「勉強する」ということの『本質』は何? — 斎藤孝「地アタマを鍛える 知的勉強法」(講談社現代新書)

「勉強」と聞くと、急に頭が痛くなったり、気が重くなるのは当方だけではないと思う。最初に言うと、「あとがき」で「「もっとも大切なのは・・・総合的判断力です」と述べられているように、けして、物事を要領よく記憶したり、試験で出そうなところを上手に覚える技術についての本ではない。
 
構成は
 
序章 勉強しているのに、なぜ身につかないのか?
第一章 大切なことを瞬時につかむ勉強法
第二章 地アタマを鍛え身体に染み込む勉強法
第三章 人格を磨く勉強法
第四章 実力がワンランクアップするヒント集
終章 直感力で本質をわしづかみ
 
となっているのだが、本書は、
 
勉強したからといって柔らかく本質を捉える「しなやかな地アタマ」が身につくわけではない。むしろ勉強法が重要。(P6)
 
というように、「勉強することの型」「勉強するスタイル」についての本であって、
 
生きていく上で3つの力が基本になる
①まねる力(技を盗む力)
②段取り力(物事を為す大切な手順を理解し、組み立てる力)
③コメント力(質問力を含む)(P26)
 
まねる勉強法とは、勉強法自体を盗むことでもあります。もちろん、勉強法を考えずに勉強を教えてもらうやり方もありますが、勉強法のポイントを盗み、それにネーミングして自分のものにしてしまうほうが、はるかに有効だと思われます(P30)
 
といったところに本書の肝があるといっていい。
 
もちろん、勉強法の本であるから
 
勉強したい本、制覇したい参考書などの目次を拡大コピーします。そこに、その本の重要と思われるポイントを書き込んでいきます。それを色分けしたり、あるいは余白に自分で作った問いの答を書いたりして、目次を中心に、いわば地図のような本の俯瞰図を作成します=目次勉強法
 
 
新しく知識を得るために、それについて書かれた本を10冊買ったとしまし。・・まず自分に必要な知識が何かを設定し、それを探す(サーチする)ように読みます。これなら、必要なところだけ取り出せばいいので、驚くほど早く読めます(P102)=「サーチ式とばし読み」勉強法
 
であったり、
 
答を探し出す合理的な方法は、まず仮設を立てて実験してみることです。それで、もし間違えていたら、修正して次に進む。その思考回路を頭の中に造ってしまおうという勉強法=「仮設→実験→修正」回路勉強法
 
とか
 
野生のライオンはほとんど一日寝て過ごしますが、いざ獲物が近づくと、瞬時に反応します。獲物をしとめたら、食べたいとこだけ食べて、去っていく。私の本の読み方は、まさにこれです。流しながら読んでいて、ここだと思った時だけ、ガバッと食らいつく。あとは振り捨ててしまうので、読むのが異常に速い=野生の勉強法
 
といった、筆者おすすめの方法については、かなりのページを割いて紹介されて入るのだが、それ何か物事をを覚える、あるいは記憶する方法論を紹介するという趣旨ではない。むしろ、
 
知的というと、論理の積み重ねによって頭を働かせるようなイメージがありますが、実はむしろ知的な人ほど直感的に物事を判断しているように思います。(P174)
 
 
大筋をつかむためには、直感が働くことを優先させるクセが必要です。例えば、問題を解く時は、まず巨視的に問題を見ます。直感でどうしたらいいか、自分自身に聞いてみるのです(P178)
 
といった「直感力」が、より効果を上げる、力を発揮するための「情報」「知識」を得るための方法論を紹介するという意味でとらえるべきで、其その意味で、世間一般の「勉強法」の本とは一線を画していると考えるべきであろう。
 
まあ、本書によれば『勉強とは「生きる力」を身につける最強のスキルである。』とのこと。生きるための「直感力」が最も発揮できるスタイルを、個々に探していけばよいのかもしれんですね。
 

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