金髪ピアスのパリピ男子高校生が、突然、絵画の道にはまりこみ、東京藝大を目指して悪戦苦闘の受験生活の末に合格、その後もどこへ進むべきか悩みながら画家修業に励む絵画系スポ根マンガ『山口つばさ「ブルーピリオド」(アフタヌーンKC)』の第13弾から第14弾。
前巻までで、不二桐緒の主催するアート集団「ノーマークス」の活動に参加して、新たな視点を得る「八虎」だったのですが、今回はその動きに暗雲がただようとともに、友人の実家でさらに新しい出来事にぶつかります。
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あらすじと注目ポイント
第13巻 アート集団の経験は「八虎」をどう変わる?
第13巻の構成は
53筆目 ”正しさ”って実際あんの?
54筆目 鬼畜ゲーすぎんだろ
55筆目 夏休み(全年齢版)①
56筆目 夏休み(全年齢版)②
となっていて、冒頭では、前巻で、「ノーマークス」の主宰・不二に心酔していて大学まで辞めると言っていた藝大仲間の久山が、彼の創作が不二の片腕の鷹山に「美大くさい」とケナされたことがきっかけで、この運動から去っていきます。
八虎は久山が去ったことを冷静に受け止める不二と鷹山の態度や、ノーマークスの活動を新手の新興宗教だという藝大のチューターたちの発言に、今までノーマークスを心地よい「居場所」と感じていた心がなぜか醒め始めているのを感じてしまい・・という展開です。
この後、ノーマークス自体が、活動資金の枯渇でアジトを閉鎖することになり、八虎の共同生活もここで終了することになるのですが、この経験が、犬飼教授の出した次の課題「罪悪感をテーマに制作しなさい」という課題にどう現されるのか、は原書のほうで。
ちなみに、犬飼教授自体は、ノーマークスの不二桐緒の活動を忌み嫌っているものの、侮れない力をもっていると認識していて、彼女が褒める画家の展示会はすべてチェックし、彼女をマークし続けているのですが、犬飼が、不二の影響を受けた八虎の作品をどう評価するかも注目です。
後半部分では、夏休みに入り、同級生の柿ノ木桃代の実家の広島へ、世田介や村井八雲、八呂健二とともに公募展への出品作品制作の合宿を挙行しています。
柿ノ木の実家はお寺で制作場所には事欠かないというのが理由なのですが、実は、八雲と八呂は(柿ノ木)桃代が高校生時代から知り合いであることがわかります。そして制作場所にしている、その寺の倉庫で見つけた「真田」と書かれたキャンバスには、彼らの共通の苦い思い出があることがわかり・・という筋立てです。
第14巻 八虎は「広島」で夭折した天才画家を知る
第14巻の構成は
57筆目 夏休み(全年齢版)③
58筆目 夏休み(全年齢版)④
59筆目 夏休み(全年齢版)⑤
60筆目 夏休み(全年齢版)⑥
61筆目 夏休み(全年齢版)⑦
となっていて、前巻ででてきた「真田さん」という女性は、八雲の話によると、彼らの藝大入学より2年先に藝大に入学して制作活動を始めていて、業界でも注目されて個展も開き、絵も売れ始めたところで死んだらしく、八雲は「殺された」と表現しています。
そして、それ以後はタブーであるかのように「真田さん」の話題が出なかったのですが、飼い犬の散歩の途中で、鉢呂にその「真田さん」の実家へ連れて行かれ・・という展開です。
この後、制作作品の材料を買いに行ったホームセンターで、真田の作品の買い占めを狙っている「蟹江」というゲスな画商とであったり、八雲から、八雲、桃代、鉢呂がどこで「真田(まち子)」と出会い、彼女と出会うことで「絵」の道に入っていったかが語られます。
食うや食わずの幼少時代を過ごしてある女性とあったことから美大受験を目指した「八雲」が、美大予備校で「カビパンを食うゲロ女」で天才少女という評判の「真田」と出会いや、真田の広島の実家の近くの寺の一人娘で真田の後を追って美大を目指している桃代、その寺に仏具を収めている仏具店の営業マン・鉢呂(ちなみに彼の国籍は日本ではないようです)が後半部分の中心なのですが、詳細は原書のほうで確認してもらったほうがいいようですね。
レビュアーの一言
反権威主義のアート集団「ノーマークス」を主催する不二桐緒や、夭折した天才画家「真田まち子」という二人の「芸術家」がこれから八虎にどういう影響をもたらしていくか、がこれからの注目どころですね。
この影響が、エントリーした公募展の結果にも関係してくるようで、八虎は、そろそろ「学生」の立場から「画家」へとうまく成長できるのでしょうか?
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