宮部みゆき

変調百物語は続く ー 宮部みゆき 「あんじゅう」(中央公論新社)

(この記事は2018.10.14にリライトしました) 神田の袋物屋 三島屋の「黒白の間」で、三島屋の姪・おちかを聞き役に始められた変調百物語の第2冊目 【収録は】 序 変わり百物語 第一話 逃げ水 第二話 藪から千本 第三話 暗獣 第四話 ...
宮部みゆき

百物語の聞き手の名手「おちか」誕生 ー 宮部みゆき「三島屋変調百物語 おそろし」(新人物ノベルズ)

(この記事は2018.10.14にリライトしました) 百物語の聞き手 おちか は三島屋の長兄の娘で、実家で忌まわしい事件に会い、その後、この三島屋に預かってもらっているという設定(彼女の「事件」の内容は、「邪恋」でわかる)。三島屋の主人 伊...
脳科学

人間はそんなに「自由な意思」で動いてはいない ー 中野信子「脳内麻薬」

近代を経て現代を生きる我々によって、自由な意思決定ができることや、行動の自由があることは、民主主義の基礎みたいに思っているのだが、本当のその行動が「自由意志」に基づくのか、そんなところをグラグラと揺さぶってくれるのが本書『中野信子「脳内麻薬...
宮部みゆき

江戸の怪異の数々はお好きですか? ー 宮部みゆき 「あやし」(角川文庫)

(この記事は2018.10.14にリライトしました) 旧い商家にとりついた魔物の手から、早死した姉に守ってもらった妹の話(「布団部屋」)やかどわかしをして刑死された女の亡霊に狙われる太郎をかぼちゃが救う話(「女の首」)、十年おきに同じ顔の人...
ワークスタイル

「安定した低空飛行」経営に、「働き方改革」の特効薬を見つけた

「働き方改革」の掛け声は相変わらず勇ましいのだが、努力しても労働時間はへらないし、効率化をしてはずなのに、ラクにならない、というのが多くのビジネスマンの「働き方改革」への実感ではないだろうか。 そんなあなたに参考になりそうなのはかつて”BU...
ビジネス

世の中の成功原理は間違いだらけ ー エリック・パーカー「残酷すぎる成功法則」

「成功の法則」は書店のビジネス書のコーナーにいけば、溢れんばかりに陳列されていて、そのどれもが、「これ一冊でOK」と主張しているのだが、さて、どれが一番いいのか、はっきりと答えられる人は稀であろう。 そんな、世間に流布する「成功法則」を捌(...
戦国時代

本能寺の変の陰に国際情勢と旧勢力の反撃があった ー 安部龍太郎「信長はなぜ葬られたのか」

日本史の謎には、古くは邪馬台国の場所などなど数々あるのだが、暗殺ものの謎の大物といえば、坂本龍馬を暗殺した犯人と並んで、織田信長が非業の死を遂げた「本能寺の変」の黒幕は?といったところもがその一つであろう。その謎を「世界の中の日本」と「中世...
歴史

現代きっての歴史研究者が「司馬史観」を語る ー 磯田道史「「司馬遼太郎」で学ぶ日本史」(NHK出版新書)

経営者の愛読書ランキングで、一番多く出てくるのは、ドラッカーなどの経営学の大御所を除けば、司馬遼太郎氏の作品ではないだろうか。しかし、司馬遼太郎氏が「歴史家」として歴史の専門家から扱われたことはほとんどなかったのが実態であろう。 そして、現...
仕事術

今すぐ仕事で「脱皮したい」あなたに ー 金井壽宏「仕事で「一皮むける」」

以前はそんなに冴えのある人とは思っていなかったのだが、しばらくぶりに会うと、その人物の幅がとても大きくなっていた、とか、リーダーとしての器が大きく変わっていた、ということがある。   こうした「器を大きくする」経験は、よく「修羅場をくぐり抜...
蓑輪諒

常陸の名門・佐竹は「敗れたが、負けない」 ー 蓑輪 諒「でれすけ」

戦国の後期、特に豊臣政権から徳川政権に移行する間の「時代小説」は、どうしても、その舞台が「上方」か「江戸」が中心となることが多いのだが、「うつろや軍師」や「最低の軍師」で、中央からちょっと外れたところの戦国模様を描いた筆者による「東北・常陸...