保身野郎の新薬承認の妨害をヘタレ病理医・宮崎が吹っ飛ばす=「フラジャイル 病理医岸京一郎の所見」25

臨床にでることなく、生体検査や病理解剖などを通じて、病気の原因過程を診断する専門医が病理医。都会の大病院・壮望会第一総合病院の病理部診断科長・岸京一郎と女性見習い病理医・宮崎、病理部たった一人の敏腕臨床検査技師・森井を中心に、臨床をもたずに患者を治療する病理医たちが、臨床医たちの誤診と傲慢や医療業界の理不尽に立ち向かっていく姿を描く医療コミック・シリーズ「フラジャイル 病理医岸京一郎の所見」の第25弾。

前巻でユーイング肉腫にかかった門川と五味という仲の良い男友達同士の一方がJS1の被験者となり、片方が対象外となることで、二人の仲が離れてしまったところを、宮崎の暴走行為が、アミノ製薬の間瀬と主治医を動かして新たな被験の途を勝ち取ったのですが、多くの治験例を収集するだけで一向に新薬の承認が降りない状況に、再び宮崎の暴走が、岸と間瀬を動かしていきます。

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あらすじと注目ポイント

第100話 想定外の問題
第101話 利益相反の森へ
第102話 どこまでも共に
第103話 もっと遠くまで

となっていて、前巻でJS1の追加治験が決まったものの、薬の提供には時間がかかることがユーイング肉腫の患者・門川にもたらせます。
この前に、世界中で病院でJS1が治験だけが繰り返されていて、一向に新薬の承認が出ないことに苛立つ医師たちの姿が描かれているので、これは日本だけでなく、アミノ製薬の新薬開発の根幹にかかわる問題が起きていることがわかります。

そして、アミノ製薬がなにかを隠蔽しているのではち疑った岸は間瀬のかつての勤務先である業界新聞の「医薬新聞」を使って極秘調査してもらうのですが、そこででてきたのが、アミノ製薬の治験データに捏造の疑いがあり、治験全体の評価と継続か中止の判断を第三者的な立場から行う独立データモニタリング委員会(IDMC)が承認にストップをかけたという情報です。

しかし、JS1の治験データの最終解析を行った専門家に聞くと、治験結果は目標値を上回っているという評価で、IDMCがストップをかける本心が見えてきません。それを探るため、業界内を動き回る岸、宮崎と火箱だったのですが、そこに岸の恩師・中熊から、岸へ医学会の大先生が不快に思っているという話が入ったという情報がもたらされます。

それを聞いた宮崎は、今回のIDMCの動きが、恨みや理想などではなく、医学会の先輩後輩の年功序列が関係しているのではと思いつきます。そして、IDMCの委員任命を行っている委員の元上司がヒラ委員として任命されていることに気づきます。
この宮崎の気づきを受けて、間瀬が最後の切り札を使って、という展開です。

後半部分では、JS1の新薬承認の動きが加速する中で、治験を続ける仲良し患者の門川と五味の治療風景が描かれているのですが、人前で読んでいる方は、突然涙こぼさないよう注意が必要です。

レビュアーの一言

今回、さまざまな障害を乗り越えて、「JS1」が新薬承認へ大きな一歩を踏み出したわけですが、新薬承認に至るまでには、治験に3〜7年、その後、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の審査を経て、その審査結果をもとに国の薬事・食品衛生審議会で審議され、医薬品として適合すると厚生労働大臣の販売許可がでるわけですが、新薬申請から承認取得までは最短で1〜2年とされています。
こうしてみると新薬開発から販売までの相当の時間が必要であることがわかりますね。アミノ製薬に薬科大を出て新規採用で入った「火箱」ちゃんが、適性に悩む純真なころから、すれっからしのベテランMRに成長するぐらいの時間が必要ということですね。

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