信濃川日出雄「山と食欲と私」15=鮎美は笠取山で多摩川源流の奇跡の一滴に出会う

東京のセキュリティ会社で会社員をしながら、休みのときはほとんど「山」に登っているという、「山ガール」と呼ばれたくない「単独登山女子」の日々野鮎美の、単独(ときどき団体)での登山と「山ご飯」を描いたシリーズ『信濃川日出雄「山と食欲と私」(バンチコミックス)』の第15弾。
前巻では四国の石槌山で、外国から移住してきた男性との恋バナが咲きそうになるも萎れてしまったり、長野の山小屋・倉毛平小屋に泊まり込みでアルバイトをしているかつての同僚・瀧本さんとのひさびさの交流が楽しめた鮎美だったのですが、今巻では鮎美の多摩登山や、瀧本さんの一種サバイバルな山小屋生活が描かれます。

収録と注目ポイント

収録は

160話 フキのカラメル煮弁当
161話 多摩川~笠取編① 鮎と多摩川と私
162話 多摩川~笠取編② 全部食べ尽くせ
163話 多摩川~笠取編③ 最初の一滴を求めて
164話 涙の山賊焼
165話 再会の山小屋編① 大事にされすぎた秘宝たち
166話 再会の山小屋編② 宴会のポーチドグラタン
167話 再会の山小屋編③ りんごの炊き込みごはんと事件発生
168話 再会の山小屋編④ 会いに来てくれた友のために
169話 燕岳~あんかけ肉カステラ
おまけ 私のランチとQOM”M”Lの相関性

となっていて、冒頭の「フキのカラメル煮弁当」では、熊の糞らしきものを見つけた鮎美のクマ対策が描かれます。登っているのは本州なので警戒しているのはツキノワグマでしょうからヒグマよりは危険度は低いのですが猛獣であることには間違いないです。ハイカーのみなさんも参考にしておきましょうね。

続く「多摩川~笠取編」では、標高1953mで埼玉県と山梨県の県境に位置し、多摩川の水源地ともなっている「笠取山」へ、第58話で鮎美が山でローストビーフを作っていたときに、缶ビールつながりが発端で知り合い

「山と食欲と私」第58話「友好のローストビーフ」

第94話で山ごはん対決の末に山仲間となった

「山と食欲と私」第95話 ビッグカツカレーメシ

香川栄螺ちゃんと一緒の登山です。今回は、廃棄される野菜や穀物を使って作った食べることのできる食器のCMビデオの撮影で、登山をしながら食器を美味しそうに齧るという結構、難業苦行の登山で、鮎美たちにはストレスも溜まっています。まあ、最後のところで多摩川の源流が湧いているところに行き着いて機嫌を直しているので、終わりよければすべて良し、といったところなのですが。

第165話からの「再会の山小屋編」では、長野の山小屋でアルバイトをしている瀧本さんのかなりハードな食生活と、鮎美たち元同僚が山小屋を訪ねて来てくれた記念に鮎美、小松原、瀧本たち三人で登山した時におきた高級登山グッズの盗難犯の追跡騒動が描かれます。
第165話では、歴代の小屋番が大事にしすぎて、賞味期限をとっくに過ぎてしまった、10年前の「レトルトカレー」とか2年以上冷凍庫の隅で眠っていた「納豆」などを、山の大事な食料として決死の覚悟で属する瀧本さんたちの姿が見られます。
そして一番の注目ポイントは犯人を追い詰める瀧本さんのワイルドさと、山小屋に隠された山小屋と下界を繋ぐ意外なものですね。

山と食欲と私 15巻 (バンチコミックス)
Amazonで信濃川日出雄の山と食欲と私 15巻 (バンチコミックス)。アマゾンならポイント還元本が多数。一度購入いただいた電子書籍は、KindleおよびFire端末、スマートフォンやタブレットなど、様々な端末でもお楽しみいただけます。

レビュアーの一言

今巻でも、このシリーズで有名な残念なアウトドア・ボーイである鷹桑秀平くんが登場します。話のほうはいつものように、彼の妄想が破れていく失恋話なのですが、ここで出てくる焼いた牛バラ肉ともち米の押し寿司を使った山ごはん「あんかけ肉カステラ鷹桑スペシャル」が意外に秀逸です。

【スポンサードリンク】

コメント

タイトルとURLをコピーしました