芽亜里よ、壬生臣を徹底的に叩き潰せー「賭ケグルイ 双」11

日本の政財界の有力者の師弟が集まる私立百花王学園を舞台に、学園の支配権を巡って可愛い風貌ながら天然のギャンブラー「蛇喰夢子」が、生徒会長の桃喰綺羅莉などの生徒会メンバーや百喰一族とギャンブルでの闘いを繰り広げるのが「賭けグルイ」シリーズなのだが、その蛇喰夢子の転校前、夢子の戦友である、早乙女芽亜里が単独で、学園を二分する生徒会とその対抗勢力「善咲会」との間に挟まれながら、双方との闘いを繰り広げる「賭けグルイ」のアナザーストーリー『河本ほむら・斎木桂「賭ケグルイ 双(ツイン)」』の第11弾。

前巻で壬生臣によって桃喰綺羅莉追撃の罠の駒として使われそうになる危機を、聚楽幸子の助けで切りぬけた芽亜里が、大敵・壬生臣葵との最終決戦に挑むのが本巻です。

構成と注目ポイントー壬生臣との「国盗り合戦」の決着は?

構成は

第55話 関心のない女
第56話 縛る女
第57話 栗の女
第58話 運命の女
第59話 格下の女
第60話 未来の女
第61話 無知の女

となっていて、場面は前巻で、聚楽幸子から10億円の資金提供を受け、生徒会副会長・壬生臣葵との真っ向勝負の「国盗り合戦」の第二幕です。
実は、ここまでで生徒会会長・桃喰綺羅莉の率いる生徒会に「決起」した善咲会の幹部はすべて敗北しているので、ここが最後の砦となりますね。

しかし、壬生臣の実力は相当なもので、芽亜里たちの動きは

といった感じで、全て彼の手の内にあるような気配が漂ってきます。しかも、芽亜里はチーム戦で戦っているので、それぞれのメンバーの「動揺」がもろに全体に影響してくることとなります。

しかし、追い詰められた時こそ、思いがけない力を発揮するのが、芽亜里の真骨頂で、

という感じで壬生臣にむけての反撃の開始です。

ところが、壬生臣のほうも負けてはいません。彼が中学生の頃から念願していた生徒会長の地位を、途中から転校してきた綺羅莉にあっさりと奪われながら、それに反抗することもなく、彼女をバックアップしてきた行動の底に、綺羅莉への「怖れ」が潜んでいて、今回、壬生臣の企んだ決起も

と、その本質を見抜いた芽亜里に対し、悪びれることなくそれを認める彼の態度には余裕すら感じられます。

それは、思考のクセや、ギャンブルの攻め方など、芽差里の動きをすべて「見抜いている」という自信からくるものなのですが、ここで、彼の「予測」を上回る手を仕掛けてくるのが、勝負師・早乙女芽亜里。

彼女のうった手は単にカードを置いたところからだけでなく、壬生臣の綺羅莉に対する感情を暴露したところから周到な仕掛けが始まっていたんですね。この驚きべき仕掛けは原書のほうでお確かめください。芽亜里が粉砕した敵に示す

といったシーンはいつものお決まりながら、スカッとするところです。

そして、この勝負の最後のところで、追い詰められた壬生臣がかなりの醜態をみせていて、この追い詰められ方はちょっと同情してしまうのですが、今までの彼の良い名付けの「咲良」や芽亜里たちにしてきた仕打ちを考えるとしょうがないのかもしれないですね。

レビュアーの一言ー綺羅莉の”暗黒面”が出現

今回の勝負で善咲会の「決起」の決着がつくことになるのですが、最後のところの壬生臣と綺羅莉が生徒会室で会う場面で、彼女が壬生臣の企みや芽亜里の大健闘のことに全く関心をもっていなかったことが暴露されます。案外これも綺羅莉フェイクなのかもしれないですが、今まで綺羅莉との力の差に悩み、それを克服しようとしていた壬生臣の「心」を破壊するに十分な仕打ちで、まさに彼女の「暗黒面」を見せられるようですね。

この強大なボスキャラに芽亜里はどう立ち向かっていくのでしょうか、次巻以降に「乞うご期待」ですね

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