鮎美は愛媛でワーケーション+石鎚山登山ー「山と食欲と私」14

都会でセキュリティ会社の会社員をしながら、休みのときはほとんど「山」に登っているという、「山ガール」と呼ばれたくない「単独登山女子」の日々野鮎美の、単独(ときどき団体)での登山と「山ご飯」を描いたシリーズ『信濃川日出雄「山と食欲と私」(バンチコミックス)』の第14弾。

あらすじと注目ポイント

構成は

第148話 キノコ宇宙へようこそ<前編>
     食べられるの?食べられないの?
第149話 キノコ宇宙へようこそ<後編>
     大丈夫なの?大丈夫じゃないの?
第150話 ギュッと昆布締め塩麹ステーキ
第151話 隠れ家の赤いボルシチ
第152話 四国名山~石鎚山編①
     ジョッキでみかんジュース
第153話 四国名山~石鎚山編②
     修験の道で甘いタルトを召し上がれ
第154話 四国名山~石鎚山編③
     鯛めし重と鯛塩ラーメン
第155話 摘みたて山菜のナンピザ
第156話 東京ダルバート
第157話 ”ねば~”ギブアップ弁当
第158話 一人相撲のちゃんこ鍋
第159話 君の声と夏空のコーヒー

となっていて、冒頭の2話は、職場の先輩の小松原さんとの久々の山行き。この女性は、単独登山メインだった鮎美がグループ登山に目覚めるきっかけを作ってくれた人で、二人でアウトドア・合コンに参加する回もあったのですが、今回は「キノコ狩り」です。もちろん、二人だけのキノコ狩りではなく、泊まっているペンションのオーナーのガイダンスを受けながらなのですが、このオーナーの食べられるかどうかの一番目のテストは

と生でかじって、しびれや辛味などの嫌な感じがないかどうかというもので、かなり「危なさ」を感じます。まあ、ペンションに帰ってから、辞典と首っ引きで調べているので、マンガの構成的には「よし」としましょう。
ちなみに、世間で毒キノコかどうかの見分け方とされている
・毒キノコは毒々しい色をしている
・柄が縦にさけるキノコは食べられる
・毒キノコでも茄子と煮ると中毒しない
・塩漬けにすればどんなキノコでも食べられる
・かじってみて変な味がしないものは大丈夫
・ナメクジや虫が食べているキノは大丈夫
といったことは、ほとんどが誤りだそうですから、素人判断は慎んだほうがよさそうです。

中盤の「四国名山~石鎚山編」は、ワーケーションで滞在していた愛媛での仕事の合間の観光や石槌山登山を、冬の東京で鮎美が思い出しています。登場人物がマスキをしていないところをみると「ワーケーション」がブームになりかけの2017年か2018年の時代設定でしょうか。
ここで根城にしていた「マドンナ荘」というゲストハウスの管理人のポールの案内で、松山城に登ったり、石槌山登山に挑戦したり、といった鮎美の「地方生活」が描かれています。この登山でポールのもってくる「お弁当」の豪華さは半端ないですね。

そして、鮎美のこれからを左右するオファーが、ポールからあるのですが・・といった展開です。

第157話の「”ねば~”ギブアップ弁当」は、今シリーズのお騒がせ単独登山男子・鷹桑秀平くんの小学校時代の思い出が語られます。成長してからの単独登山や単独キャンプでは「痛い」行動の多い彼なのですが、その出発点は父親が母親にかわってつくった、納豆、オクラ、モロヘイヤ、山芋などネバネバ系を集結させた遠足のお弁当にあるようです。

最終話の「君の声と夏空のコーヒー」は新型コロナ感染拡大下での登山を象徴して、山頂で、長野県の山小屋で働いている瀧本さんとオンラインで繋がりながらの「お茶」の風景がでてきます。単独登山女子であっても、リアルに人と会うことは重要であるようですね。

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レビュアーから一言

「四国名山~石鎚山編」では愛媛名物のポンジュースが蛇口からでてくるサービスが紹介されています。

HPを検索すると「松山空港」や「みきゃんパーク」では現在でも提供されているようです。
「蛇口から○○」のサービスは、この「蛇口からポンジュース」の成功をきっかけに、うどん出汁とかカニ出汁や日本酒とか、常設サービスではなくても期間限定でご当地ものが振る舞われることが多かったのですが、現在の新型コロナの感染で休止しているところが多い状況です。
ご当地土産の試食サービスと同様に復活が期待される観光アイテムですね。

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