「脳科学捜査官 真田夏希 ドラスティック・イエロー」=カジノ阻止の爆弾テロに潜んだ真実を暴け

医師免許も持ち、脳科学と心理学の専門家で、とびっきりの美貌を誇りながら、激務から逃れて「ふつうの結婚」をするため病院勤務を辞め、婚活活動を続ける神奈川県警科学捜査研究所所属で、県警唯一の心理捜査官・真田夏希の活躍を描いた「脳科学捜査官」シリーズの第5弾が本書『鳴神響一「脳科学捜査官 真田夏希 ドラスティック・イエロー」(角川文庫)』です。

熱心な婚活活動にもかかわらず、捕まえるのは爆弾魔や銃撃犯という犯罪者ばかりで、犯人を釣り出すプロフィールは「かもめ★百合」というチャラいキャラ。唯一の癒しは捜査で知り合った、爆弾処理犬のドーベルマンのアリシアという夏希なのですが、今回は「レッド・シューズ」と名乗るテロ爆弾魔と対決します。

あらすじと注目ポイント

構成は

第一章 ヨコハマ湊ナイトクルーズ
第二章 レッド・シューズ
第三章 SISのピューマ
第四章 想い出のアルバム
第五章 追いついた真実

となっていて、まず今回の事件は、横浜港の豪華クルージング船で行われた、セレブ限定の婚活パーティーに参加している夏希が、山下埠頭の3号バースでおきた爆発事故に遭遇するところから始まります。このシリーズの事件は、夏希がデート中であったり、他県に観光に行っていたりといった時に起きるようですね。

ちなみに、この婚活パーティーは真犯人の謎解きに重要なヒントとなるので、詳細を記憶しておいてくださいね。

山下埠頭自体は全体に再開発が進められていて、3号バース自体は上屋も倉庫も撤去された状況という物語設定になっていて、被害者がでていなののですが、都心部の港での爆弾事件ということで、テロ行為も疑われるところです。そして、犯人を名乗る「レッド・シューズ」という人物からSNSで犯行声明がだされるのですが、その犯行目的は山下埠頭へのカジノ誘致構想の取り下げです。横浜市長が正式に撤回を決定しない場合は、県内での新たな爆破行為を行う、という次の犯行予告もセットになっています。この作品の発刊された2020年1月当時、当時の林文子市長が2019年8月に発表したIR誘致を巡って意見対立が続いていたところで、本書の動きもそれを意識したものなんでしょうね。現実の話としては、このレビューを書いている時は、カジノ反対派の市長さんになって情勢がガラッと変わっています。

で、第二の爆破事件のほうは、三浦半島にある小網代湾のマリーナのテトラポッドで爆発がおき、これも人が頻繁に出入りするところではないので人的被害はないのですが、第三の事件として、横浜港のカジノ誘致計画推進の一翼を担っている大手開発会社の役員が浮気先の別荘から拉致され、彼を人質にして横浜市長にカジノ計画を撤退を迫る脅迫行為がエスカレートしていって・・という展開です。

そして、この開発会社の専務が誘拐されたことで、数年前に、この専務を乗せた社用車にはねられて娘が事故死し、専務のことをひどく恨んでいた男が容疑者として浮かび上がり、第三の爆破事件で警官が負傷したこともあって、警察は彼の逮捕にやっきになります。

しかし、今までの爆破事件の様子や、犯人と「かもめ★百合」として会話した感じで、夏希は恨みからの犯行ではなくて、用意周到に計画を練って実行している「利得犯」の疑念が晴れず・・といった筋立てです。

この後、「レッド・シューズ」によって、人質を乗せたクルーズ船までおびき寄せられ爆死しかける夏希たちのアクションシーンや、真犯人を暴き出す夏希の心理テクニックについては原書のほうでお確かめください。

脳科学捜査官 真田夏希 ドラスティック・イエロー (角川文庫)
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レビュアーの一言

今巻で注目しておくべき心理学ネタは、「確証バイアス」でしょうか。本書によると、仮設や信念を検証するときに、自分の主張に肯定的なデータばかり収集し、反証しようとしない傾向をことをいって、論理的にものごとを考えることが苦手で、自分の仮設や信念にこだわり続ける人間の思考の特徴です。今巻では、横浜港におけるIR、カジノ誘致への反対運動というトピックな話題がどんと提示されているのですが、案外にこのあたりに「確証バイアス」の罠がしかけられているかもしれないですよ。

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