芽亜里は夢子に代わって。毒使い姉妹と対戦する ー 河本ほむら・尚村透「賭ケグルイ 8」

一見可憐なイメージながら、実はとんでもないギャンブラーの蛇食夢子を中心にして、夢子が転校当初のギャンブル勝負で負けた後、腐れ縁的に仲間となった、ヤンキー娘・早乙女芽亜里、ギャンブルの才能がほとんどない不運な男子生徒・鈴井を加えた三人が、日本の政財界の有力者の子弟が通学する「百花王学園」を舞台に、学園の統率・支配をめぐって、ギャンブルによる大バトルが繰り広げられる、「賭ケグルイ」シリーズの第8弾。

前々巻で、生徒会長の桃喰綺羅莉が突然宣言した「生徒会長選挙」で、学園に属する生徒と百喰一族の代表たちが会長の座を争う中、あっけらかんと強敵たちを打ちのめしてく蛇喰夢子が今回対戦するのは、「毒使い」の姉妹である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第39話 無私の女
第40話 鎖す女
第41話 この女触れるべからず
第42話 通じる女たち
第43話 弱い女

となっていて、夢個が勝負をするのは「陰喰三欲」「陽喰三理」の二人。この二人は、継いでいる家は違っているが実の姉妹という設定ですね。

で、今回のゲームは「ニム零式」というもので0から3までの各10枚のカードを使い、まず4枚ずつ手札として配る。手札のカーを順に出していって場の合計数が9を超えたら負けというゲーム。これを3回繰り返すのだが、ポーカーと同じようにベッティングし、負けた者は他の人に賭けた分の票を分配するというルールである。このゲームはどうも「賭けグルイ」独自のものらしいです。

もともと今回のゲームは陰喰、陽喰、鈴井、夢子の4人でプレイされていたのですが、ゲームの開始前に夢子が陰喰三欲に毒を注入されてしまい、意識を失ってしまう事態がおきたあたりから、通常のゲームとは異質な展開となってきます。

倒れてしまった夢子に変わってゲームに参加するのは、生徒会長・桃喰綺羅莉の双子の姉妹・桃喰リリカと提携する羽目となった早乙女芽亜里です。
もっとも、夢子は倒れる前に、この陰喰・陽喰姉妹とのゲームをセッティングしたのが「リリカ」であることを見抜いていたようですので、ひょっとすると、三欲に毒を注入されるのも折込み済みのことだったのかもしれません。

そして、「陰喰三欲」「陽喰三理」「鈴井」「早乙女芽亜里」で争われるゲームは「ニム零式」なのは継続されるのですが、賭けられるものは「毒」を中和する「血清」。

そして罰ゲームは、敗者は毒を塗った剣山で指をあて毒を指先から注入する、というもので突然に、夢子や自分の命を賭けたゲームに変わっていきます。
ただ、ゲーム開始前で意識を失う前、夢子は

といったアドバイスを鈴井に行います。夢子としたら、このゲームの勝敗を競うのではなく、「毒」を使って人を操ろうという「陰喰」のスタンスに怒っているのかもしれません。
ここで、芽亜里がとった秘策は

なのですが、さてその狙いは?・・・といった展開です。

【レビュアーから一言】

勝負の行方をネタバレすると、最終的に敗者になるのは、姉妹の妹のほうの「陽喰三理なのですが、それは姉の「陰喰三欲」を勝ち残らせる選択をするため。しかし、そのやり取りの中で、姉妹の間に

といった隙間風が吹き始めているのを感じます。これが、これからの会長選挙でどう影響してくるか注目しておきたいところですね。

【関連記事】

ギャンブル妖精・蛇喰夢子、ギャンブル学校へ乱入し大暴れ ー 河本ほむら・尚村透「賭けグルイ 1〜2」

生徒会役員とのギャンブル・トーナメントに勝ち抜けろ ー 河本ほむら・尚村透「賭けグルイ 3~6」>/p>

夢子と「拷問娘」の対決の行方は・・ ー 河本ほむら・尚村透「賭けグルイ 7」

皇伊月の秘められた想いが露わになる ー 河本ほむら・尚村透「賭けグルイ 9」

ユメミの憧れのハリウッドスター登場 ー 河村ほむら・尚村透「賭けグルイ 10」

リリカは詐欺師一族を葬り去る ー 河村ほむら・尚村透「賭けグルイ 11」

会長選挙は一転してバトロワの世界に突入 ー 河本ほのか・尚村透「賭けグルイ 12」

【あわせて読みたい】

夢子転校以前のビフォー・ストーリーの開幕 ー 河本ほむら・斎木桂「賭けグルイ・双 1」

【スポンサードリンク】

コメント

タイトルとURLをコピーしました