自由なアウトドア女子との東北登山とガチの単独中央アルプス縦走ー「山と食欲と私」11・12

都会でセキュリティ会社の会社員をしながら、休みのときはほとんど「山」に登っているという、「山ガール」と呼ばれたくない「単独登山女子」の日々野鮎美の、単独(ときどき団体)での登山と「山ご飯」を描いたシリーズ『信濃川日出雄「山と食欲と私」(バンチコミックス)』の第11弾と第12弾。

構成と注目ポイント

第11巻は、軽井沢と東北山巡り

第11巻の構成は

115話 軽井沢・浅間山編①
    離山とラスク
116話 軽井沢・浅間山編②
    マグマとろとろ火山丼
117話 軽井沢・浅間山編③
    ガス抜きの浅間山
118話 ひやあつ残雪そうめん
119話 限界!ぎゅうパンチョコバナナ
120話 巻物と履物
121話 恋するウドナボ
122話 かわいいこやでむすちまき
123話 東北ギンギン山巡り編①
    無計画の佐野ラーメン
124話 東北ギンギン山巡り編②
    安定のコンビニ朝ごはん
125話 東北ギンギン山巡り編③
    風に吹かれてずんだ餅

となっていて、まず最初のふたつは、いまだに噴火活動をしている浅間山への登山です。

この漫画の当時は警戒レベルは「レベル1」で前掛山まで登山できる状態だったのですが、2020年11月現在では警戒レベル2となっていて、火口周辺への立ち入り規制がされていて、この漫画のような感じで近くまではいけない状態ですね。ここで鮎美は情報番組のキャスターをしているTVタレントに出会うのですが、それよりも当方が惹かれるのは、フライパンで白米を立てて山上に成型し、真ん中にラー油を垂らし田植えに半熟温泉卵をのせた

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「火山丼」ですね。活火山の近くで、”火山”を食すという行為は「山の神」の怒りをかってしまうかもしれないですが、シンプルな美味しさを蓄えていそうです。

中ほどの121話では、最近、単独登山がメインで一緒に登ることのなくなった職場の同僚「小松原」さんからの要望で、謎の料理「ウドナポ」を食する話です。食材は、冷凍うどん、カットした玉ねぎ、ピーマン、ウィンナー、調味料はケチャップとウスターソースを使ったロ溶離なのですが、種明かしは原書のほうでどうぞ。原型は日本人のソウルフードですね。

後半の第123話からは、シリーズ第4巻と第7巻で登場した、自由な”変態アウトドア女子”の黒蓮七実との東北地方の登山行です。第7巻では奈良の吉野山にベースキャンプ地を建設中だったのですが、どうやらそこは引き払い、今は第4巻のときと同じように全財産を車に積んでの「放浪旅」生活のようですね。
そして、今回の登山計画というのがいかにも彼女らしく

というとんでもなく大雑把な代物。しかも、途中での寄り道は当たり前という旅である上に、抜け駆け登山は当たり前ということで

さすがの鮎美も怒り心頭に発するのですが、彼女のマイペースさと東北の自然で、次第にゆったりとした気分を取り戻していく、という展開です。ただし、「東北山めぐり篇」はどちらかというと「旅」の要素が強くなっていて、佐野ラーメンや、仙台の牛タン弁当、岩手の盛岡じゃじゃ麺といった「ご当地めし」が中心で、「山ごはん」の姿はみえないのが残念なところですね。

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第12巻は東北山巡り(続き)と南アルプス縦走

続く第12巻の構成は

126話 東北ギンギン山巡り編④
    海の恵みと盛岡じゃじゃ麺
127話 東北ギンギン山巡り編⑤
    悩ましのせんべい汁
128話 ザ・もちザニア
129話 ふわキラ女子と薬膳しびれ鍋
130話 野良犬と山女魚の甘露煮弁当
131話 汗だく塩ホルモン
132話 ここ山ね!
133話 木曽駒〜空木縦走編①
    挑戦前夜のツェルト泊ごはん
134話 木曽駒〜空木縦走編②
    しょっぺえ牛豆腐めん
135話 木曽駒〜空木縦走編③
    自分のために一人
木曽駒〜空木縦走編 おまけ 駒ケ根ソースかつ丼

となっていて、最初の2話は前巻からの続き、黒蓮七実との東北登山行です。

前巻で東京からの徹夜ドライブのあと、怒涛のようにフ福島の安達太良山に登ってきたのですが、3日目の岩手山登山を前に帰りの日程が気になって登らずに東京へ帰ろうと言い出す鮎美に対して、七実は

と現地解散の提案をします。このあたりの自由さが彼女の凄さなんでありますが、岩手山からの下山途中の

といった言葉には彼女の定住のできない「業」のようなものを垣間見るような感じがします。うーむ、このへんが彼女の「禁断の魅力」を感じるところですね。

後半の「木曽駒~空木縦走篇」は中央アルプスの千畳敷カールから出発して、木曽駒ヶ岳を抜けて宝剣岳、濁沢大峰、檜尾岳から空木岳の山頂まで行って下山するというハード・コースをいく鮎美の奮闘が描かれていて、今回はガチな登山女子の姿が描かれてます。この間、軽量化を図るためテントに代わって要ししたツェルトが風邪で飛ばされそうになったり、途中何度もヘロヘロになってリタイアしそうになったりしながら山頂を目指す鮎美の姿は、まさに「登山家」ですね。

なので、今回の登山で登場する「山ごはん」は、分厚いベーコンとマメをどっさり炒めた

であるとか、ひやむぎを茹でたところに、顆粒だしとレトルトの牛丼を加え、その上にパックの豆腐を一丁どーんと載せる

であるとか、かなりの「ガッツリ」系です。これぐらい食さないと、今回の登山ではエネルギーが足りなかったのだと思います。

中ほどには、鳥取県出身の会社の新人で、薬膳の知識豊富なふわキラ女子・浜栗藍の「肉墜ち」女子ぶりとか、単独登山男子にして単独キャンパーである鷹桑秀平の「地獄のサウナキャンプ」とか掲載されていますので、「箸休め」としてもよろしいかと思います。

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レビュアーから一言

第11巻で吉野山の住居を引き払って放浪の旅を始めたらしい、七実の「家」ともいえる車がパワーアップされていて、「ルーフトップテント」が設置されてますね。

ルーフトップに設置されて宿泊装置といえば、25年ほど前に売り出されていた「ボンゴフレンディ」が装備していたポップアップルーフが有名なのですが、最近ではほとんどみかけない装備。ググってみると、キャンピングカーほどコストがかからないし、通常のキャンプ用テントより設営や撤収の手間もかからないということで、「静かな人気となっている」そうです。荷重の問題とか、装着したままでの走行の安全性とか自己責任の部分が多いようですが、面白いアイテムではありますね。

ルーフテントについて詳しく知りたい人はこちらのリンクあたりからどうぞ

→ mybest「ルーフテントのおすすめ人気ランキング10選」

ルーフテントのおすすめ人気ランキング10選【DARCHE・Smittybilt・iKamperも!】
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