敏腕潜入捜査官「黒田カナ」退職、そしてひき逃げ事件の被害者「桜」が復帰する=「ハコヅメ 交番女子の逆襲」16〜18

日本の架空の都市、岡島県町山市の市街地から離れた田舎にある町山署の町山交番に勤務する、安定した職場と収入を求めて警察官となった新人巡査・川合麻合をメインキャスト、警察官にふさわしくない美貌と、男性警察官を上回るゴリラ的精神をもつ川合の指導をするペア長・藤聖子巡査部長、抜群の取り調べの才能とチャラさを併せ持つ刑事課の源誠二巡査部長、源に忠誠を誓う山田武司巡査をサブキャストに、警察の内部情報に溢れたポリス・ストーリーのシリーズ『泰三子「ハコヅメ〜交番女子の逆襲」(モーニングKC)』の第16弾から第18弾。

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あらすじと注目ポイント

第16巻 川合は成長の姿を見せるが、カナには黒いものが溜まっていく

第16巻の構成は

その134 コーヒーを飲みほす前に
その135 故意は難し 察せよオトコ
その136 交番襲撃模擬訓練
その137 怒メスティックな彼女
その138 内紛でしたら聖子まで
その139 最後の昼餐
その140 天才と凡才
その141 聖子の知らない物語
その142 密着!張り込み刑事24時

となっていて、冒頭話はいつの間にか成長していて、中学校での防犯教室の講師を立派に務められるようになった川合の打ち明け話を、藤ペア長がノロける話なのですが、川合のやった講話でアシストしてくれた女子中学生は川合の初めての被害者取調べの相手なのですが、後巻で重要な役割を果たしてくれることになります。

第3話目の「怒メスティックな彼女」では潜入捜査官として抜群の才能を発揮している「黒田カナ」の心を折る事件です。DVの被害者となっている女性を、相手の男性から逃れさせ、市役所の堅物の担当者に臨時の住居など破格の措置を引き出したカナだったのですが、その後の女性の素行に・・という展開です。
少しネタバレしておくと、黒田カナは後巻で早期退職してしまうのですが、こうした「澱」が溜まりすぎたのかもしれません。

後半部分では、町山県警の独身の女性警察官の憧れの的である「藤聖子」の幼馴染の先輩・如月巡査部長の「トラウマ」がこぼれ出てくる話です。彼はイケメンながら女性との交際はうまくいかないのですが、その原因はここから明らかになります。

第17巻 川合麻衣の衝撃の未来が明らかになる

第17巻の構成は

その143 雲上人の啓示
その144 光る刑事の勘
その145 ネコシエイター
その146 「秘密」に弱い警察官
特別編その1 怪しい蜘蛛ゆき
その147 やさしい背中を追いかけて
その148 くノ一の察する日
その149 撮り直せない写真
特別編その2 教官ビショビショ事件

となっていて、冒頭倭では岡島県警初となる女性県警本部長から「本部長賞」を授与される源、如月、川合の3名の姿が描かれます。
この話の最後で、川合の驚く未来が示されるのですが、そこに至る物語はまた別の話となるのでしょう。

なかほどでは、サボりの名人である「伊賀崎交番所長」が過去の潜入捜査官としての能力を活かして、監察室の矢吹監察官の内偵調査をぶっ潰してしまう話です。いつもぼんやりとしている交番所長なのですが、敵にまわすと怖い存在であることがうかがえます。

後半では「黒田カナ」巡査部長の話が連続していて、彼女の警察学校時代の元カレの話などが描かれるのですが、最終話は警察学校長となった川合のエピソードで締めくくられます。どうやらこれは、「アンボックス」収録の事件に関する前フリになっているようですね。

第18巻 黒田カナ退職後、リハビリ後の「桜」が復帰する

第18巻の構成は

その150 それぞれが掲げる嗜好の旗印
その151 歓迎会にもコンプラを
その152 パワハラ〜似て非なるもの
その153 霊長類の発情期
その154 サボることに理由はいるか
その155 私があなたの一番に
その156 お父ちゃんっ子の滾る闘志
その157 後悔先に立たず
その158 女の気持ちは以心伝心

となっていて、時系列的には、町山警察署管内でおきた殺人・死体遺棄事件(「アンボックス」収録)の後になっていて、黒田カナ巡査長はこのときはすでに退職していて、本編のメンバーたちはそのショックがまだ癒えていない状況のようです。

ここで皆の痛手を拭い去る可能性を見せるのが、ひき逃げ事件の後遺症でリハビリを続けていた「桜しおり」が現場に復帰してきます。
中盤からは、この「桜」が物語のセンターになってきますね。
彼女が復帰する「生活安全係」には、桜やカナが警察学校の初任訓練時に教官だった横井が係長として赴任してきていますし、係内には、以前、横井をさんざんいびった元上司の立浦が、部下へのパワハラが原因で左遷されてきていて、という状況です。

ついでにふれると、地域課長として新しく赴任してきた中富は県警捜査二華生え抜きのエリートなのですが、伊賀崎交番長に妙なコナをかけたり、尾行したり、と奇妙な言動が続きます。少しネタバレしておくと、これは奥岡島事件に端を発する次の大事件の前触れなので気をつけておきましょうね。

後半部分では、イケメンの如月巡査部長と、川合、そして本部の捜査二課の敏腕女性捜査官・玄田巡査部長との変速的な三角関係が出来上がっています。どういうわけか如月が川合にホレてしまった、という設定は少し無理があるかもしれませんが、クセのありすぎる二人のやりとりは物語的には楽しめそうです。

レビュアーの一言

今回のタームは突然の「黒田カナ巡査長退職」のあとのリカバリーがいかにされていったか、というところですね。
「別章アンボックス」を読んだ方はおわかりでしょうが、彼女は複雑な境遇を経て警察に入ってきていたので、ある意味、退職後の姿のほうが彼女らしいとは思えるのですが、捨てられた格好の町山書の面々は心に穴が空いたような感じになってのは頷けます。
ただ、すでにそんな空虚感をふっとばすような大事件がすでに陰では動きだしているんですよねー。

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