上田秀人

琴姫、愛する夫の救出に乗り出す ー 百万石の留守居役(十一) 騒動

隣藩の松平福井藩に使者として赴いたものの、加賀前田家の取り潰しを踏み台に豊穣な地への国替えを狙う福井藩の本多大全と、そろそろ精神状態がおかしくなってきた松平綱昌によってあやうく殺害されかけた、瀬能一馬たちの救出劇が本書『上田秀人「百万石の留...
上田秀人

一馬、福井藩へ使者として赴き、大騒動を起こす ー 上田秀人「百万石の留守居役(十) 忖度」(講談社文庫)

加賀前田家の取り潰しを画策していた堀田老中と手打ちをして、ひとまずは安心して、お国入りをする前田綱紀が分家の富山藩の家老に襲われたり、加賀藩江戸屋敷が、江戸の闇に潜む「武田党」から狙われたり、と相変わらずの、敵だらけの加賀前田家で、新婚ほや...
坂井希久子

「ぜんや」に落ち着きが戻り、美味い料理も健在 ー 坂井希久子「居酒屋ぜんや さくさくかるめいら」

前作の「ころころ手鞠すし」で、居酒屋ぜんやの切り盛りする美人女将の「お妙」さんを付け狙っていた、犯人が捕まり、一安心といったところの「居酒屋ぜんや」の”いつも”が描かれるのが本書『坂井希久子「居酒屋ぜんや さくさくかるめいら」(時代小説文庫...
人事・研修

人事部よ、もっと「熱心」に「我が事」として経営を語れ ー 八木洋介・金井壽宏「戦略人事のビジョン」

「人事部」といえば、事業セクションの人間からいえば、要求しても人員は措置してくれないし、なにやら隠れて「査定」とかしている「闇の組織」、人事セクションからすると真面目に組織全体を配慮しながら人の配置やら、人の採用とかをやっているのに、「世間...
仕事術

「マルチ・タスク」で消耗しないためにやるべきこと ー デボラ・ザック「SINGLE TASK」

たくさんの仕事やアポイントを抱えて、朝早くから、夜遅くまで、人の話を聞き、人に指示をし、と慌ただしくビジネス生活をおくりながら、気がついてみると、まとまったことは何も出来ていない。何事も一つひとつしかでなく、上司からは「同時にいろんなことが...
経営

「水族館」の中に、経営の基本を見つける ー 内田詮三「沖縄美ら海水族館が日本一になった理由」

水族館は、子どもだけでなく、大人の人気も依然として高く、あちこちの公共団体が、地域振興のハードものの「切り札」として出てくるのが、バブルの時の「テーマパーク」に代わって、いまは「水族館」であることが多い。そんな公営の水族館の中でも、一番の成...
大倉崇裕

落語の世界でも”跡目争い”は騒動を生む ー 大倉崇裕「七度狐」

全く落語とは縁のなかったにもかかわらず「季刊落語」に配属になった新米編集者・間宮緑が、落語漬けになりながら、一癖も二癖もある編集長・牧に振り回されながら、落語絡みの事件を解決していくシリーズの二作目が本書『大蔵崇裕「七度狐」(創元推理文庫)...
時代小説・歴史小説

京都の老舗の跡取り娘の「呪詛」は解けるか?ー三好昌子「縁見屋の娘〜京の縁結び」

京都の堀川通りを南に下り、東西を貫く四条通りとの角地にある、口入業を営む「縁見屋」は、代々、男の子は生まれず、しかも娘は26歳になると突然死する「祟りつき」の家、そんな家の跡継ぎの一人娘・お輪を主人公にするのが、本書『三好昌子「縁見屋の娘〜...
人事・研修

プレイングマネジャー向け「説教」にならない部下の「コーチング」のコツ

先だって、レビューした『中原淳・金井壽宏「リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する」(光文社新書)』では、マネジャーのほとんどがプレイングマネジャーとなりながら、プレイヤーとしての実績を求められる部分が多くて、「指導」という場面が弱...
中原淳

「組織内の教育」を再生する方法は?ー中原淳・金井壽宏「リフレクティブ・マネジャー」

「会社」あるいは「組織」の中での「伝承」が風化していると感じることが多い。本書『中原淳・金井壽宏「リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する」(光文社新書)』はもともと、マネジャー論として書かれたものなのかもしれないが、多くの部分が「...