一見可憐なイメージながら、実はとんでもないギャンブラーの蛇食夢子を中心にして、夢子が転校当初のギャンブル勝負で負けた後、腐れ縁的に仲間となった、ヤンキー娘・早乙女芽亜里、ギャンブルの才能がほとんどない不運な男子生徒・鈴井を加えた三人が、日本の政財界の有力者の子弟が通学する「百花王学園」を舞台に、学園の統率・支配をめぐって、ギャンブルによる大バトルを繰り広げられる『河本ほむら・尚村透「賭ケグルイ」(ガンガンコミックスJOKER)』シリーズの第15弾。
前巻ですべてを調整することをポリシーとする等々喰定楽乃を倒した夢子は大量の投票権を獲得し一躍トップに躍り出たのですが、これを追撃して、桃喰綺羅莉と桃喰リリカ+早乙女芽亜里のギャンブル合戦が始まるのが本巻です。
あらすじと注目ポイント>「賭ケグルイ」15=芽亜里は綺羅莉とリリカの隙間に楔を打ち込む
構成は
第83話 瓜二つの女
第84話 節介な女
第85話 狂喜の女
第86話 偽る女
第87話 為す女
第88話 天地無用の女
となっていて、まずは綺羅莉とリリカの生い立ちの場面から始まります。
双子として生まれた彼女たちは、握ったサイコロの目の大きさでどちらが表となるかを決められ、裏となったリリカは綺羅莉の陰として、仮面をつけ、自分の意思を出すことなくコピーとして行きていくことを義務付けられてきたことが描かれます。ただ、芽亜里と出会うことによって、自分の意志が芽生え始めていて、これがこの巻の底流として流れていることをおさえておきましょう。
前巻までのギャンブルで夢子1019票、綺羅莉578票、リリカ166票、芽亜里250票という実績になっていて、ここで「百喰を掠(さら)う」という目的を達成するため、綺羅莉は自分の分身と認識しているリリカに、持っている票を自分の返すよう命令するのですが、リリカの仲間となっている芽亜里は彼女に拒否させ、この結果、綺羅莉vsリリカ+芽亜里の対戦が始まることとなります。
ここで、場違いにも夢子が会談場所に乱入。自分を混ぜて綺羅莉vsリリカ+芽亜里vs夢子で戦うことを提案するのですが、綺羅莉は拒否。綺羅莉はリリカとの勝負に勝った後に戦ってあげると言っているのですが、夢子は納得せず、選挙戦ではこれからギャンブルをしない、と宣言します。
会見場からつまみ出されるときに夢子は
と言っているのですが、これには何か深い意味があるのでしょうが、今巻では明らかにされません。
選挙戦の天王山となる綺羅莉vsリリカ+芽亜里の対戦を前に、周辺では様々な思惑が動き始めます。それはまず綺羅莉の秘書官の五十嵐清華が4人に属していない浮動票となっている500票あまりの買い占めに走ります。これを買い取って、綺羅莉に譲渡すれば、リリカ+芽亜里連合に勝ちさえすれば、綺羅莉の勝利は動かないこととなります。清華は選挙戦も終盤を迎え、価値の落ち始めた票を買い叩こうとするのですが、ここで意外な伏兵が出現します。すでに負けが決している尾喰凛が高額買取をはじめます。彼は夢子に敗れた定楽乃の最後の逆転策に協力をしようとしているようですね。
そして、綺羅莉vsリリカ+芽亜里の勝負は対戦メンバー間で配られた持ちカードを交換して出来上がる手役で勝負を決める「チェンジ・ポーカー」でギャンブルを始めます。
この勝負1(綺羅莉):2(リリカ、芽亜里)の対戦なので、リリカ+芽亜里側が有利にみえるのですが、綺羅莉の「読心術」によって、打つ手をことごとく見抜かれ、芽亜里はどんどん持ち票を奪われていきます。
このピンチにリリカは、綺羅莉とシンクロして相討ちに持ち込むのですが、永遠に決着のつくはずのないこの勝負に芽亜里が投げ込んだ波紋は・・という展開です。
レビュアーの一言>蛇喰夢子が抱える姉の秘密とは?
今巻では謎に包まれている夢子の姉のことが定楽乃のよって少し語られます。
百喰一族の一つでありながら、綺羅莉や定楽乃たちとは混じり合うことのない「蛇喰夢子」が抱えている秘密は何なのか?
今巻ではほとんどヒントもないままなのですが、それは綺羅莉にギャンブルを拒否されて落ち込む彼女の態度に関連しているとは思われるのですが・・。
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