関西・日光の山ご飯は魅力的だが、冬山は・・ー信濃川日出雄「山と食欲と私」7・8

都会でセキュリティ会社の会社員をしながら、休みのときはほとんど「山」に登っているという、「山ガール」と呼ばれたくない「単独登山女子」の日々野鮎美の、単独(ときどき団体)での登山と「山ご飯」を描いたシリーズ『信濃川日出雄「山と食欲と私」(バンチコミックス)』の第7弾と第8弾。

前巻では、実の母親との「母娘」登山のシーンが多かったのですが、今回は、今まで知りあった「山仲間」たちと再開しての山行が中心となります。

構成と注目ポイント

鮎美は、奈良山中で家をつくる

第7巻の構成は

70話 金剛山&吉野山編① ポールウィンナー好きやねん
71話 金剛山&吉野山編② 桜薫るスピードスモークステーキ
72話 自由の女神マキネッタ
73話 闇抜けの肉じゃが甘酒うどん
74話 プライドのりんごソテー
75話 日光白根山キャンプ編① 自家製ピーナッツ味噌おにぎり
76話 日光白根山キャンプ編② 秋の味覚のレモンロースト
77話 日光白根山キャンプ編③ 幻惑のガーリックチップス
78話 整頓のリメイクビスコッティ
79話 決断のコンビーフポテト
80話 一人きりのお正月スペシャル

となっていて、大阪で開催された会社の大坂支店の記念パーティーの機会を使って、関西での「登山」行です。まず目指したのは、「金剛山」。楠木正成が鎌倉幕府と戦をした「千早城」の史跡があったり、と歴史の風格のあるところですね。

ここの山頂広場で「鮎美」が食するのがポールウィンナーと近畿・中四国限定で販売されている袋麺「好きやねん」の「山ご飯」です。かなりインパクトのある姿かたちです。

そして、金剛山の後は、第4巻で出会った「単独登山女子」兼「単独キャンプ女子」黒蓮七実が現在拠点をつくっている奈良・吉野山山中での建設手伝いに従事。吉野杉の柱を建てるところから始まる、かなり本格的な建築作業に、鮎美の意外な才能が開花しそうです。今回は大和牛に桜の香り付けをしたステーキが山ご飯です。

第73話では、鮎美のリアル人生での嫌なことを忘れるための「単独行」です、「大岳山」という道標のある山頂でつくる山ご飯は、甘酒、だし入りインスタント味噌汁、生うどん、惣菜の肉じゃがを入れて煮た「肉じゃが甘酒うどん」という妙な料理ですね。お味のほうも微妙なようなのですが、この変な味が「コミュ障の病」には効くようです。

今話の連続ものでは、日光白根山へのグループ登山なのですが、瀧本・瀧夫妻のコーディネートする合コン・キャンプです。山男は山にいるときは不思議な魅力を振りまくようですね。小松原さんに「恋の女神」が舞い降りたのかもしれません。これには、栃木産ポークのダッチオーブンローストの力も影響しているのかもしれません。

そして、今巻で、鮎美の会社に派遣されてきて一緒に働いてきた「瀧サヨリ」が突如、長野県へ移住します。この唐突さも「山」らしいところでしょうか。

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鮎美は北海道と八ヶ岳の冬山に挑戦

第8巻の構成は

81話 北海道札幌・藻岩山編① ジャズとカクテルと私
82話 北海道札幌・藻岩山編② 雪荒ぶスープカレー
83話 北海道札幌・藻岩山編③ 答え合わせのジンギスカン
84話 鶏胸肉のメスティン蒸し
85話 菜の花ラーメン
86話 厳冬期八ヶ岳編① 新宿・鳥めし・あずさ1号
87話 厳冬期八ヶ岳編② 生き返りのビーフシチュー
88話 厳冬期八ヶ岳編③ 羊羹といりこだし
89話 厳冬期八ヶ岳編④ 愛のラッセル改悛の夜
90話 自家製ベーコンVSこども
91話 冷凍の炒飯&餃子セット

となっていて、前巻に引き続いての「都外編」ですね。

まず81話から83話では、父方の祖父の住む「北海道」へとでかけます。作家兼ジャズピアニストをしているという「イケてる」おじいさんなのですが、彼のガールフレンドと称する女性と札幌市郊外の公園や藻岩山でのアウトドアなのですが、今回はちょっと「山ご飯」というより「ご当地めし」の様相です。
これを埋め合わせるように描かれる、酒粕味噌に漬け込んだ鶏胸肉のぴちぴちメスティン蒸しや

河川敷を山に見立てた「菜の花キムチとんこつラーメン」がめちゃめちゃ美味そうなのでチェックしておきましょう。

厳冬期八ヶ岳編は長野の移住した瀧(瀧本)サヨリに誘われての山行なのですが、マイナス10℃の気温の中、標高2400mの目的地を目指して、ひたすら森の中を登るというもので、がっつりと冬山登山の話なので、このシリーズには珍しく「硬派」っぽい仕立てになってます。なので、でてくる「山ご飯」は山小屋の

といったご飯であったり、登山中の行動食として属する「ミニ羊羹」といった具合であまり「楽しく」ありません。まあ、あやうく遭難しそうになった後の山小屋で暴露される、鮎尾の「高校時代の黒歴史」がかなりしょうもなく笑わせるのは間違いないのですが・・・。

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レビュアーから一言

第8巻では、鮎美の単独行に時折顔を出して「イタい」行動を披露する、単独キャンプ男子・鷹桑くんが、「燻製づくり」に挑戦します。しかも初心者ながら「豚バラ・ベーコン」に挑戦ですが、通りすがりの子供のアドバイスで

といった感じで、いい出来で仕上がるのですが、さらに、厚切りにサイコロ状に切って、表面をカリカリに焼き、茹でたパスタとアボカド、カルボバーラソースをからめた

がさらに美味そうな雰囲気を醸し出してます。本格的に「熱燻」をやるとなると、本書にような燻製器が必要になるのですが、ボイルした豚肉を軽く燻蒸するレベルであれば卓上でもできるものを売っているので、そちらで試してみるのよいかもしれません。

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