文芸部を奪った中学生グループへの芽亜里の逆襲スタート=河本ほむら・斎木桂「賭ケグルイ 双(ツイン)」13

日本の政財界の有力者の師弟が集まる私立百花王学園を舞台に、学園の支配権を巡って可愛い風貌ながら天然のギャンブラー「蛇喰夢子」が、生徒会長の桃喰綺羅莉などの生徒会メンバーや百喰一族とギャンブルでの闘いを繰り広げるのが「賭ケグルイ」シリーズ。その蛇喰夢子の転校前、夢子の戦友である、早乙女芽亜里が単独で生徒会長・桃喰綺羅莉への挑戦を繰り広げる「賭けグルイ」のアナザーストーリー『河本ほむら・斎木桂「賭ケグルイ 双(ツイン)」』の第13弾。

前巻で、百花王学園の中等部から体験入学してきた「豪兜命」と「蘇我正業」、そして、芽亜里が倒した壬生臣葵の妹と名乗る「神々廻有愛」によって仕掛けられたギャンブルで大敗し、文芸部をのっとられてしまった芽亜里たちだったのですが、相手の正体がわかったところで芽亜里+文芸部メンバーの逆襲が始まります。

あらすじと注目ポイント

構成は

第68話 都落つ女
第69話 見破る女
第70話 立つ女
第71話 遅れて来た女
第72話 企む女
第73話 力を合わせる女
第74話 打ち砕く女

となっていて、冒頭のところで、文芸部をのっとられ屋外で昼食をとっている芽亜里と戸隠・花手毬、久留米たち文芸部メンバーたちなのですが、勝負に負けたことにへこまず、復讐を宣言するのが芽亜里の強いところです。

そして、場面は文芸部室でくつろぐ有愛・命・正業たちに移ります。ここで、命と正業の中学校入学当時の回想の場漫画入ります。これをもると二人はお金持ちの子供ではなく、百花王学園系列の児童養護施設の出身のようですが、何かの目的で百花王学園中等部に入学したようですね。ただ。入学したてのときに学園特有のいかさまギャンブルの洗礼を受けています。この仕掛け人は「伊月ちゃん」と呼ばれているところをみると、本編で蛇喰夢子にコテンコテンにやられて夢子派となった「皇伊月」のようですね。

ここで中学生チームのリーダー・神々廻有愛の最終ターゲットは「聚楽幸子」と「桃喰綺羅莉」であることがわかります。彼女は綺羅莉の掌の上で遊ばれていたことがわかり人格破壊した壬生臣の学園の支配権奪取を代わってやり遂げるつもりのようですが、綺羅莉の政権転覆には「蛇喰夢子」の生徒会長選挙テロをまたないと実現しなかったのは、本編を読んでいる人はわかるはずですね。

で、その目的を叶えるために、学園のあちこちで開かれているカジノに出没するのですが、その目的は、命の人並み外れた観察力と正業の」頭脳をつかったそこで行われているイカサマ暴きです。ここで、人生をなめていたお嬢様・乾千歳によるカジノぐるみの高等なイカサマがまず撃ち落とされていきます。

これに始まった彼らのイカサマ狩りを使って、芽亜里たちが中学生グリープへの復讐劇を開始します。まずターゲットとなるのは「豪兜命」と「蘇我正業」です。二人を、以前、花手毬にアプローチしてふられた「殿」ことおぼっちゃまの「結」のグループと協働して文芸部+結のメンバーたちのみで構成されたギャンブルの中に誘い込んで罠にかける作戦です。

ここで命と正業を待ち伏せする「結」メンバーの一人が芽亜里に連絡しようとしている現場をおさえられて、芽亜里の計画がばれてしまう場面があるのですが、おそらくこれは、彼らの注意を芽亜里に引きつけておいて、もっと大きな罠の中にひきこむ芽亜里の作戦だろうと思われます。
結グループを圧倒する正業とのギャンブルにまず、芽亜里が単独で参加するのも同様でしょうね。

まず一番目の仕掛けは、芽亜里の一挙手一投足を監視する命の前で、あえて芽亜里がイカサマを仕掛けてくることから始まります。イカサマを見破ったと見せかけて、実はフェイクのイカサマの罠にはめようという作戦ですね。

この後、久留米が資金をもって途中参加してくるところから最終的な仕掛けが開始です。久留米、戸隠、花手毬の三人もダイス・ポーカーのギャンブルに加わるのですが、ここで久留米がダイスカップに触ったりと、イカサマもどきの動きを見せたり、花手毬も怪しい動きをするなど。「命」の観察眼の撹乱に入ります。さらに、彼女が撹乱されてしまった、と考えた正業に通常とは別の動きをさせて、二人の協働プレーの分断を図ります。

そして、最後のトドメをさすのは以外にも・・ということで、種明かしは原書のほうで。

ここで注目しておきたいのは、資金をもってきた久留米の「この金、あたしのじゃないから」という発言で、芽亜里たちの復讐劇の資金源は「聚楽幸子」あたりか、と推測するところです。

Bitly

レビュアーの一言

この巻で印象的なのは、命にイカサマを見破られて動揺したのか、と思わせる芽亜里の表情から

フェイクのイカサマにひっかからなかったので残念がる「悪魔的」な表情への変化ですね。まさに」ダーク・芽亜里」の出現というところでしょうか。

もともと感情あふれるタイプの芽亜里なのであうが、本巻ではその千変万化ぶりが加速しているように思います。

【スポンサードリンク】

コメント

タイトルとURLをコピーしました