日本の政財界の有力者の師弟が集まる私立百花王学園を舞台に、学園の支配権を巡って可愛い風貌ながら天然のギャンブラー「蛇喰夢子」が、生徒会長の桃喰綺羅莉などの生徒会メンバーや百喰一族とギャンブルでの闘いを繰り広げるのが「賭ケグルイ」シリーズなのですが、その蛇喰夢子の転校前、夢子の戦友である、早乙女芽亜里が単独で生徒会長・桃喰綺羅莉への挑戦を繰り広げる「賭けグルイ」のアナザーストーリー『河本ほむら・斎木桂「賭ケグルイ 双(ツイン)」』の第12弾。
前巻で、桃喰綺羅莉を追い落とし、生徒会長の座を奪うため、生徒会の役員でありながら、生徒会会長への対抗組織・善咲会のリーダーであった壬生臣葵を、「決起」の最終戦「国盗り合戦」の勝負で打ち負かし、彼を学園から去らせた芽亜里なのですが、その快挙によって新たな敵を呼び寄せることになる新展開が始まります。
あらすじと注目ポイント>中等部の刺客が、壬生臣を倒した芽亜里を襲う
構成は
第62話 狩る女たち
第63話 嵌まる女
第64話 選ばれる女
第65話 倣う女
第66話 予め防ぐ女
第67話 格下の女
となっていて、前巻で生徒会副会長に勝利した早乙女芽亜里のギャンブルの強さはあっという間に学園中に知れ渡り、彼女にまともに勝負をしかけてくる生徒はいなくなってしまい、力を持て余し気味の「芽亜里」なのですが、中等部から体験入学してくる男女ふたりと学園の廊下ですれ違います。まずは、この二人が「決起」が終わり、桃喰綺羅莉の統治下で平穏を取り戻した高等部に波乱を持ち込んできます。
この二人、中等部の「豪兜」(ごうとみこと)と「曽我正業」(そがしょうごう)で、かれは音楽室にいるクラシック研究会の会長・瑠璃鳥撫子に対してギャンブルを申し込みます。
瑠璃鳥が相手をするのは、双方が50円玉と1円玊を好きな数だけ貯金箱にいれて秤の上におき、その枚数を当てたほうが勝ちという「聴重千金」というギャンブルなのですが、第8巻でおわかりのように、ここには瑠璃鳥が有利になるようなイカサマが仕掛けられています。
二人は瑠璃鳥が1年かけて考案したこのギャンブルを小馬鹿にしてきます。これにカチンときた瑠璃鳥は彼らに最初は勝たせて、大金を賭けた大勝負に誘い込むのですが、ここでなんと彼らによって「イカサマ」の証拠をつかまれ、一転して多額の負債を背負ってしまうことになります。彼女の危機をみかねて、ギャンブルを見ていた「花手毬つづら」が瑠璃鳥の負債をかけて勝負をすることとなります。
一方、文芸部のほうへは中等部三年生の「神々廻有愛」(ししばゆあ)という女の子が入部希望にやってきます。彼女は、芽亜里に憧れててやってきたと文芸部に体験入学するのですが、これにはある謀みが隠されていて、巻の最後のほうで明らかになります。
そして、「つづら」と「曽我正業」はブラックジャックで勝負をするのですが、勝負は常に正業ペースで進められていき、「つづら」はあっという間に粉砕されてしまいます。
一挙に瑠璃鳥と同額の負債を負ってしまった文芸部メンバーなのですが、勝負の一部始終を見ていた芽亜里は彼らがしかけたトリックに気付き、「文芸部」の運営権をかけて彼らと再度勝負に出ます。芽亜里が見抜いた「命」と「正業」の仕掛けるトリックと勝負の行方は・・というところで、今まで猫を被っていた「有愛」が彼女の本性をむき出し、芽亜里に攻撃をしかけてくるのですが・・という展開です。
巻の最後で「有愛」の意外な正体が明らかになるのですが、ここは原書のほうでお確かめください。
レビュアーの一言>中等部の三人を操る黒幕は?
中等部の三人は壬生臣葵を倒した「文芸部」。中でもその中心である「芽亜里」を狙って攻撃をしかけてくるのですが、ここで管理人が気になるのは、姿を見せなくなった生徒会長の綺羅莉ともうひとりの有力者・聚楽幸子ですね。中等部三人組の狙いが、高等部への食い込みであるなら本当の支配者の桃喰たちへトラップを仕掛けるべきなのですが、芽亜里をターゲットにしているのは、さらに隠されている陰謀があるような気がします。
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