芽亜里は、壬生臣の許嫁と対決する ー 河本ほむら・斎木桂「賭ケグルイ・双 3」

日本の政財界の有力者の師弟が集まる私立百花王学園を舞台に、学園の支配権を巡って可愛い風貌ながら天然のギャンブラー「蛇喰夢子」が、生徒会長の桃喰綺羅莉などの生徒会メンバーや百喰一族とギャンブルでの闘いを繰り広げるのが「賭ケグルイ」シリーズなのだが、その蛇喰夢子の転校前、夢子の戦友である、早乙女芽亜里が単独で、学園を二分する生徒会とその対抗勢力との闘いを繰り広げる「賭ケグルイ」のアナザーストーリーの第3弾。

前巻で、学園全体で盛り上がる「カップリングパーティー」で仕掛けられた罠をかいくぐって第二図書室の賭場維持料と、幼馴染の「つづら」の花手鞠つづらの「ミケ」脱出の経費を稼いだ芽亜里だったのだが、壬生臣がそのギャンブルの才能に注目したことに嫉妬した彼の許嫁にケンカをしかけられてくるのが本巻。

【あらすじと注目ポイント】

構成は

第9話 竹馬の友
第10話 実直な女
第11話 解読する女たち
第12話 暴き合う女たち
第13話 取り上げる女
第14話 二重の女

となっていて、カップリングパーティーで勝利した芽亜里たちが、壬生臣の主催する「善咲会(ぜんしょうかい)」の会合に招かれるところからスタート。この会は、彼が組織した生徒会長の桃喰綺羅莉を打倒を目指す、まあ反政府の地下組織ってな感じですね。

で、この会の幹部に加わるよう誘われた芽亜里なのですが

ってな理由で「保留」するのですが、これが壬生臣の許嫁の、生徒会の美化委員長「三春滝咲良」の怒りを買うことになりますね。

この時期、美化委員長は、狂乱の女・生志摩妄ではなくて、さらに彼女の右目はまだ健在ですね。

ただ、彼女の賭場に使用料を徴収に来たときの

という言葉が、「咲良」の弱点をしっかり見抜いていて、これが芽亜里が今回の勝負で「三春滝咲良」を出し抜くことの出来た原因でもありますね。

で、その「三春滝咲良」が、芽亜里をみじめに敗北させて、壬生臣の歓心を引き戻すためにしかけたギャンブルが、聚楽幸子の設定する「宝探し」ゲームです。

このゲームは、学校の同好会が集まる「同好会棟」に隠された「宝の地図」を探し出し、それをヒントに「宝」を探す、というオーソドクスなものなのですが、このゲームの勝敗を分けるのは、一人の力で勝負する「咲良」と、

仲間とともに戦う「芽亜里」の違いですね。

【レビュアーから一言】

勝負の行方とは別に、壬生臣が、負けた人間には全く同情を示さない、どころか、水に落ちた犬は叩け的な「ゲス」なところを全開にします。多分、これは後の巻に向けた伏線なのでしょうが、結構「イラッ」とくるのは間違いありません。

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