田舎の頑固婆さんの「御説教」パワーが炸裂する=高口里純「グランマの憂鬱」1・2

都会から遠く離れた内陸地方で、古くからその地方の有力一族として、広大な土地と多くの事業を経営している「百目鬼家」を切り盛りしている老女主人「ミキ」、通称「大奥様(孫娘の亜子は”グランマ”と呼んでます)」と、百目鬼家に同居している、家を継ぐ亡き長男の息子がイギリスでの修行から帰るまで、臨時的に百目鬼家を継いだ次男の娘(大奥様の孫)・亜子が、田舎を騒がす都会者や、無礼な若者たちはこっぴどく「躾」する、老人パワー満載の異色の「小言」マンガが『高口里純「グランマの憂鬱」(ジュールコミックス)』シリーズです。

今回はそのうちの第1巻と第2巻をご紹介します。

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あらすじと注目ポイント

第1巻 百目鬼村の女ボスと、天真爛漫な幼女・亜子の物語が始まります

シリーズ冒頭の第一話は、「百目鬼家」の孫娘「亜子」がお手伝いをしようとしてお茶碗を割ってしまい、それを屋敷の裏庭に埋めて隠すところから始まります。この女の子はこのシリーズの先駆けとなるシリーズでも、百目鬼家の家宝のツボを割っているのですが、このごまかしを大奥様に指摘されての反応がこの話をまとめる結末につながっています。

そして、話の本体は、田舎の村でおきた「オレオレ詐欺」の顛末で、村のそれぞれの家の家族構成とか一人ぐらしがどこかとかの個人情報をしっかり把握した犯行の様子から、村人のうちのある人物が情報源であることを見抜いた「グランマ」のとった行動は・・という展開です。

犯人をかばって騙された不利をする被害者の村人を思いやっての説教がさく裂します。

第二話は、グランマの次男・トオルが盲腸の手術で入院したため、グランマと同居しているとおるの妻・由真と孫娘・亜子と一緒に、彼らの元住居の横浜に出向きます。

グランマの孫娘・亜子は、通園していた保育園の園児で隣家に住む男の子から、隠れて意地悪をされていたため、その子を避けていたのですが母親から理由を詰問されます。それを制止しようとしたグランマにその母親は「年寄りの出る幕じゃない」と暴言をはきます。これに対しグランマは「年寄りと言われたら小娘と返すしかないねぇ」としっかりと喧嘩を買い・・という筋立てです。

この隣家の母親の態度のそこには厳しい同居の姑から日頃抑圧されていることがあるようですね。

そして、小学校の運動会の声がうるさいので中止にする運動をはじめようとするその姑と隣家の母親に対し、グランマの説教の「鉄槌」が下されます。

お宅は嫁と姑の仲がさぞいいんでしょうね、と皮肉を言ってくる隣家の姑に対する「グランマ」の切り返しの切れ味が鋭いです。

このほか、DVの夫から逃げて、村へ移住してきた親子の畑を荒らす「サル」を撃退するのとあわせてDV夫を撃退したり、グランマの友人たちと亜子が出会うのですが、その個性的な友人たちも亜子のファンとなっていく話とかが収録されています。

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第2巻 百目鬼村の女ボスの孫教育はとてもユニーク

シリーズ第2巻の第一話は、都会の野球の名門校で心を病んでしまった少年をグランマと亜子が再生していきます。彼が心を病んでしまったのは、学校で陰で悪口を言っている環境が原因というのが表向きの理由になっているのですが、実は家庭の中で、自分の価値を認めようとしない母親が原因であること見抜いたグランマが、立ち直るきっかけを与えます。

それはイノシシに襲われかけた亜子を救うあることで・・という展開です。

第二話では、孫を厳しくしつけようとするグランマの知り合いと、孫に愛される祖父母の心得をレクチャーしている教育コンサルタントとの対立にグランマが巻き込まれていきます。

村の家々にポスティングされていた「お孫ちゃま教室」というカルチャー教室に行ってみたグランマはそこで孫を大声で叱っている幼馴染の男性・吉田に出会います。彼は子供自慢と孫自慢を始めるのですが、その孫の一人がサッカー選手になりたいと馬鹿な夢を語るので、サッカーをやめさせたと自慢げにしゃべって帰ります。

そして、再び、そのカルチャー教室で、吉田は教室を運営している教育コンサルタントと孫の教育をめぐって言い合いになるのですが、そこに吉田の孫がバットを持って乱入してきて・・という展開です。

孫を強権でねじふせようとする吉田に対し、グランマ独特の孫教育論がさく裂します。

このほか、孫のお守りをすべて祖母に押し付けている由真の兄夫婦にグランマのカミナリがおちたり、村にロケにやってきた二世タレントをしっかりと再教育する話が収録されています。

Bitly

レビュアーの一言

このシリーズは、百目鬼村の旧家「百目鬼家」の屋敷で行われる村の集会シーンで始まる上に、登場人物のディテールが、巻が進んでいっても詳細が明らかになっていきません。

実は、この百目鬼家に。由真・亜子の親娘が同居することになった経緯とか、この家の由来とかは、筆者の別シリーズである「紅のメリーポピンズ」の主人公である、スーパーナニー・吏糸双葉の第3巻目のエピソードで明らかになっています。

本シリーズ「グランマの憂鬱」に興味のわいた人はこちらもチェックしてみてくださいな。ただ、紙本が品薄でかなり高額になっているので、Kindleなどの電子本で読むのがおすすめです。

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