鳴神響一「脳科学捜査官 真田夏希 パッショネイト・オレンジ」=アニメの主役への2次元愛が連続殺人を呼ぶ

医師免許も持ち、脳科学と心理学の専門家で、とびっきりの美貌を誇りながら、激務から逃れて「ふつうの結婚」をするため病院勤務を辞め、婚活活動を続ける神奈川県警科学捜査研究所所属で、県警唯一の心理捜査官・真田夏希の活躍を描いた「脳科学捜査官」シリーズの第6弾が本書『鳴神響一「脳科学捜査官 真田夏希 パッショネイト・オレンジ」(角川文庫)』です。

前巻では、横浜市のカジノ誘致計画を阻止しようとする爆弾テロ魔が、実は、テロ事件を使って株操作をしてぼろ儲けをねらう経済犯罪者であることをつきとめた「夏希」だったのですが、今巻では、人気声優のコラボユニットをめぐる殺人事件に挑みます。

あらすじと注目ポイント

構成は

第一章 オレンジ☆スカッシュ
第二章 贖罪幽鬼
第三章 夏希のミラクル
第四章 真夏の夜の悲劇
第五章 演出者の末路

となっていて、冒頭では夏希の癒し犬である爆弾処理犬・アリシアを担当している警察官・小川と若い女性人気声優たちによるガールズユニット「オレンジ☆スカッシュ」のコンサートにでかけるところから始まります。このユニットは10代後半から20代前半の売り出し中の声優たちで構成されているのですが、ファンの男性を「猿」よばわりするSM風のものなのですが、このユニットに狂信的なファンが多数ついていることは間違いない様子です。

で、第一の事件は、このユニットの声優たちが声を担当している人気アニメのプロデューサー・蜂須賀が、鎌倉の自宅近くの崖から下におりているコンクリートの石段から突き落とされて転落死した、というものです。このプロデューサーは女癖が悪くて、それで左遷されたこともある人物で、今回の犯行もその線がまず疑われたのですが、「オレンジ☆スカッシュ」の熱狂的なファンを名乗る人物が犯行声明を発表します。

それによると、アニメの主役の扱いが原作小説と大きくずれていて許せない、という「オタク」的な犯行動機で、この事件に続いて、アニメの主役の恋人役の声を担当している声優が深夜にクロウスボウで撃たれて死亡し・・と連続殺人へと発展していきます。

そして、三番目のターゲットは、アニメの主役の声を務める声優の「小野木ゆん」。

彼女は、ほかの3人と組んでいるユニット「オレンジ☆スカッシュ」のコンサートステージで襲われるのですが、彼女を襲った人物はなんと・・ということで、今まで、オタクによる妄想殺人と思われていたものが、配役争いという現実的な動機による連続殺人へと変貌していきます。

さらに、ここで真犯人がわかったにしては、残りのページ数が多いな、と思っていると、事件の真相にドンデン返しが待っているので、ここから先は原書のほうでどうぞ。

脳科学捜査官 真田夏希 パッショネイト・オレンジ (角川文庫)
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レビュアーの一言

今巻では心理学ネタが少なくて、あえて言うなら「依存症」でしょうか。今巻の設定で重要な位置づけとなっているのはアイドルを過度に信奉する「アイドル依存症」の男性ファンたちがあちこちに出てきますし、巻の途中で、夏希が捜査が大詰めになると突然気分がハイになる自分を評価して「捜査依存症かも」と言っています。

厚生労働省のHPによると依存症の改善が必要などうかは、それによって本人や家族が苦痛を感じているかどうか、生活に困りごとがしょうじているかどうかで判断することが大事だそうで、夏希の「捜査依存症」は数多の事件解決に結びついていることを考えると、「婚活」よりも依存してもらっていいのかもしれません。

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