでは秋のシルバーウィークやアウトドアシーズンの時期も、おうちの中か、近場で我慢しないといけないことになるかもしれません。

この状況はいつ解除されるのか、というのが見通せないところが悩みどころで、「旅好き」「観光地好き」とりわけ海外旅行大好きといった人には欲求不満が溜まる一方だと思います。

◇「自粛」の今、旅行記でプチ旅行◇

人間というものは、日常生活が抑圧されればされるほど、あてもなく外を出歩いたり、「漂泊の旅人」を気取ってみたくなるものなのですが、かといって、旅行先に心配をかけて強行するほどの向こう見ずでもなく、ましてや感染はしたくない。そんな人は多いのではないでしょうか。
こんなとき、オススメなのが「旅行記」です。

それも、最近の観光地の様子を記した「るるぶ」とか「まっぷる」あるいは「タウン誌」のような今の街の情報を教えてくれるものではなくて、ちょっと古めの「旅行記」で、自分の昔の旅を振り返ったり、少し「昔」の世界を歩く「プチ・現代史の旅」に出てみてはいかがでしょうか。

◇「旅行記」は「場所」で選ぶか「旅人」で選ぶか

その時の「旅行記」の選び方は、「場所」で選ぶか、「人」で選ぶか、という二つの選択肢があるのですが、「場所で読む」と言うのは疑似的にその場所に住んで、その地の移り変わりを体感するような感じ、「人で読む」と言うのは作者を通じて、「疑似的な旅人」になって世界を放浪したり、危険な目にあったり、といった旅の醍醐味を追体験する、ということですね。

旅行記作家、特にバックパッカー系の旅行記作家はインドとか東南アジアとか旅行先が被っていることが多いので、その作家なりの「土地への思い」や「旅への思い」を味わうことができます。しかも旅した時期がずれているので、その国の情勢や政情、経済的な発展の度合いが変わっていて、その国の時代の変遷を味わうことができるので、最初は、文体や旅のスタイルが共感できる「旅行記作家」を選んで代表作をいくつか読んでみて、気になる「国」や「土地」がでてきたら、そこの地の旅行記を書いている作家を探して読んでいく、という方法がよいと思います。特に、多くの人が書いている「インド」「タイ」あたりはこの方法が一番おススメです。

◇オススメの旅行記作家◇

【下川裕治】

作者には失礼なのですが、「貧乏旅行」の草分けといっていい存在ですね。
作者のデビュー作の「12万円で世界を歩く」をはじめとして格安旅行券を使った海外旅行はLCCがまだなかった頃、バックパッカー・ブームの先駆けとして多くの若者のバイブルになってましたね。
その後、タイへの留学や長期滞在を描いて「タイ」や周辺のベトナムやラオス、ミャンマーなどの東南アジアへの旅行ブームの牽引車ともなりました。特に「タイ」では実際に暮らしている時の「タイの人々」のいい加減さとそれに対する著者の愛情がまぜこぜになっていて、ちょうとバブル景気があってビジネスに追いまくられていく日本に置いてきぼりをくらいそうになっている筆者の姿に共感したものでした。
それもあってか、バブルも弾け不景気に突入してからの日本から見た。経済発展著しい今のアジア諸国を描いた「週末」シリーズは、中高年にさしかったかつての「若者」の心に沁みると思います。
このほか、滞在記が中心となる「旅行記」の中で鉄道やバスの乗車記を記しているのは、筆者だけではないでしょうか。

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【蔵前仁一】

「バックパッカーの旅」といえばこの人、というぐらいカリスマ性のあった旅行記作家ですね。一か所に長期滞在することを「沈没」と言い始めたのは、この人あたりからではないでしょうか。
「ゴーゴーアジア」や「ホテルアジアの明けない夜」などでアジア系が中心の旅行家という印象があるのですがアフリカやバルカン、イランなど通常の旅行者がなかなかいかない国へのトラベルも多く、旅行記作家の「大御所」といっていいのではないでしょうか。
僕としては。初期の作品が好みで、ホワッとした味のあるイラストが印象的でした。紙の本では入手が難しくなっているものも多いのですが、Kindle本が用意されているのでそちらがおススメですね。
さらに、インドやアジアへの旅のイメージを一新した「ゴーゴー・インド」や「ゴーゴー・アジア」も全面リニューアル版がでています。

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【たかのてるこ】

女性の体当たり系の旅行記作家といえばこの人の右に出る人はいないのはないでしょうか。卒業旅行としてインドを旅行した際の様子を描いた「ガンジス河でバタフライ」は鮮烈なデビューでありましたね。
その後、ほかの男性作家がインドや東南アジアに傾斜していく中で、モロッコやルーマニア、キューバなど、少し変わった国で恋物語を繰り広げたりといった「あいのり」的なノリの旅行記はちょっと切ないところもあって変わった味わいがありました。

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【岡崎大五】

海外での放浪生活を経て、バブル時代の旅行社の添乗員に転じたという経験」どおり、ハチャハチャでトラブル続きの「添乗ツアー」が特徴の作家さんでしたが、最近作の「世界満腹食べ歩き 腹ペコ騒動記」をみると、地元の国際交流事業をコーディネートされたり、とかなり落ち着いてきておられるようです。
添乗員ということもあって、旅行記の舞台が、インドや東南アジアだけでなく、南北アメリカ、中央アジア、アフリカ、ヨーロッパと多岐にわたっているのが特徴です。ただ、この人の旅行記を読むと、海外旅行華やかなころの日本人も、今のどこかの国の旅行者にまけず、いろんなことをしでかしていたことがわかりますね。

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【中谷美紀】

皆さんご存じの、あの美人女優さんです。この人が「旅行記」を書いていたなんて知らなかった人も多いのではないでしょうか。
旅行記の舞台は、南北インドなのですが、ヨガの修行をしたりとか、スピリチュアルな旅の数々は、この女性のイメージにピッタリきています。
これを読むと「ファン」になってしまうこと請け合いです。

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