ミステリー

ミステリー

平清盛の弟・頼盛が、源平争乱下の謎解きに挑む=羽生飛鳥「蝶として死す 平家物語推理抄」

源平の合戦で、源義経に壇ノ浦まで追い詰められて、そこで平清盛の一統の「桓武平氏」は、安徳天皇とととに入水し、「平家にあらずんば人にあらず」に象徴される権力の絶頂から、一挙に坂をころがりおちて一族滅亡に至った、というのが一般的なのですが、実は...
逸木裕

VRを使った自殺サイトから、女子浪人生たちを救い出せ=逸木裕「銀色の国」

Facebookの「メタ」社への社名変更に始まって、私たちの生活のなかにもじわじわと入り込んできている感じのする「メタバース」。その仮想現実の世界にどっぷりと浸かっているうちに、管理者によって、意識しないうちに「自殺」へと誘導されていたら・...
逸木裕

ドローン自殺を遂げたゲームクリエイターの謎を解け=逸木裕「虹を待つ彼女」

人工知能(AI)と疑似恋愛ができる人気アプリを設計した有能な研究者が、そのAIアプリの利用によるクレームの増加による悪評を挽回するため、死者を人工知能によって蘇らせるプロジェクトの試作品としてっとりあげた、カルト的な人気ゲームクリエイターの...
吉川英梨

豪雨の中、消えた美少女の行方をつきとめろ=吉川英梨「雨に消えた向日葵」

埼玉県の寂れたニュータウン「鶴舞」で母親と姉と暮らしている小学五年生の「石岡葵」という、地域で評判の美少女が、ある大雨の日、下校途中に行方がわからなくなってしまいます。埼玉県警捜査一課の警部補・奈良は急遽組織された、彼女の捜査本部に加わるの...
吉永南央

おばあさん探偵は、助けを求めるメモの本当の狙いを解き明かす=吉永南央「月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ」

大観音像のそびえる地方の中核都市で、「小蔵屋」という和食器とコーヒー豆の小売を商う小さな店を営んでいる、70歳がらみの初老の女性、「お草さん」こと「杉本草」を主人公としたミステリーの第9弾が本書『吉永南央「月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ」(文...
ミステリー

現実世界と仮想現実の境界線の先にある真実とは?=乾緑郎「完全なる首長竜の日」

このところ、VRやメタバースといった仮想現実が大流行なのですが、植物状態になった患者と脳に装着した機器をつかった仮想現実の中でコミュニケーションがとれる医療器具を使って、自殺により意識不明となっている弟とコンタクトをとり、彼の意識をとりもど...
ミステリー

美貌の悪運探偵は、巨人の彷徨うテーマパークで「安楽椅子探偵」として謎を解く=今村昌弘「兇人邸の殺人」

九州の名門出身の美貌のお嬢様でありながら、不吉な事件を身近に引き寄せるという特異体質のために、父親から勘当同然に家を出され、関西のマンモス私大に通う「剣崎比類子」と、彼女にワトソン役を要請されながら、事故死した先輩の手前から断り続けている神...
ミステリー

予知能力者の老女の「死の予言」が美貌の悪運探偵をふりまわす=今村昌弘「魔眼の匣の殺人」

第一作目の「屍人荘の殺人」で、極秘の研究組織「班目機関」の残党によって、ミュージックフェスタの会場でばらまかれたウィルスで誘発されたゾンビたちに囲まれた山荘の中でおきた密室復讐殺人の謎をといた、美貌の悪運探偵・剣崎比留子とその助手役・葉崎譲...
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ゾンビがつくる密室殺人の謎を解け=今村昌弘「屍人荘の殺人」

スマホがほとんどすべての人が手にしていて、よほどの田舎か人里離れた山奥にいかない限り、インターネットに繋ぐことができる今日、一番、つくりづらい犯行環境は「密室」ではないでしょうか。その最難の課題を、ミステリーとはおよそ関係しそうもない、SF...
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電車内痴漢の裏には、連続猟奇殺人事件が隠されていた=櫛木理宇「殺人依存症」

お嬢様学校に通う女子高生の通学中を襲う、卑劣な集団痴漢行為から救い出してくれたはずの恩人の女性は、さらに恐ろしい犯罪を企んでいて・・という陰惨で衝撃的な滑り出しで始まる、ダークミステリーが本書『櫛木理宇「殺人依存症」(幻冬舎文庫)』です。 ...