「脳科学捜査官 真田夏希 ストレンジ・ピンク」=連続爆破事件に隠されていた真実とは

脳科学と精神医学・心理学を専門にする医師で、とびっきりの美貌を誇りながら、激務から逃れて「ふつうの結婚」をするため病院勤務を辞め、婚活活動を続ける神奈川県警科学捜査研究所所属で、県警唯一の心理捜査官・真田夏希の活躍を描いた「脳科学捜査官」シリーズの第9弾が本書『鳴神響一「脳科学捜査官 真田夏希 ストレンジ・ピンク」(角川文庫)』です。

前二巻で、国際テロ組織に誘拐された天才美少女を救うための捜査で、先輩捜査官の北条を失った夏希たちだったのですが、今巻では「ハッピーベリー」を名乗る連続爆弾魔と対決します。

あらすじと注目ポイント

構成は

序章 函館の丘
第一章 ハッピーベリー
第二章 見えぬ正義
第三章 失ったこころ
終章  新たな出発

となっていて、冒頭では、警察庁の織田と神奈川県警根岸分室の上杉が彼らの同期で若くして事故死した五条香里奈という女性の墓参りをしている場面から始まるのですが、これは今巻の事件とは関係のないエピソードなのでこれに惑わされないようにしておきましょう。

事件のほうは、まず第一の事件が神奈川県高座郡寒川町の畑地で時限装置つきの爆弾が爆発したというものから始まります。寒川町は茅ヶ崎市、平塚市、海老名市、藤沢市に囲まれた神奈川県の中央部の町ですね。

爆発した爆弾は玩具花火に使われる黒色火薬を使った簡易なもので、夜間は人気のない場所で爆発したものなので人的被害はないのですが、「ハッピーベリー」と名乗る人物から「これから県内の狙ったポイントで爆発を繰り返していく」という犯行声明がSNSに投稿されます。

犯行時刻が正確なため、犯人からの投稿と思われるのですが動機がはっきりせず、夏希の「かもめ★百合」からの投稿への返答もないまま、第二の爆発事件がおきます。今回も、人気のない果樹園の中でおきていて、人的被害は今回もないのですが、ますます「愉快犯」の仕業と思わせる犯行です。

ところが、「かもめ★百合」のところへの返信のあったハッピーベリーからの投稿には「我々は社会正義を実行している」というフレーズがあるため、ますます犯行動機が混迷してきて・・という筋立てです。

そして、第三の爆破事件の現場となったのは、これまた人家の少ない横浜市の上瀬谷町の畑地です。今回も人気のない場所での犯行なのですが、ここで夏希がこれらの場所がいずれも鉄道の新駅建設候補地であることに気づきます。そして、今までのSNSの投稿から、ある男性のアカウントから投稿されていたことをつきとめます。

その人物の行方を捜査しているうちに、第四の犯行声明がだされ・・という展開なのですが、その人物が半年前に生まれ故郷の実家で死亡し、白骨死体で発見されたことから犯行動機も、犯人像も五里霧中となってしまい、という流れですね。そして、ハッピーベリーは今回の爆破事件が新線建設に絡んだものであることを、「かもめ★百合」の夏希へ投稿してき、さらにはそれによって生ずる被害者を未然に救うと予告してきます。果たして、犯人の真意は、といったところですね。

ちなみに、少しネタバレしておくと、今回、夏希の見習生として、捜査一課情報係の別所美夕という若い女性が捜査に同行していて、警察庁の織田理事官にちょっかいを出したりして夏希をやきもきさせます。

このシリーズでは、ほぼ毎回、夏希の心の平安を乱す女性が登場してくるのですが、今回の彼女の役回りが気にかかりますね。

脳科学捜査官 真田夏希 ストレンジ・ピンク (角川文庫)
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レビュアーの一言

今回、犯人のハンドルネームに使われる「ハッピーベリー」というのは、ベルネチア、真珠の木ともいって、秋に丸い、白かピンクの実をつけるツツジ科の植物です。

ベリーという名前から、ブルーベリーやグランベリーと同じ食用のベリー類と混同してしまうのですが。主に果実の観賞用に育てられているもので、違う種類の植物のようですね。毒はないのですが、食べても美味しくないようなので、ご注意を。

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