ミステリー

中山七里

要介護探偵の豪腕推理はいかがー中山七里「さよならドビュッシー 前奏曲」

中山七里ミステリーのデビュー作は、ピアニスト探偵・岬洋介が、火事で大火傷をおったピアニスト志望の少女を指導して彼女を演奏会で優勝させるまでと、彼女の周辺で起きる事件の謎を解決するものだったのですが、その事件の大元となる焼死した実業家・香月玄...
中山七里

女性裁判官の先駆者の名推理はいかがー中山七里「静おばあちゃんにおまかせ」

中山七里ミステリーでは、渡瀬警部や古手川刑事といった一癖も二癖もある警察官だけでなく、怜悧で有能ながら悪辣弁護士やピアニスト探偵の息子に邪魔をされる岬検事とか、法曹・警察関係者が登場するのですが、数少ない女性の法曹関係者のキャストで、渡瀬警...
ミステリー

風間教官の「教場」シリーズのビフォー物語ー長岡弘樹「教場0」

警察学校を舞台に、警察官を目指して入校してくる生徒たちが、それぞれの思いや過去を抱えながら、無事卒業したり、退校したりといった様々な人間模様を描いた「教場シリーズ」のビフォー・ストーリーが本書『長岡弘樹「教場0 刑事指導官 風間公親」(小学...
中山七里

復讐できない相手に正義の鉄槌を下すにはー中山七里「ネメシスの使者」

中山七里ミステリーでは、心神喪失者や未成年者による犯罪であるとか、刑法39条の問題とか、けっこう際どいテーマが取り上げられることが多いのですが、死刑廃止論争や、凶悪犯罪を犯しながら死刑ではなく懲役刑となった犯罪者への「罪の償い」についてを主...
中山七里

冤罪事件の陰の刑事と検事の二つの疑惑を見抜けー中山七里「テミスの剣」

中山七里ミステリーの向こう見ずで体当たりで事件を解決していく刑事たちには、その手綱をがっちりと掴んでいる、警視庁の犬養隼人には「麻生警部」、埼玉県警の古手川刑事には「渡瀬警部」といった上司がセットとなっているのですが、そんな上司のうち、ほと...
ミステリー

芦沢央「悪いものが来ませんように」ーあなたを襲う不幸から守ってあげる

高校生の娘が不慮の死を遂げた理由を探る父親と、彼女の親友の悪意と保身を描いた心理サスペンス「罪の余白」でデビューした筆者が、第二作として世に出したのが本書『芦沢央「悪いものが来ませんように」(角川文庫)』です。 親しい女性の夫を殺してしまっ...
中山七里

五十音連続殺人が復活。今度は「サ行」ー中山七里「連続殺人鬼 カエル男ふたたび」

「連続殺人鬼 カエル男ふたたび」のネタバレと読みどころをレビュー 名前の頭文字の五十音順に殺人を重ねていくことで埼玉県飯能市の住民を恐怖させた猟奇的殺人者「カエル男」こと「有働さゆり」が、埼玉県警の凶暴な顔つきながら博識と鋭い推理力で知られ...
中山七里

凶悪殺人に隠された三重のどんでん返しー中山七里「連続殺人鬼カエル男」

「連続殺人鬼 カエル男」のネタバレと読みどころを一挙紹介 犯行現場にひらがなの稚拙な字で「きょう、かえるをつかまえたよ。」で始まる犯行声明を残し、名前の頭文字の五十音順に殺人を重ねていく猟奇的殺人者・カエル男と、埼玉県警の凶暴な顔つきながら...
中山七里

中山七里「翼がなくても」ー片足の女性アスリートのアシストは幼馴染の保険金

「翼がなくても」(双葉文庫)の読みどころを一挙紹介 少年期に少女誘拐殺人の加害者となるのだが、医療少年院の教官の薫陶で人の心を取り戻し、司法試験に合格。弁護士となって、高額な報酬と引きかけにどんな相手の弁護も引き受けるという悪評をまとっては...
三木笙子

三木笙子「人形遣いの影盗み」ー雑誌記者探偵が明治の闇に潜む謎を解く

「帝都探偵絵図シリーズ」の第3弾 司法大臣の養子で、兄を差し置いて家を継がそうとする養父母のもとをでて下宿生活をしている「帝都マガジン」の雑誌記者・里見高広をホームズ役、有名な日本画家を父に持ち、端正な顔立ちと天才的な才能をもつ天才西洋絵画...