リスク狂・妄と「濡羽」の狂乱の活躍もこれが見納めー「賭ケグルイ・妄」4

日本の政財界の有力者の師弟が集まる私立百花王学園を舞台に、学園の支配権を巡って可愛い風貌ながら天然のギャンブラー「蛇喰夢子」が、生徒会長の桃喰綺羅莉などの生徒会メンバーや百喰一族とギャンブルでの闘いを繰り広げる「賭ケグルイ」シリーズの狂乱のリスク好き娘・生志摩妄の活躍するアナザーストーリーの第4弾。

第1巻で同級生のイカサマの犠牲から救って、美化委員会に引き入れた「濡羽綾女」を使って、借金を踏み倒す警察官僚の不良娘「寺須美栗霧」との拳銃ルーレット勝負や、伝統文化研究会会長で生徒会委員の「西洞院百合子」との国宝を賭けたダイスゲームに勝利した生志摩妄なのですが、今巻では、売春組織を率いる百花王学院の生徒との最終勝負を行います。

あらすじとネタバレ

まず前半部分は、百花王学院の生徒の弱みにつけ込んだり、イカサマギャンブルで多額の借金を負わせて、自分の組織する売春組織に引き入れ、同級生を犠牲にして金を稼いでいる「鳳奈々」が、生徒会長・桃喰綺羅莉の逆鱗に触れ、その商売が潰されそうになるところからスタートします。

この「鳳奈々」という女は、第一巻で、「濡羽綾女」をイカサマでひっかけようとしていたところを、生志摩妄の仕掛けたギャンブルで粉砕された女ですね。

彼女は同級生の借金につけこんで利用してたのですが、その借金を綺羅莉が肩代わりして、鳳から解放しようという仕掛けですね。

客の予約がすべてキャンセルとなれば、関係している黒い業界によって「粛清」されることは間違いなく、怯える「鳳奈々」なのですが、「妄」はここで、生徒のリスト半分をかけてのギャンブルを提案してきます。それはビンゴゲームの結果に「首吊り」をかける「吊りビンゴゲーム」。

勝てば、鳳奈々から借金をしている生徒のリスト半分を、綺羅莉に提出せずにか返却、負ければ全員のリストを提出する、という条件です。

はじめは怯えて、なんとかゲームを回避しようとしていた「鳳奈々」だったのですが、「妄」からゲームの有利な追加条件を引き出した上に、ロープのたるみも発見して、急に「妄」への凶暴性を見せ始めるのが、このシリーズの「悪役」のお決まりですね。
そして、ギャンブルに勝ったと思って勝ち誇っていたのが

思ってもみなかった逆転劇にあって、

と一転して精神崩壊してしまうのも、このシリーズの特徴です。

後半部分では、生志摩妄とのギャンブルに負けすべてを失ってしまった「鳳奈々」が、どういうわけか「濡羽綾女」を逆恨みして、彼女を葬り去ろうと「生志摩妄」の生命を賭けてのギャンブルをしかけてきます。

それは、「妄」に指名された「綾女」が渡された拳銃で「妄」を撃てば、「濡羽」は解放し、撃てないか狙いを外せば、前半で出てきた「吊り台」を使って「濡羽」を吊るす、というもので、もはや「ギャンブル」とはいえない、「鳳奈々」の破滅との道連れですね。

自分が死ぬか、「妄」が死ぬか、という究極の選択が迫られる中、「綾女」は誰も死なない、最高にクールな解決方法を見出します。それは、あえて「妄」から狙いを外して銃を発射するというもので・・・、ということで詳しくは原書のほうでどうぞ。

レビュアーから一言

狂乱のギャンブル娘「妄」が主人公となる、アナザーストーリーもこの巻が最終巻きとなります。本編のほうでは、「百喰一族」が生徒会長選挙に入り込んできたせいで、生徒会メンバーである彼女が活躍する場面がほとんどなくなっていて、「妄」の色っぽい狂乱の姿がおがめなくなるのは寂しい限りです。できれば、本編のどこかの機会に「綾女」とともに再登場してほしいものですね。

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