「脳科学捜査官 真田夏希 エキサイティング・シルバー」=国際テロ組織とCIAの陰謀を天才美少女がぶっ潰す

脳科学と精神医学・心理学を専門にする医師で、とびっきりの美貌を誇りながら、激務から逃れて「ふつうの結婚」をするため病院勤務を辞め、婚活活動を続ける神奈川県警科学捜査研究所所属で、県警唯一の心理捜査官・真田夏希の活躍を描いた「脳科学捜査官」シリーズの第8弾が本書『鳴神響一「脳科学捜査官 真田夏希 エキサイティング・シルバー」(角川文庫)』です。

前巻で、ギフテッドでコンピュータ科学に優れた才能を持つ日本人とエストニア人のハーフ美少女・ミーナの救出捜査に向かった夏希だったのですが、そこで、CIAと国際テロ組織との対立に巻き込まれ、あやうく命を落としそうになります。その危機的状況から救ったのは、警察庁の織田と神奈川県警根岸分室の上杉だったのですが、彼らの秘密捜査が語られます。

あらすじと注目ポイント

構成は

第一章 織田の願い
第二章 ワールドワイドな聞き込み
第三章 チャイナタウンの憂鬱
第四章 北条直人の軌跡
第五章 ミーナの知力

となっていて、前巻で、国際テロ組織「ディスマス」に横浜中華街の廃レストランにおびき出され、殺されそうになっていた夏希と小川は、警察庁警備部の織田と神奈川県警根岸分室長の上杉によってディスマスの女性指導者・ティファニーと銃撃戦の末、助け出されたのですが、ここで、彼らがこの場所に来合わせたのは、彼らの同期で行方不明になっている公安警察の北条直人を捜索する途中であったためと知らされます。

北条は警視庁公安部に所属していて、3ヶ月前にフランスへ飛び、そこでなにか国家機密にかかわる捜査に従事していたのですが、そこで消息が途絶えたままになっていて、そのことを知った二人は、彼の安否を気遣って独自に捜査を2週間前から始めた、というわけですね。

まあ、この二人は北条とは大学時代から親友だったようなので捜査を開始する動機はあるにしても、警察組織に属する者が簡単に外国で捜査活動を始めてしまうあたりは、少々乱暴なのですが、シリーズ初の海外広域捜査ということで大目にみておきましょう。

そして、北条が消息をたったフランスから捜査を始めた二人は、北条の住んでいたマンションに有名な贋作作家の名画があったことから、絵画の裏市場に詳しい、表向きは美術評論家の顔を持ち、実は贋作を扱う詐欺師である画商から聞き込みを開始します。

そこで得た情報によると、北条は、世界から貧困をなくすために富裕国や金持ちから資金を強奪し、貧困国へ援助をしている国際テロ組織「ディスマス」の活動について捜査をしていたことを知り、彼の筋から辿ってディスマスと対立をしているイタリアン・マフィアの親玉に聞き取りをしたり、ディスマスから逃れてモロッコに潜伏しているエストニア出身のロシアン・マフィアの幹部と会ったり、とワールドワイドな聞き込みを続けていきます。もちろん、その過程では、ディスマスによって爆破を仕掛けられたり、銃撃されたり、と命の引き換えの聞き込みです。

この結果、世界をぐるりと回って、日本へ還ってきたというわけで、ディスマスの捜査を続ける北条と再会して情報をつかんだ二人は、ディスマスの女性指導者・ティファニーを捕らえるため、囮捜査をしているところで、だまし討ちされかかっているCIAと夏希たちとでくわした、というところですね。

そして、ミーナを連れたまま逃走しようとする、ティファニーたちと、夏希たち日本の警察陣、CIAとの大アクションが展開されるのですが・・といった展開です。

ここで、物語の最後半で最高に「冴えたやり方」を見せるのが、天才少女・ミーナです。ディスマスの幹部たちを倒し、世界中のダムの管理プログラムを自在に操作するウィルスソフトを我が物にしようとするアメリカの野望に対して、絶妙の一打をくらわせるのですが、詳細は原書のほうでお確かめください。

脳科学捜査官 真田夏希 エキサイティング・シルバー (角川文庫)
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レビュアーの一言

今巻の前半ででてくる贋作画家たちが「メーヘレンの息子」と呼ばれているとされていて、その贋作画家たちの実在は明らかではないのですが、「ハン・フォン・メーヘレン」は実在した贋作画家で、主にフェルメールなどの古典派の贋作画をナチス・ドイツの高官たちに高価で売りつけていたのも事実ですね。

彼は画家としては成功しておらず、自分の才能を評価しないオランダ美術界には思うところがあったようですが、反面、古典派の具象画こそ芸術という強い信念ももっていて、ピカソなどの現代絵画は全く評価しなかったといわれています。

ちなみに、このメーヘレンをモデルにした贋作画家の孫弟子が活躍するのが『叶精作・小池一夫「オークションハウス」(グループ・ゼロ)』シリーズで、今ならKindle Unlimitedで全巻読めます。

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