ミステリー

石持浅海

三年前の無理心中が引き起こす「復讐の連鎖」をくいとめろ=石持浅海「鎮憎師」

人の命に関わる事件は、直接の被害者だけではなく、被害者の周辺にいる人たちの「加害者」への憎しみをうみ、さらなる加害を生んで「憎しみの連鎖」がおきてしまうことがあります。そんな「憎しみの連鎖」を鎮めるため、事件の謎解きや鎮魂ではなく、事件の話...
石持浅海

氷の名探偵の高校時代と三十路の様子はどんなもの=石持浅海「わたしたちが少女と呼ばれていた頃」・「賛美せよ、と成功は言った」

まっすぐな黒髪で色白の肌、瓜実顔の少し童顔の整った顔立ちで、スタイル抜群。頭脳明晰で、洞察力もあって、事件の裏の真相をすっぱりと見抜くですが、その後の事件の解決や事態の収拾にはまったく興味がない「氷の名探偵」碓氷優佳の、高校時代のエピソード...
石持浅海

「冷静で冷たい」氷の名探偵登場=石持浅海「碓氷優佳」シリーズ 倒叙ミステリ三部作

まっすぐな黒髪で色白の肌、瓜実顔の少し童顔の整った顔立ちで、スタイル抜群。頭脳明晰で、洞察力もあるという東京工大理学部卒の火山学の研究者が、彼女の周辺で起きる事件の謎を、薄皮を剥ぐように推理し、解いていく、倒叙型ミステリーが、石持浅海さんの...
内藤了

憑依作家は、身近なアイドルを狩る悪魔をおびき出す=内藤了「憑依作家・雨宮縁 ハニー・ハンター」

自らの作品の主人公に成りきって年齢・風貌も変化する、正体不明の人気推理作家・雨宮縁が、大手出版社「黄金社」の担当編集者・真壁、フリーの装丁作家兼カメラマンの蒲田を使って、隠されていた殺人事件の犯人に周到な罠を張ってあぶり出していくクライム・...
ミステリー

居眠り女官は後宮内の「無理心中」事件の真相を暴く=小野はるか「後宮の検屍女官」2

架空の中華の国「大光帝国」の後宮を舞台に、かつては前途有望な官吏であったのが、冤罪によって宮刑を受けた中宮付きの美貌の宦官・孫延明が、もとは皇帝の寵姫の侍女だったのが、後宮内の事件解決に関わったため機織りの閑職へ左遷された、暇さえあればぐう...
愛川晶

座布団探偵・彦六師匠が、寄席でおきる事件の謎を解く=愛川晶「高座のホームズ」(中公文庫)

作者本人の落語ファンで、二つ目の落語家・寿笑亭福の助が、寄席や妻の勤務する学校などでおきる日常の謎を解き明かす「神田紅梅亭寄席物帳」シリーズや、出版社の若手編集者から転身して、生き別れた父の経営する老舗の寄席の席亭代理となった武上希美子が、...
中村啓

最先端科学捜査班は透明人間の謎に挑む=中村啓「SCIS【SS】最先端科学犯罪捜査班」1

理科系出身の異色キャリア警察官・小比類巻祐一と元帝大学の教授だった天才科学者・最上友紀子を中心に、警視庁捜査一課の変わり者警察官を集めたチームが、最先端の科学をつかった犯罪事件の謎に挑むSCISシリーズのセカンド・シーズンの第1弾が『中村啓...
ミステリー

戦前の「魔将棋」が生んだ詰将棋図式がもたらす失踪事件の謎を解け=奥泉光「死神の棋譜」

江戸幕府の崩壊によって将棋の家元制度が崩壊した後、明治末期から大正時代にかけての新聞の将棋欄記事によって将棋人気が沸騰し始めていたころ、北海道を根拠地にして新興宗教と深い関りをもっていた「棋道会」という将棋団体のつくった「詰将棋」が、将棋の...
ミステリー

後宮の居眠り女官が、中華の宮廷でおきる変死事件の謎を解く=小野はるか「後宮の検屍女官」

中国唐代をモチーフにしたような架空の王朝「大光帝国」の後宮を舞台に、皇帝の妃の一人が不審な死をとげた上に、棺の中に赤ん坊の遺体も見つかったという怪奇な事件を発端に、皇后の命をうけた中宮付きの美貌の宦官・孫延明が、皇帝の寵姫の侍女で、出世欲や...
中山七里

人面瘡探偵は天草の孤島を支配する一族の連続殺人の謎を解く=中山七里「人面島」

五歳の時に、実家の裏山の崖から転落して負った右肩の傷が化膿して膨れ上がってカサブタ化し、そこにできた大小三つの裂け目が変化した人面瘡をもつ土地家屋調査士兼鑑定士の三津木六兵が、勤務先である相続財産の鑑定を業とする「古畑相続鑑定」事務所が引き...